2017年に大幅に仮想通貨取引の取引チャートが上昇したというニュースを耳にして、投資したいと考えている人も増えているのではないかと思われます。ただ、昨年のように仮想通貨取引全ての銘柄の取引チャートが急上昇というのはなかなか見ることができないでしょうし、ある程度取引銘柄を選択することが重要です。
これまで仮想通貨は取引銘柄選びだけでも、パイオニア的存在であるビットコインとビットコイン以外の仮想通貨であるアルトコインに分けられていましたが、現在はアルトコインの数がどんどん増えているので、何種類買うのかということも含めて選択するのが大変です。そこで、本稿では仮想通貨の取引銘柄や取引所等を選ぶ上でのポイントについて解説していきます。
仮想通貨の銘柄選びに関するポイント
最初にどんな仮想通貨を選べばいいのかということが問題になります。基本的には、複数の銘柄を購入してリスクを分散させる方がよいです。仮想通貨の取引チャートは銘柄によって上下の傾向が異なりますから、一つだけに集中しておくと不安の方が大きいということがあります。
そして、取引銘柄の選択に関しては、しっかりとした分析が必要になります。仮想通貨取引を楽して利益を上げるものと考える人もいますが、成功のためには情報分析が必須になりますので、いい加減な気持ちで取引を行う場合は最初からやめた方がいいです。
仮想通貨取引は株式投資と同様に関連するニュースにおいて上下が起こりますが、現状は株取引以上にその傾向の強さが感じられます。そのため、必ず情報に関しては最新のものを仕入れることと、その情報が取引チャートにどのような影響を与えるのかをチェックして取引銘柄を選択するようにしましょう。
基本的には仮想通貨取引関連のニュースは全体に関わることが多いので、ニュースに応じて取引銘柄を選択することが難しいですが、仮想通貨の銘柄のフォーカスした出来事が起こる可能性も当然あります。取引銘柄に関するニュースが出てきた場合は購入、売却に踏み切るタイミングになりますから、情報分析をした結果取引チャートが上がるのか、下がるのかを見極めなければなりません。
草コインを購入するという選択肢もあり
一方で、情報分析をしないで自分の目利きを軸に草コインと呼ばれる仮想通貨を購入するという取引選択もあります。草コインとは誕生したばかりで全くと言っていいほど価値のない仮想通貨のことを指し、1円に到達していない価値の草コインも多数存在します。仮想通貨はあまりお金を投資することができなくても小数点単位で購入することができるため、基本的にはどの銘柄も購入することが可能です。ただ、元手が少なければどの仮想通貨であっても基本的にそこまでの数を購入できないので、少しの取引チャート上昇程度ではあまり利益を出すことができません。
草コインはその反面、安価でも大量購入することができます。もともとの価値が低いこともあってヒットすれば数百倍以上の伸びを見せることがありますから、その点が注目される要素です。
例えば、1円の時に草コインを10,000購入したと考慮すると100倍になった暁には百万円分の価値のコインを持つことになるのです。そのため、目利きで投資を行った結果低コストで莫大な利益を生む可能性も孕んでいます。
もちろん、草コインはその大半が全く価値のないままになっているのが現状です。「お金をドブに捨てる」という要素を含んでいる草コインですが、自身の懐の痛まない程度の投資であるならば、考えてみる価値は十分あるといえます。
仮想通貨取引所の選び方
仮想通貨取引所選びに関しては、突き詰めて考えれば自分の購入しようと思っている銘柄で決定した方がいいです。いろいろな運営方針をとっている仮想通貨取引所ですが、実質的な取引手数料がかなり掛かる販売所でしか売っていない銘柄があったり、そもそも全く取り扱っていないケースもあります。そのため、「どの仮想通貨を取り扱っているのか」、「取引手数料はどうなっているのか」ということについては要確認です。
もちろん、セキュリティ面に関してもしっかりと調べておく必要があります。一般的な仮想通貨取引所では2段階認証、マルチシグの導入、コールドウォレットでの顧客資産管理、といった3点は必須になるので、これらがしっかりと備わっているかもしっかりとチェックしておきましょう。
海外の仮想通貨取引所の場合は、日本と比較して取り扱っている銘柄が多くどの銘柄も取引所で売買できる傾向にあるため、少ない取引手数料でたくさんの銘柄を取引できます。上記の草コインの購入に関しては、日本の取引所では基本的に扱っていません。そのため、円を使用できる日本の取引所で購入したビットコイン等をあらかじめ口座開設している海外の取引所に送金して購入することが必要です。
一見して海外の取引所はメリットが多いものの、日本語対応がなされていない可能性もあるので、その点は留意しておきましょう。もちろん、仮想通貨取引所も取引銘柄と同様に一つだけに絞る必要はありませんので、複数の取引所で口座を開設するのもありです。実際に利用してみて合っているところを選ぶということもできるので、使いやすさ重視の場合はまずは試してみることからはじめましょう。
ICOの選び方
ICOは、仮想通貨をモデルにしてブロックチェーンを用いる形をとっています。仮想通貨の仲間といっていいICOですが、詐欺がとても多いので参加する場合は慎重に行動する必要があります。
まず一番大事なのは、企画書がしっかりしているのかということです。ICOの企画書はホワイトペーパーといわれますが、この計画がずさんな場合は詐欺の可能性が高い上にそうでないとしてもICOコインやトークンの価値が上がっていく可能性も低いといえます。
次に、プロジェクトチームのメンバーについても重要です。ICOはブロックチェーン技術を用いたアプリ等を開発しますので、ブロックチェーンに関するノウハウに長けた人が必要になりますし、経営戦略のプロの存在も求められます。こういったメンバーの存在がプロジェクトを1から進めるICOでは必須になるので、メンバーの実績や経歴もしっかりとチェックする必要があるのです。
基本的には市場が盛り上がっているICOを選んで参加して取引するのが一番手堅い選択といえます。ある程度コミュニティが大きくなっていると信頼してお金を投資できますし、伸び率が高いICOであるならば十分利益を出せる可能性が出てくるでしょう。逆に、あまり盛り上がっていないICOの場合は、詐欺で初期投資のお金を持ち逃げされる可能性も含めて、自己責任の要素が高まってきます。
今後敷かれる可能性のある法規制にも柔軟に対応しよう
このように、仮想通貨関連の投資に関してもいくつもの選択肢が存在します。しかし、どれをとってもリスクが孕んでいるので全財産を掛けるような危ない橋は渡ってはなりません。
加えて、仮想通貨取引市場では常に法律での規制の動きが議論されています。法規制が明確に定められるようになれば、これまでの投資の形態を取ることができなくなるかもしれませんので、取引で利益を出すことの難易度も高まります。
2018年は仮想通貨に関するトラブルが日本でも表面化しましたので、金融庁が仮想通貨取引に関して様々な議論を行っています。日本市場においても法規制は他人ごとではありませんので、「大丈夫だろう」という楽観的な考えはせず、しっかりと法規制後の対応について考えるべきです。
最も、法規制が行われても仮想通貨取引が全面禁止になる可能性自体は極めて低いので、その中でも取引で利益を出していく方法は十分にあるといえます。大事なのは過剰に法規制を気にすることではなく、法規制が敷かれる可能性を頭に入れながら、臨機応変に行動していくことです。