仮想通貨がクレジットカードで買える取引所
「ビットコインなどの仮想通貨を、クレジットカード払いで購入できますか?」その答えは、イエスです。現在のところ日本で三本の指に入る仮想通貨の取引所「コインチェック(coincheck)」「ビットフライヤー(bitFlyer)」「ザイフ(Zaif)」では、「ビザ(VISA)」か「マスターカード(MasterCard)」のクレジットカードがあれば仮想通貨のビットコインを購入することができます。「コインチェック」では「ビザ」「マスター」とともに「JCB」のクレジットカードも使えます。
コインチェック(Coincheck)
クレジットカードで購入が可能な通貨 ビットコイン
「ビザ(VISA)」「マスターカード(MasterCard)」「JCB」が使えます。購入額の下限(最低購入金額)は5000円。上限は最大100万円分まで。
ビットフライヤー(bitFlyer)
クレジットカードで購入が可能な通貨 ビットコイン
「ビザ(VISA)」「マスターカード(MasterCard)」が使えます。購入額の下限(最低購入金額)は1000円と低くなっています。上限は最大100万円分まで。
ザイフ(Zaif)
クレジットカードで購入が可能な通貨 ビットコイン、モナコイン
「ビザ(VISA)」「マスターカード(MasterCard)」が使えます。購入額の下限(最低購入金額)は5000円。上限は最大100万円分まで。
クレジットカードで一度購入すると、次の回からはワンクリックでスピーディーに買えるようにしている取引所もあります。なお、クレジットカードで仮想通貨は買えますが、円を直接買って取引所の自分の口座に入金することはできません。仮想通貨を買った後で、それをすぐに円に交換することはできます。
クレジットカードで購入するメリットは?
「コインチェック」「ビットフライヤー」「ザイフ」とも、仮想通貨の購入でのクレジットカード払いを希望するなら、事前にカードの種類や番号などを登録しておく必要があります。購入時の画面では、仮想通貨をあらかじめ口座に入金しておいた現金(円)で買うか、それともクレジットカードで買うかを選択できるようになっています。スマホにインストールしている取引所のアプリで、仮想通貨をクレジットカードで購入する最大のメリットは、24時間365日、いつでも好きな時に購入できることです。
たとえば取引所でビットコインを購入する場合、クレジットカード以外の入金の方法には次のようなものがあります。
・銀行預金口座からのふつうの入金
・銀行預金口座からのクイック入金
・コンビニ入金
・ペイジー入金
銀行預金口座からのふつうの入金は、銀行のネットバンキングで午後3時までに手続きすればその日のうちに取引所の自分の口座に入金されますが、3時以降は翌営業日の午前9時以後の入金になります。銀行休業日の土曜、日曜、祝日、年末年始(12月31日~1月3日)は入金されません(銀行によっては、ネットバンキングでの手続の締め切りが午後3時よりも前になるケース、取引所への入金が午前9時よりも前になるケースもあります)。
銀行預金口座からのクイック入金は24時間365日いつでも可能ですが、「ネット銀行」(じぶん銀行、住信SBIネット銀行、ジャパンネット銀行など)の口座に限られています。「メガバンク」の東京三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行や、地方銀行、ゆうちょ銀行などの口座は利用できません。
コンビニ入金は、24時間365日営業しているセブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、サークルKサンクス、ミニストップなどコンビニの店舗に現金を持参して、レジで振り込みます。まず店舗内にある機械を操作して、出てきた紙を現金と一緒にレジに持っていって支払うという方法になることもあります。
ペイジー入金のペイジー(Pay-easy)とは、税金や公共料金、各種料金などの支払いを金融機関のネットバンキングや、ATMで支払えるサービスです。ネットバンキングなら24時間365日、スピーディーに入金できます。ただし、いつも利用している金融機関が、仮想通貨取引所のペイジー入金に対応していなければなりません。
たとえば帰宅後、夜11時頃に仮想通貨を購入したいという時、銀行預金口座からのふつうの入金では間に合いません。クイック入金はネット銀行の口座に限られます。コンビニ入金は夜中にコンビニまで行かなければなりません。ペイジー入金はネットバンキングを利用している金融機関が取引所のペイジー入金に対応している必要があります。しかしクレジットカードで購入するならそのような制約はなく、24時間365日、いつでも好きな時に仮想通貨を購入できます。手続も簡単です。スピーディーなのでチャンスを逃しません。
そして、仮想通貨をクレジットカードで購入するメリットには「利用限度額いっぱいまで利用できる」ことも挙げられるでしょう。たとえばカードの利用限度額が40万円残っていたら、銀行口座の残高が10万円しかなくても、40万円分の仮想通貨が買えます。もちろんその40万円はカードの引き落とし日に銀行口座から引き落とされますから、その日までに銀行口座の残高を40万円以上にしておく必要があります。ただしその日に一度に支払うのが難しければ、分割払いやリボ払いに変更できる場合はあります。「利用額に応じてポイントがつく」ことも、クレジットカード払いのメリット、お楽しみでしょう。ポイントは後で航空会社のマイレージや家電量販店のポイントなどに引き換えられます。
クレジットカードで購入するデメリットは?
「タイム・イズ・マネー」「時は金なり」と言いますが、たとえば仮想通貨の相場の大きな変動を利用して短い期間で儲けたいと思っている人は、仮想通貨を時間をロスせずにスピーディーに購入でき、カードの利用限度額いっぱいまで投資ができるクレジットカードは、大きな武器になるでしょう。もちろんそれは、大きなリスクを伴います。もしも仮想通貨の投資に失敗してクレジットカードの引き落とし日に銀行口座の残高が足りなくなったら、カード会社によってクレジットカードの利用を止められてしまいます。そうなったらもはやそれは武器ではなく、ただのプラスチック製のカードにすぎません。
投資が主な目的ではなく、仮想通貨を買物や飲食に使いたい、海外旅行で使いたい、送金に使いたいといった目的であれば、仮想通貨をクレジットカードで購入するのは、あまりおすすめしかねます。その理由は、手数料が高いからです。
仮想通貨購入の際の手数料比較
仮想通貨の取引所に円を入金する方法には次のようなものがあります。
・銀行預金口座からのふつうの入金
・銀行預金口座からのクイック入金
・コンビニ入金
・ペイジー入金
・クレジットカード(入金ではなく直接購入)
それを手数料が安い順番に並べると、だいたい次のようになります。「銀行預金口座からのふつうの入金<銀行預金口座からのクイック入金・コンビニ入金・ペイジー入金<クレジットカード」クレジットカードは便利さでは最高ですが、手数料の額もまた、最高なのです。たとえば帰宅後、夜11時頃に仮想通貨を購入しようと思った時、自問自答してみてください。「どうしても今晩、仮想通貨を買わないといけないのか?」「明日でも、間に合うか?」
その答えが「明日でも、別にかまわない」だったら、クレジットカードで仮想通貨を買うのは、もったいないでしょう。
仮想通貨の取引所では、手数料は「コミコミ」で表示されます。たとえば円をビットコインに交換する時、スマホの画面に交換レートが表示されますが、手数料がどれぐらいなのかはわかりません。隠されているわけではなく、スマホを少し操作すればその金額はわかるのですが、たいていの人は、そこまでしないでしょう。しかし「コミコミ」の手数料が入金の方法によって異なるので、交換レートも変わってきます。手数料が高いクレジットカードによる購入では、交換レートがどうしても不利になるのです。
その手数料はどれぐらいかというと、コインチェックの場合、次のようになっています(50万円未満)。
●銀行預金口座からのふつうの入金(ネットバンキング/銀行に払う)
3万円未満 216円
3万円以上 432円
●銀行預金口座からのクイック入金
3万円未満 756円
3万円以上 1000円
●コンビニ入金
3万円未満 756円
3万円以上 1000円
●クレジットカード(購入額の8%)
1万円分なら800円
3万円分なら2400円
5万円分なら4000円
いかがでしょうか? たとえば3万円を入金する場合、その手数料は、ネットバンキングでの銀行預金口座からのふつうの入金は432円ですが、クイック入金やコンビニ入金は1000円で2倍以上になります。しかしクレジットカードで仮想通貨を直接購入すると、3万円分で手数料が2400円もかかります。それはネットバンキングでの銀行預金口座からのふつうの入金に比べて、5.55倍もかかるのです。
仮想通貨購入もクレジットカードとそれ以外の入金の方法を使い分ける
ふつう、クレジットカード会社と、商店や飲食店など加盟店の間の契約では、店に来たお客さんがクレジットカードで支払いをする時、カードの手数料を上乗せして徴収してはいけないことになっていますが、仮想通貨の取引所の場合はその例外のようです。クレジットカード購入専用の交換レートの中に丸めこんで、仮想通貨を購入するお客さんから手数料をしっかり取っています。
仮想通貨をクレジットカードで購入することをあまりおすすめできない理由が、これでおわかりになったでしょうか?タクシー運賃が電車やバスの運賃よりも高いように、便利さはいつも、お金と引き換えです。電車やバスとタクシーを使い分けるように、仮想通貨の購入の場合もクレジットカードとそれ以外の入金の方法を使い分けるのが、賢いやり方です。