「Firop(フィロップ/単位:FDP)」は2018年6月1日からICOトークンセールを実施中です。ICOの目的は、世界の水問題の解決を目指す「造水技術」の研究機関や企業と投資家を橋渡しする「マーケットプレイス」を構築し、将来の地球で起こる水不足という大きな危機から人類を救うことです。
人類を危機から救う使命を帯びた仮想通貨
Firop(フィロップ)は現在ICOトークンセール中です。2018年6月1日に始まり、8月31日に終了予定です。Firopは何のためにある仮想通貨かというと、それは「水」です。雨が多く、国土のいたるところに川が流れる日本人には想像しにくいのですが、地球上での「水」の問題は、年々深刻になっています。
地球上に「水」は14億立方キロメートル存在しますが、97.5%は塩分が多すぎて飲めない海水です。淡水は2.5%ですが、極地の氷や高山の氷河、地下深くに閉じこめられている分があるので、地表近くに存在する淡水はわずか0.01%です。その中には農業用水や工業用水にされたり、有害物質や放射能で汚染された水もあり、私的に安全に利用できる淡水はさらに少なくなり、しかも国や地域によって著しい偏りがあります。
中央アジアやインドやアフリカの乾燥地帯で水を得るには井戸を掘らなければなりませんが、気候変動や農業用水や工業用水目的の取水で井戸の水位が下がり、枯渇する井戸も増えています。水が得られなければ、そこはもはや人間が生きられない土地になります。
日本では減っても世界の人口は増加していて、2025年に80億人、2050年に100億人に達すると見込まれます。それに伴い2050年の世界の水需要は2000年の約5倍になるというOECDの予測があります。今でも世界人口の3分の1は安全な飲み水を入手できないといいますが、水不足がひどくなると水をめぐる争いがエスカレートして国家間の戦争まで起き、多くの難民が発生すると予測する報告書もあります。水不足は農業や牧畜を壊滅させる経済の危機、人間の生存の危機だけでなく、安全保障上の危機にもなります。
それでも解決策としては、濁った川の水や塩分が濃すぎる海水など「飲めない水」を飲めるようにする「造水」の技術があります。大規模浄水施設と上水道は19世紀、海水淡水化プラントは20世紀に実用化されました。
しかし、海水淡水化プラントの「多段フラッシュ(MSF)法」は海水を熱して沸かし、水蒸気から淡水をとる過程で石油や天然ガスなど化石燃料を大量に消費するため環境負荷が大きく、発生する二酸化炭素が地球温暖化、砂漠化を促進させる恐れがあります。ポンプで圧力をかけ逆浸透膜でろ過する「逆浸透(RO)法」も多くの電力を消費し、電源を火力発電に頼るなら同じことです。
MSFやROでは太陽光や風力など再生可能エネルギーの利用も試みられていますが、コスト高で効率も悪いのが現状です。また、海水からつくった淡水は相当なまずさで、そのままでは飲み水や料理に使えない問題もあります。
そうした問題の解決には、海水淡水化に限らず造水技術の飛躍的な進歩が必要です。乾燥地帯の人工降雨、空気中の水蒸気の採取、細菌を利用した海水中の塩分の分離などが、現在知られている次世代の造水技術の一例ですが、既存の造水技術のコストダウンや環境負荷の軽減も、重要な研究開発テーマです。
Firopは造水技術に絞って、飛躍的進歩をもたらすような研究開発に必要な資金を供給できるしくみを、「人類を危機から救う使命」に基づいて構築しようとしています。具体的には研究機関や企業と、研究開発に投資したい人が出会い、話し合い、納得した上で資金を受け渡す「場」を「Firop Exchange」と名付けています。そこは多くの仮想通貨が構想する「マーケットプレイス(中央管理者のいない分散型取引所)」の一種で、研究機関や企業と投資家の間の「架け橋」になります。
「国連機関や国がやることだ」と思うかもしれませんが、民間には民間なりの良さがあります。最大のメリットはスピードで「人類の危機は待ったなし。必要な開発資金を機動的に供給できれば、救われる命がある」ということです。公的資金は申請から交付まで時間がかかり、政治的な利権がからむこともあると知っている人なら、理解できるでしょう。
Firop(フィロップ)で「造水技術」全体に投資するしくみ
Firop Exchangeでは、投資家が造水分野の研究開発プロジェクトの公開情報を比較検討し、投資先を選びます。研究機関や企業は自らICOでトークンを発行して投資家に渡し、資金を受け取ります。それで研究設備や資材を買ったり、研究員を雇ったりします。
研究開発プロジェクトが成功をおさめ、たとえば画期的なプラントが実用化したり、建設計画が具体化したら、研究機関や企業が発行したトークンのレートは上昇し、投資家はそれを売って投資資金を回収できます。これが「出口(エグジット)」です。もちろん研究開発プロジェクトが不成功に終わるリスクもありますが、それはFirop Exchangeでそのプロジェクトを選んだ投資家が負います。
実際は、研究成果を発表しただけでトークンのレートがはね上がることもあります。それで投資資金が回収できればよりスピーディーに「出口」を出て、別のプロジェクトに投資できます。そんな資金循環のスピード感は仮想通貨を介した投資活動のメリットです。
一方で、FiropはFirop Exchangeに参加する研究機関や企業が発行したトークンを買って一定の割合で保有します。そうすることでFiropのレートは各トークンのレートの「平均値」に近づき、造水分野の「投資指標」になります。たとえて言えば、株式の日経平均採用銘柄225種を全部買い、値動きが日経平均株価に連動するポートフォリオをつくるようなものです。それは「日本経済」全体に投資するやり方ですが、Firopへの投資は、造水技術全体への投資ということになります。
研究機関や企業から見れば、トークンを発行すれば必ず一定の割合でFiropのトークンに交換されます。プロジェクトが不成功に終わっても、手元のFirop、研究設備などの資産を売却して解散すれば、投資家に資金の一部を返すことができます。そうやってFiropは投資リスクを軽減する役割も果たします。
プロジェクトが成功をおさめたら、研究機関や企業が発行したトークンのレートは上昇し、それを保有するFiropのレートも連動して上昇します。成功するプロジェクトの数が多くなればなるほど、Firopに投資した投資家はより多くの利益が得られます。将来、Firopのレートが大きく上昇した時、造水技術は大きな進歩を遂げています。
政治や経済や社会の問題もからむのでテクノロジーの進歩だけでは課題は解決できませんが、少なくとも人類がおびやかされている大きな危機の克服に向けて前進します。それは投資家と人類全体の「ウイン-ウイン」の関係を意味します。
3倍分のトークンが買えるボーナス率も適用
Firop(フィロップ)は2018年5月1日からICOの事前登録と並行して、5FDP分(2.5米ドル相当)のトークンを希望者にタダで配布するエアドロップ(Air Drop)を実施しています。これはICOの目的を投資家に広く知らしめるのに役立つはずです。エアドロップはICOトークンセール期間に入っても5万アカウント(25万FDP分)に達するまで続けられます。
6月1日から始まったICOトークンセールは「1FDP=0.5米ドル」の固定レートで、次の4つのステージで実施されます。
1 2018年6月1日~6月16日
ボーナス率 200%
2 2018年6月16日~7月1日
ボーナス率 150%
3 2018年7月1日~8月1日
ボーナス率 50%
4 2018年8月1日~8月31日
ボーナス率 20%
ボーナス率200%とは、たとえば500米ドルあれば交換レート1,000FDP+ボーナス分2,000FDP=3,000FDP分、つまり3倍のFiropトークンが買えるということです。ボーナス率が150%なら2,500FDP、50%なら1,500FDP、20%なら1,200FDPになります。
ただし、調達できた資金がハードキャップの3500万米ドルに達したら、ICOトークンセールはその時点で打ち切りになります。仮想通貨取引所への上場予定については2018年12月とアナウンスしていますが、具体的な日程や上場先は明らかにされていません。
Firop(フィロップ)の可能性と将来性
世界の水関連ビジネスは、2011~2025年の15年間の年平均で3.8%成長するという予測があります。それはアメリカのオバマ前大統領が2008年10月に「グローバル・グリーン・ニューディール」として提唱した「グリーン経済」の一角を占め、21世紀中、大きな成長が予想される巨大市場の一つです。
仮想通貨の投資家の大部分は、蛇口をひねれば水が飲める先進国に住んでいますが、地球上には遠くの井戸まで水汲みに行かないと生きていけない人が大勢いて、水不足は年々深刻さを増しているという現状を認識し、危機感を共有できる投資家はどれだけいるでしょうか。その数を増やす「啓蒙活動」が、マーケットプレイスFirop ExchangeとFiropの将来を左右すると言ってもいいでしょう。