「XELS(エクセルズ/単位:XELS)」プロジェクトは2018年7月にICOトークンセールが実施されます。家庭やオフィスのAC100Vの「ノイズ」を除去する機器を普及させ、「エネルギー消費の効率化」によって地球温暖化など環境問題の解決を目指すICOプロジェクトです。「XELS」「SELS」「BELS」の3種類のトークンが発行され、3つ合わせて「XELSプロジェクト」を形成しています。

ブレーカーに貼る小物機器が地球を救える?

「XELSプロジェクト」は7月2日からICOトークンセールが実施されます。購入するトークンは「SELS」ですが、購入するとボーナスで「BELS」のトークンがつき、両方とも後で「XELS」のトークンと1対1で交換でき、取引所に上場するのはXELSという、ややこしいことになっています。

3つで1組の「XELS(エクセルズ)」「SELS(セルズ)」「BELS(ベルズ)」の〃三銃士〃が戦いを挑む相手は、温暖化の原因になり地球環境を脅かす「エネルギー問題」です。と、話のスケールは大きいですが、やろうとしているのはとても身近な「省エネ」です。

それは家庭にもあるブレーカーに貼るだけで電気の使用量を削減する「elesol(エレソル)」という名前の小物の機器です。何だかだまされているような気分になるかもしれませんが、ホワイトペーパーは真剣です。

elesolはXELSプロジェクトを運営する企業が開発して日本企業が製造したプロトタイプ(試作品)がすでにあり、日本など7ヵ国で約8万個が試用されています。電力の消費量を8~20%程度削減でき、電気代が節約できる経済的なメリットがあると同時に、それは「地球を救える」というのですが、どんなしくみで、それができるのでしょうか?

世界の電力状況を知る

日本では、電気は「交流(AC)」の形で電力会社から家庭やオフィスや工場に送られます。プラスとマイナスが東日本では1秒間に50回(50ヘルツ)、西日本では60回(60ヘルツ)、入れ替わります。その電気を「オシロスコープ」という機器に接続すると、画面に山と谷のある波形が現れます。海のうねりのようなきれいな波形ですが、実際は違います。

家庭用の電圧は交流100ボルト(AC100V)ですが、瞬間的に200ボルト近い電圧がかかったり、0ボルトになったり、プラスとマイナスが逆の電圧がかかったり、波形がずれたり、ゆがんだりします。それを「ノイズ」と言います。家庭内の電気機器は冷蔵庫でも洗濯機でもテレビでもエアコンでも、ノイズで異常な電圧がかかっても耐えられるように余裕をもって設計されています。

このノイズが、省エネの敵です。ノイズは余計な「電磁波」を発生させますが、物理の法則で電磁波はその発生時に電気エネルギーを奪ってしまうからです。ですからノイズのせいで、電気の利用者は余計な電気を使い、余計な電気代を支払い、電力会社は余計な電力を送電します。

発電所は余計な電気を起こし、そこが世界の主要電源の火力発電所だったら余計な石油や石炭や天然ガス(LNG)を燃やします。それにより大気中に余計な二酸化炭素(CO2)を放出し、そのため地球の温暖化は余計に進行し、氷河や氷山が余計に溶けてホッキョクグマのような野生動物が余計に死んでしまったり、豪雨や豪雪や台風や山火事のような自然災害が余計に起きてしまいます。巻き込まれた人が余計に死に、農業は打撃を受け、海面上昇で多くの土地は海に沈み、経済は弱体化します。

これが、電気の「ノイズ」が生み出す「余計な電力消費」が連鎖して、温暖化を促進して地球環境を危機に陥れ、人類の生存さえも脅かされるというシナリオです。

現在、世界では年に22兆キロワット以上の電力が消費され、火力発電所から122億トンの二酸化炭素が放出され、植物に31億トンが吸収されても差し引き91億トンが地球温暖化を促進させています。このままでは地球の平均気温は2度上昇し生態系に深刻な影響を及ぼすと警告されています。

地球の敵と戦うelesolを守護する〃三銃士〃

しかし、elesolが全世界に普及してその電力消費を10%削減させたら、年間に2.2兆の節電、12.2億トンの二酸化炭素放出抑制になり、二酸化炭素の増加量は78.8億トンへ12.4%減少します。ペースが落ちる分、地球の温暖化にはブレーキをかけられるという計算です。

「壮大なジョークだ」と思うかもしれませんが、環境学という学問では個人や事業所単位の省エネ努力がいかに重要か真剣に、科学的に研究され、議論されています。2015年12月に締結された「パリ協定」の、地球の年平均気温の上昇を2度以内に抑えるための世界各国の温室効果ガス削減の数値目標も、そんな研究成果が反映されています。

elesolは、エネルギーを余計に使わせる電磁波の発生源になるノイズを元から断つ機器で、中にはノイズを除去する「フィルター回路」が入っています。パリ協定の達成を目指し、エネルギー消費を抑えて地球を危機に陥れる敵と戦うelesolを守護するのが、XSELプロジェクトという〃三銃士〃です。

XELS(エクセルズ)は「女王陛下の英国ポンド紙幣」?

地球温暖化の進行を阻むプロジェクトから発足した仮想通貨「XELS」さて、地球を救うelesolを守護する「XELS(エクセルズ)」「SELS(セルズ)」「BELS(ベルズ)」の〃三銃士〃は、どんな役割分担をするのでしょうか?

2018年7月2日から7月30日まで実施されるICOトークンセールで販売されるのはSELSですが、SELSを購入するとボーナスとして自動的にBELSが付与されます。しかしこの時点でXELSは発行されていません。ICO後の2018年9月、SELSはXLESと1対1のレートで交換が可能になり、BELSも発行後半年以内にXLESと1対1のレートで交換が可能になる予定です。つまり、XELS、SELS、BELSは交換レートが1対1対1の、等価のトークンなのです。

そして、仮想通貨取引所に上場されるトークンはXELSだけです。このからくりは何の目的に仕組まれているのでしょうか?

通貨は需要と供給のバランスで価値が決まります。需要が増えると価値は上がりますが、発行(供給)しすぎると価値が下がり、発行を絞ると価値は上がります。XELSが取引所に上場する時点で、交換レートはXELS=SELS=BELSですが、ICOでSELSを持った人、ボーナスでBELSを持った人は、売るまではXELSに交換せず、そのまま保有しようとします。

そのためXELSの発行量が少なく抑えられ、需要に対して供給が絞られるのでレートは高く維持できるというわけです。XELSを扱う取引所では、SELSやBELSの発行量はXELSのそれに含まれません。

似たような通貨政策をとる国に英国があります。英国(連合王国)がイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの国で成り立ちますが、スコットランド、北アイルランドでは独自のポンド通貨が発行され、紙幣に若い頃の女王陛下の顔が描かれたイングランドとウエールズの通貨「英国ポンド」との交換比率は1対1です。為替市場で米ドルやユーロや日本円と正式に交換できるのは英国ポンドだけで、それ以外は英国ポンドに交換する手間が必要です。英国ポンドの通貨発行量にはスコットランドや北アイルランドのポンドは入っていません。

スコットランドに旅行した人がスコットランド・ポンドを持ったまま日本に帰国すると日本の銀行では円に両替できません。XELSは外国通貨に交換可能な「女王陛下の英国ポンド紙幣」に相当し、SELSやBELSはスコットランドや北アイルランドで発行されるポンド通貨に、それぞれ相当します。

ICOには早期購入、大量購入ボーナスがつく

XELS(エクセルズ)プロジェクトは2018年6月にICOトークンプレセールが実施されます。ICOトークンセールは7月2~30日に4つのステージに分けて実施されます。購入できるのはSELSで、ボーナスのBELSの付与率がステージによって変わります。

・セール1 7月2~8日 付与率12.5%
・セール2 7月9~15日 付与率10.0%
・セール3 7月16~22日 付与率7.5%
・セール4 7月23~30日 付与率5.0%

早期購入ボーナス以外に大量購入ボーナスもあります。
・5,000SELS以上  0.5%
・10,000SELS以上  1%
・20,000SELS以上  2%
・30,000SELS以上  3%
・50,000SELS以上  5%
・100,000SELS以上 10%

窓口の公式サイトは日本語版がなく英語版です。利用できるのはビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)、米ドルの4種類です。

XELSプロジェクトは発行目的が明確で社会的な意義もあり、ICOで調達した資金の使い途は「elesol」の技術開発やマーケティングで、そのプロトタイプがすでに存在しています。世界的に人気が出る要素を兼ね備えていますが、地球環境問題は「温暖化は科学的に証明されていない」「全部デタラメだ。誰かの陰謀だ」などとワーワー騒いで全否定する人がいるので、その点がリスクです。