仮想通貨はハードフォークと呼ばれる分裂によって、新しい通貨が生まれることがあります。普通の法定通貨なら分裂することなどありえないので、電子データである仮想通貨ならではの特徴と言えます。そしてこの記事で紹介するビットコインゴールドは、名前からもわかるとおりビットコインから分裂して生まれた3つ目の通貨です。分裂して生まれたコインは、分裂元のコインの特徴を受け継ぎつつ独自の機能や仕組みが追加されます。ではビットコインゴールドはどういう特徴を持っていて、ビットコインとの違いはどういう部分なのかについて詳しく解説します。
ビットコインタイアモンド(BCD)とはどういうコイン?
ビットコインダイヤモンド(BCD)は2017年11月24日にビットコインから分裂して生まれました。通貨の名称は「BCD」です。ビットコインは仮想通貨のなかでも分裂が非常に多い通貨で、ビットコインタイアモンドの前にもビットコインキャッシュやビットコインゴールドが生まれています。ちなみにビットコインは、ビットコインダイアモンド以降もまだ10回から20回程度分裂をするといわれています。
ビットコインダイアモンドが誕生したころ、仮想通貨市場は歴史的な盛り上がりを見せていました。仮想通貨の代表であるビットコインの分裂は、本来なら大きくメディアやSNSで取りあげられてもおかしくないのですが、それ以外の話題が豊富にあったため、日本国内ではそれほど話題になることはありませんでした。また日本国内の仮想通貨取引所ではビットコインダイアモンドを取り扱う所がなかったので、日本の投資家から注目されなかったという面もあります。
ビットコインとビットコインダイアモンド(BCD)の違い
ビットコインダイアモンド(BCD)がビットコインから分裂して生まれたのは、ビットコインが抱える問題を解決することが主な目的です。だからビットコインダイアモンドは、ビットコインの欠点を補うための改良が行われています。
まず1つめの大きな違いは、ブロックサイズが1MBから8MBに拡張された点です。これはビットコインのスケーラビリティ問題と呼ばれる欠点を補うのが目的です。
スケーラビリティ問題とは、取引量が増えるに連れて取引の処理が遅くなってしまうことです。実際、2017年頃のビットコインは決済で使ったり誰かに送金したりすると、その処理が反映されるまでに数時間から1日程度かかっていました。本来仮想通貨というものは、銀行などの中央管理者がいないので営業時間に左右されることがなく、24時間いつでも送金できるのが魅力です。しかしスケーラビリティ問題によって処理が遅くなってしまうと、そのメリットが活かされないのです。
実はビットコインの分裂は、ほぼこのスケーラビリティ問題を解決するために行われています。そしてビットコインダイアモンドやビットコインキャッシュなどの派生コインは、それぞれ独自の方法でスケーラビリティ問題の解決に取り組んでいるのです。
ブロックサイズが拡張されると、一つのブロックに保存できるデータの件数が増えます。技術的な解説は避けますが、これによって次々と送金処理をブロックチェーンに反映できるようになり、送金遅延を解消しようとしているのです。現状ではビットコインダイアモンドはビットコインよりも早い処理を実現しています。今後、ビットコインダイアモンドの使用が増えたらどうなるかわかりませんが、今のところブロックサイズの拡張は成功しているといえます。
もうひとつ、ビットコインの違いとして通貨の供給量があります。ビットコインの総発行枚数は2,100万枚ですが、ビットコインダイアモンドは2億1千万枚に設定されています。つまりビットコインの10倍も供給されることになるのです。これによって1枚あたりの価格が下がり、新規参入者でも購入しやすいようになっています。
ビットコインダイアモンド(BCD)を売買できる仮想通貨取引
ビットコインの派生コインで、しかもスケーラビリティ問題を解決するための仕組みを備えているビットコインダイアモンド(BCD)は非常に大きな注目を集めています。そんなビットコインダイアモンドを購入してみたいと考える方もいるでしょう。
しかし残念ながらまだ国内の仮想通貨取引所ではビットコインダイアモンドを取り扱っている取引所はありません。実は仮想通貨が分裂するときには、分裂元のコインを保有しているとあらたに誕生するコインを自動でもらえることがあります。実際、国内でもBTCボックスやコインチェックなどがビットコイン保有者に対してビットコインダイアモンドを付与するといわれていたのですが、今のところそれは行われていません。国内では金融庁の認可を取らないと仮想通貨を上場できないので、ビットコインダイアモンドの取り扱いについてまだ許可が取れていない可能性もあります。
国内の取引所ではビットコインダイアモンドを売買できませんが、海外にはビットコインダイアモンドを取り扱っている取引所がたくさんあります。そのなかでも特におすすめなのが「バイナンス」です。
バイナンスは中国で生まれた仮想通貨取引所で、営業開始から約半年で世界一の取引高を誇る取引所に成長しました。しかもビットコインダイアモンド以外にも約120種類のアルトコインが上場されているので、将来有望なコインを見つけたい方は絶対に登録しておきましょう。
ビットコインダイアモンド(BCD)の現状
ビットコインダイアモンド(BCD)は、誕生してからしばらくは1BCD=7,000円程度でした。その後、仮想通貨市場が全体的に低調であったという要因もありますが、価格はどんどん下がってしまっています。そして2018年6月21日時点では1BCD=約260円にまで落ち込んでいます。
これははっきりと言ってしまえば、現状ではほとんど価値がないとみなされているということです。たとえばビットコインと比較すると、発行枚数が10倍なので価格が10分の1程度なら、同じくらいになっているといえます。しかしビットコインは1BTC=約100万円なので、ビットコインダイアモンドは1BCD=10万円程度になっていないといけません。
このように、残念ながら現状のビットコインダイアモンドはかなり評価が低いといわざるをえません。とはいえ、ブロックサイズの拡張によってスケーラビリティ問題の改善に取り組んでいる点はビットコインよりもプラスなポイントなので、将来的に価値が見出される可能性はあります。そうなったらまた価格が大きく上昇する可能性もあるので、今のうちに安く買っておくのも良いでしょう。
ビットコインダイアモンド(BCD)の将来性は?
ビットコインから分裂して生まれたビットコインダイアモンドについて詳しく解説しました。ビットコインはスケーラビリティ問題を解決するという目的で何度も分裂していますが、ビットコインダイアモンドもその一つです。そしてビットコインとの主な違いはブロックサイズと、通貨の総発行量です。
しかし現状では価格が大きく下落してしまっているので、投資家のなかではあまり価値がないと思われてしまっているようです。しかし、価格がやすいということは高騰したときのリターンも大きいということなので、チャンスだと考えて購入を検討してみるのも良いでしょう。