アービトラージ取引とは、仮想通貨の仕組みを利用して安全に利益を確保する手法のことです。簡単に解説すると、仮想通貨の価格は取引所ごとに差があるので、その差分を利用して得をするのがアービトラージ取引です。仕組みさえわかってしまえば誰でも簡単にできるものなので、アービトラージ取引がなぜ可能なのか、どういう仕組みで利益ができるのかについて、具体的に解説します。

仮想通貨取引所ごとになぜ差額が生まれるのか

そもそも、なぜ同じ仮想通貨を売っているのに、仮想通貨取引所ごとに価格差が生じるのでしょうか。それは、仮想通貨の価格が常に一定ではなく、その仮想通貨取引所を利用しているユーザーたちが自由に価格を設定して売買をしているからです。

当然、人間が価格を設定しているので、場所ごとに差が生まれます。たとえば、たまたまビットコインを購入したい人がたくさんログインしていた場合、ビットコインの需要が高まり、少しずつ価格が上昇していきます。同時に、別の仮想通貨取引所では逆の減少が起きていて、ビットコインの価格が下がっている場合もあります。

このように、売買をしている場所に集うそれぞれのユーザーたちの思惑が違うため、価格差が生じるのです。

アービトラージ取引は仮想通貨取引所の差額を利用する

仮想通貨取引所ごとに差額が生じる原理はわかりました。アービトラージ取引が成立するのは、たとえばAという仮想通貨取引所で購入したビットコインを、BやCという他の場所で売却できるからです。

なお、そういった方法で売買するためには、仮想通貨をAからBに送金しないといけません。そのときには送金手数料が発生するので、手数料分が引かれても損をしないように計算しておきましょう。ビットコインを送金する場合、だいたい2,000~3,000円の手数料が発生し、利益が手数料を上回っていないと手数料分損をしてしまうので、気をつけましょう。

アービトラージのメリットとは

アービトラージ取引は仮想通貨投資で利益を得る手法として非常に有効です。そんなアービトラージ取引のメリットを紹介します。

●チャートの分析をする必要がない
通常の仮想通貨売買をするときにはチャートをしっかりとチェックして、価格変動を予測しないといけません。しかしアービトラージなら、通貨の情報を集めて投資判断をする必要がありません。単純に、各取引所の価格をチェックして、差額が大きければアービトラージを実行すれば良いだけなのです。通常の投資では、仮想通貨のニュースなどの情報を集めて慎重に精査しないといけません。

だからこそ初心者の方にとっては難しいものなのですが、アービトラージ取引はその手間がかからないのです。数字の大小だけをみて機械的に売買を実行するだけで利益を得られるというのがメリットなのです。

●海外取引所への送金手数料が安い

アービトラージ取引は、世界中のどの仮想通貨取引所でもできます。そして、仮想通貨の送金手数料は、海外の方が安くなっている傾向があります。国内の場合、送金手数料は2,000~3,000円程度かかってしまいますが、海外なら数百円程度で済む場合もあります。手数料が少なければ、その分差額が小さくても利益になるということです。

また、銀行の国際送金とは違って、国内から海外にビットコインを送金しても、数日待たされるようなことはありません。送金が完了する時間はネットワークの状況によって変わりますが、数時間程度ですぐに送金できるのです。

そのために、アービトラージをする場合には、あらかじめ海外の仮想通貨取引所に口座を開設しておきましょう。なお、国内の場合は口座開設のために本人確認が必須になっていて、口座開設まで数日かかるのが一般的です。しかし海外の取引所はメールアドレスとパスワードを設定すればすぐに仮想通貨を売買することが可能になるので、それほど難しくありません。

●リスクが低い

アービトラージ取引は、信用取引を使って行うこともできます。その場合、取引所からビットコインを借りてからそれを売却し、価格が下落したら買い戻すということになります。

そして価格が高いときに売って安いときに買い戻せば、その差額が利益になるのです。このような方法でアービトラージ取引を行えば、送金をしている時間に急激な価格変動が起きて、アービトラージ取引に失敗してしまうリスクがほぼありません。この方法を使うと、低リスクでアービトラージを実行することもできるのです。

アービトラージのデメリットとは

仮想通貨取引所ごとの価格差を利用したアービトラージという投資方法アービトラージ取引には、残念ながらデメリットもあります。アービトラージにチャレンジするときには、ここで紹介するデメリットをかならず理解しておきましょう。

●急激な価格変動のリスクがある
アービトラージは、基本的には仮想通貨取引所ごとの価格差を利用します。価格が低いところで購入し、価格が高いところで売却するためには、購入したビットコインを送金しないといけません。

しかし仮想通貨の送金は数分から数時間程度かかるので、その間に価格が急変動してしまい、送金したときには差額がなくなってしまっていることもあるのです。もちろん急激な価格変動は頻繁に発生するわけではありませんが、リスクもあるということを理解しておきましょう。

このようなリスクを避けるために、多少価格が下落しても利益がでる取引所を見つけることが重要です。差額が大きければ価格変動が起きてもまだ差額が残っている可能性が高いので、リスクを見極めて十分な差額が発生していたらアービトラージ取引にチャレンジしましょう。

●送金に時間がかかる
取引所ごとの差額を利用する場合、送金時間がどうしてもネックになります。送金にかかる時間は、送金するタイミングによって変わるので、どれくらいで送金が完了するのかを完璧に読むことはできません。送金が長引けばその分、先に紹介した価格変動に巻き込まれて利益を得られない可能性が高まってしまうのです。

●タイミングが重要なので焦ってしまうかも
アービトラージ取引は、適切なタイミングで購入してすぐに売却するのがポイントです。まさに時間との勝負になるので、あせって失敗してしまう方もいます。アービトラージ取引をするときには1秒でも早く取引を実行したくなってしまいがちですが、落ち着いて、ミスをしないように気をつけましょう。

●手数料で損をする可能性もある
仮想通貨取引所間でビットコインを送金するときには手数料が発生します。この手数料が差額を上回ってしまうと、取引では得をしていても、合算すると手数料によってマイナスになってしまうこともあります。

だからアービトラージ取引をするときには、かならず手数料も計算して売買をしましょう。差額が数千円程度しかなければ手数料によって損をしてしまう可能性がたかいので、手数料を差し引いても十分な利益が出るように計算しないといけません。

●取引所から嫌がられる可能性がある
アービトラージ取引は、短期間で売買してサーバに負荷がかかるので、仮想通貨取引所に負担がかかります。今のところは問題ありませんが、いつかは仮想通貨取引所がそのような売買方法を禁止する可能性もあるのです。

具体的なアービトラージのやり方と取引所の選び方

仮想通貨でのアービトラージ取引には2つのやり方があります。

●取引所の価格の差額を利用する方法
具体的なアービトラージ取引の例を紹介します。Aという仮想通貨取引所でビットコイン1枚が100万円だったとします。それがBでは105万円になっています。

この場合、Aの取引所でビットコインを100万円で購入し、それをBで売却すれば105万円を得られます。この5万円の差分がアービトラージ取引の利益なのです。つまり、価格が低いところで購入して、価格が高い仮想通貨取引所で売却をすれば、利益を得られるということです。

●各取引所の価格の差額の情報を仕入れる方法
アービトラージ取引をするために多くの取引所の価格をチェックしないといけません。たとえば「coinchoice」というサイトを使えば、国内主要取引所の購入価格、売却価格が一覧になっているので是非活用してください。

●信用取引を利用してアービトラージ取引をする方法
信用取引とは、証拠金を取引所にあずけて、レバレッジをかけて売買する方法です。信用取引でアービトラージをする場合は、以下の手順になります。
1.A取引所でビットコインを購入する。
2.B取引所の信用取引でビットコインを空売りする。
3.A取引所で購入したビットコインをB取引所に送金して売却する。
4.B取引所で空売りした分を決済する

この方法は時間との勝負なので初心者の方には難しいかもしれませんが、なれてきたらチャレンジしてみましょう。

仮想通貨投資で利益を出す手法のひとつとして、アービトラージを紹介しました。アービトラージは難しい手順がなく、取引所の差額をチェックするだけで誰でもすぐにチャレンジできます。興味がある方はこの記事で紹介したデメリットを理解した上で、ぜひアービトラージ取引にトライしてみてください。