取引所・販売所での仮想通貨購入と取引方法

少しでも安く仮想通貨を購入する11月29日、ビットコイン価格が120万円以上まで急騰しました。連日のビットコイン最高値更新を受けて、これからビットコインを買いたいという人が増えています。ビットコインをはじめとする仮想通貨を、初めて手に入れたい時にはどうすれば良いのでしょうか?もっとも簡単な入手方法は、仮想通貨の「取引所」か「販売所」を利用することになります。

○取引所……株式投資と同じで“ユーザー間”で仮想通貨を売買する場所で、株と同じような「板(オーダーブック)」があることが多い。「指値(希望する価格)」で仮想通貨の売買注文ができ、取引手数料が安いメリットがあります。

○販売所……仮想通貨を保有する業者とユーザーの間で仮想通貨を売買する場所で、現在価格(時価)で買うか売るかの「2WAY方式」が多い。仮想通貨を購入する時は現在価格が安いタイミングを見極める必要があり、取引手数料(スプレッド)が高いデメリットがあります。

日本にはほとんど設置されていませんが、「ビットコインATM(仮想通貨ATM)」もあり、物理的なATMに現金を入金してビットコインの購入をすることができます。現在、仮想通貨は“0.001BTC(ビットコイン)以下”の非常に小さな最低単位から購入可能になっていますので、最低購入金額は“1000円未満”で気軽に購入ができます。

仮想通貨の取引方法には、以下のようなものがあります。

○現物取引……自分が所有する現金か仮想通貨のみで、仮想通貨を売買します。仮想通貨の値下がりリスクはあっても、購入した金額以上の損失はでないので低リスクの取引です。

○証拠金取引……自分が所有する現金を「証拠金(担保)」として取引所に預けて、レバレッジ(倍率)をかけて大きな金額の仮想通貨の取引ができます。証拠金取引には「信用取引・先物取引・仮想通貨FX(仮想通貨FXは現物取引でもできます)」の3つがあります。

ウォレットのアプリをダウンロード

ビットコインなどの仮想通貨はただ保有して投資対象にするだけではなく、実際に「送金・支払・受取の手段」として便利に利用することができます。仮想通貨最大のメリットは「低コストの個人間送金・海外送金」とも言われますから、仮想通貨を購入したらぜひ「保有・投資」だけではなく「送金・支払・受取」にも使ってみて下さい。

仮想通貨を誰かに送金したり、誰かから送ってもらった仮想通貨を受け取ったり、買い物の支払いに使うためにはどうすればいいのでしょうか?取引所のサイトからも送金はできますが、もっとも手軽な方法はスマホに「ウォレット・アプリ(モバイルウォレット)」をダウンロードすることです。ビットフライヤーやコインチェックなど大手業者であれば、自社専用のウォレット・アプリを提供していますので、業者名で検索してダウンロードすれば簡単に送金や受取、決済ができるようになります。仮想通貨業者専用のアプリでなくても、世界的に利用者の多いウォレット・アプリである“Blockchain・コインベース・breadwallet”でも仮想通貨を利用できますが、日本語対応されていない部分があり「秘密鍵」を自己管理しなければならないので、日本の取引所のアプリがおすすめです。

家族や恋人、友人に仮想通貨を送りたい時は、「相手の入金用アドレス=ランダムな英数字の複雑な組み合わせ」を知っていなければなりませんが、相手が目の前にいれば「QRコード」をカメラ撮影すれば良いだけです。入金用アドレスはLINEやメールで相手と共有できるので、簡単に仮想通貨の送金・受取ができるのです。

改正資金決済法による利用者保護と金融庁登録の仮想通貨取引所11社

仮想通貨の購入・利用方法と取引所の選び方のポイント仮想通貨の取引所には多くの種類(業者)があるので、いざ仮想通貨の取引をしようとする時に、どこの取引所を使えばいいのか迷う人が多いと思います。信用できる取引所を選ぶ時にはまず、「金融庁登録業者(現11社)」の中から選ぶことをおすすめします。取り扱う仮想通貨の種類が多すぎて登録が遅れている国内最大の取引所「コインチェック」や「Zaif」も有力な選択肢になってきます。利用者保護のための改正資金決済法が4月に施行されました。金融庁に登録した合法的な取引所であれば、「システム管理体制・資産管理体制(最低資本金1000万+顧客資産の分別管理=横領予防)・本人確認の厳格化・マネーロンダリング対策・監査法人・金融庁検査と情報提供」などが審査済みですから安心して取引ができます。

金融庁登録の仮想通貨取引所11社は、「bitFlyer・ビットバンク・GMOコイン・ビットトレード・マネーパートナーズ・SBIバーチャルカレンシーズ・QUOINE・BTCボックス・ビットポイントジャパン・フィスコ仮想通貨取引所・テックビューロ」となっています。顧客資産消失の「マウントゴックス事件(2014年)」を受けた法整備によって、一般の人たちの仮想通貨に対する認知と安心感が広まり、今後も仮想通貨の口座開設数は増加すると予測されます。ただ取引所のコモディティー化(取引所ごとの差異の縮小)が進むと「顧客数・流動性(売買量)」と「ブランド価値・資本力」によって取引所が淘汰されて数が減る可能性もあります。

仮想通貨の取引所の選び方のポイント

仮想通貨の取引所の選び方のポイントは、以下の5点に集約されます。

○取引システムと資金管理の安全性
取引システムの技術的なセキュリティーがしっかりしているかは、システムトラブルの発生頻度や万が一のハッキング被害(仮想通貨の技術的盗難)などに関係してきますが、登録業者・大手取引所であればまず大丈夫です。

仮想通貨業者の資金管理は法規制によって、会社資産と顧客資産を分けて管理する分別管理が義務付けられています。

○入金方法と提携銀行
仮想通貨を実際に購入するためには法定通貨を入金しなければなりませんが、入金方法としては「指定口座への振込・コンビニや銀行ATM、ペイジーでの入金・クレジットカード」などがあり、提携銀行が指定されているケースもあります。自分が使いやすい入金方法を準備している取引所を選びましょう。

○取引手数料・出金手数料のコスト
取引手数料は大手の取引所では無料~0.05%前後の所が増えていて、「板(オーダーブック)」であれば買値と売値の差も小さくなります。ビットコイン以外のアルトコインは「販売所の2WAY形式」しか対応していない取引所が多く(Zaifは例外的に板)、スプレッド(買値と売値の価格差の手数料)が割高になります。出金時には手数料(数百円程度)がかかる事が多いので注意して下さい。

○アルトコインの取扱いと種類
ビットコイン以外のアルトコインも保有したいという人は、その取引所がどんな種類のアルトコインを取り扱っているかもチェックしましょう。アルトコインを余り取り扱っていない取引所も多いのです。

○資本金・顧客数の多さと知名度
経営の安定性やスムーズな板での売買、破綻時の補償などを考えれば、資本金が多くて顧客数も多く、流動性の高い人気のある取引所を選ぶべきです。

国内でおすすめの取引所“bitFlyer・コインチェック・GMOコイン”の特徴

金融庁登録業者をはじめ大手の取引所なら、仮想通貨の取引をして騙されるような心配はまずありませんが、国内の取引所でサイトやアプリのUX(ユーザー体験)が良くて、初心者にもおすすめできるのは「bitFlyer・コインチェック・GMOコイン」です。

○bitFlyerの基本情報と特徴
2014年設立の国内最大の取引所で(取引金額で世界一になることも)、資本金も大手の出資を得ていて41億238万円と磐石の体制です。仮想通貨FXで世界一のシェアを誇り、テクニカル指標も充実していてレバレッジ(15倍まで)もかけられるので、仮想通貨建てでFXをしたい人には特におすすめです。入金方法は「銀行振込・コンビニ・ペイジー・クレジットカード」の全てに対応していて、アルトコインは「ビットコインキャッシュ・イーサリアム・イーサリアムクラシック・ライトコイン・モナコイン」を扱っています。独自のセキュアな技術開発にも意欲的で、決済サービス“bitwire”や新ブロックチェーン“miyabi“などを開発しています。

○コインチェックの基本情報と特徴
2012年設立の取引所で資本金は9200万円、ビットコイン取引高では日本一の取引所で、アルトコインの品揃えの多さが魅力になっています。入金方法は「銀行振込・コンビニ・ペイジー・クレジットカード」の全てに対応していて、アルトコインは「ビットコインキャッシュ・イーサリアム・イーサリアムクラシック・リップル・Lisk・Factom・モネロ・オーガー・Zcash・NEM・DASH・ライトコイン」を扱っています。

信用取引のレバレッジは最大5倍ですが、貸株に相当する「貸仮想通貨(最大年率5%)」や電気代が安くなる「Coincheckでんき」などユニークなサービスもあります。

○GMOコインの基本情報と特徴
FX世界一のGMOクリック証券が傘下にあるGMOグループの取引所です。資本金5億円で2017年5月にサービスを開始したばかりですが、サイトのUI(デザイン)がシンプルで非常に使いやすくなっています。ユーザー間で「板」で売買する取引所の機能はなく、GMOコインから仮想通貨を買う販売所になりますが、「指値注文」ができるので希望の価格で買いやすいです。入金方法は「銀行振込・ペイジー」に対応、アルトコインは「ビットコインキャッシュ・イーサリアム・ライトコイン」を扱っています。出金手数料が無料のメリットも大きいです。FXのレバレッジを最大25倍までかけられ、仮想通貨FX専用スマホアプリ『ビットレ君』の使い勝手も良いので、仮想通貨でFX投資をしたい人に向いています。

仮想通貨の価格は各取引所によって違うだけでなく、bitFlyerやコインチェックは「販売所」と「取引所」の両方を持ち、それぞれ取引価格が異なります。「複数の取引所の価格の比較+販売所と取引所の板の価格の比較」を丁寧にすれば、より安い有利な価格で仮想通貨を購入しやすくなりますよ。