TREZORがようやくビットコインゴールドのサポートを開始

ハードウェアウォレットの大手TREZORがようやくビットコインゴールドのサ ポートを開始しました。もともと取り扱いに制限をかけていなかったLedgerに比べて遅れを取りましたが、これで大手ハードウェアウォレット全てがビットコインゴールドの取り扱いを開始する事になりました。取引所に仮想通貨を保管しておくとセキュリティリスクが高いので、保管が可能なハードウェアウォレットが増えると非常に助かります。

TREZOR(トレザー)とは!?

TREZORはハードウォレットと呼ばれる非常に小さなデバイスであり、近年では世界でも100カ国以上で標準的に使用されているハードウェア型のビットコインウォレットです。他にもLedgerメーカー製も出ており、ハードウォレットはこの2種類に分かれています。使用にあたって電源も必要なく、USBでPCに接続するだけでブラウザからウォレットを利用でき、デバイス内に安全に保存された秘密鍵がその外に一切出ることも無い非常に手軽なウォレットであるため、仮想通貨のセキュリティ対策のベストと言われています。

もしもPCで入力される情報がウイルスやマルウェア、キーロガーで読み取られたとしても、物理的にデバイスと暗証番号とが揃わない限り送金することが不可能であるため、TREZORを使うとビットコインを安全に保管・使用することが可能です。2016年の春以降、日本でもビットコインの知名度が上がり、昨今の価格高騰も伴い個人が高額のビットコインを保有することも珍しくなくなりました。今までは、ビットコインの管理は一般的なユーザーには複雑でしたが、TREZORを使うとたった2つのボタンを使うだけで、PCから簡単にビットコインを保管・使用できるようになります。3万5千円程度と安くは無い価格帯ですが、他のハードウォレットに比較してセキュリティが高いため、せっかくハードウォレットに関心を持つのであればTREZORが良いでしょう。

「リプレイプロテクションに対応」は誤り!?その真実とは

リプレイプロテクションTREZORは、今回のサポート発表以前よりビットコインゴールドに対応するためのトランザクションのテストを行っています。それゆえにその内情も把握しており、既にリプレイ対策が完了したと公表しているビットコインゴールドに対し、「ビットコインゴールドはまだリプレイプロテクション(リプレイ対策)がまだ実装されていない」と指摘しています。

このリプレイプロテクションとは非常に重要なシステムであり、これが機能していないとハードフォークによって2つに分岐したチェーンが認識できなくなります。つまり、ビットコイン各種を所持しているホルダーが取引を行った際、ビットコインゴールドを送信したつもりがビットコインまで知らぬ間に送信されてしまったという恐ろしい事態を招きかねないのです。

この重大なプログラムの欠陥について、他の専門家もツイッターにてコメントを残しており、ビットコインゴールドのソースコードを見て『ビットコインゴールドの公式見るとリプレイプロテクションしているよ、って書いているんだけど、これフェイクなのかこれから本当に実装するのか。ソースコード見ても私には分からない。安全だと分かるまで一切手を付けない方が良さそうですね。』との見解を出しています。この発言には日本の各取引所の対応に共通する保守的な考えが表されています。安全であることを第一とする私たち日本人にとって、ビットコインゴールドは使用するための仮想通貨として未だに受け入れられにくい状態です。

世間を惑わしているこのリプレイプロテクションの表記ですが、確かに現在、ビットコインゴールドの公式ページを見ると、リプレイプロテクションについて表記がされているのがわかります。表記から察すると、おそらく有名な仮想通貨には存在するロードマップを模倣しているのでしょう。ロードマップを公開することで、仮想通貨を運営するうえで正確な計画が成されているという証明になり、今後の見通しが立つ事でユーザーからの支持を集めることもできるようになります。このようなメリットがあるのですから、ビットコインゴールドにもロードマップがあって当然なのです。私たちの感覚からすると少々不親切に見えてしまいますが、公開されたばかりのビットコインゴールドは事前準備が足りていなかったためにこれから対策を行っていくのでしょう。これまでビットコインゴールドが完成するまで静観を決めていたTREZORがサポートを開始することも、今後の期待値が高いということです。

公開、上場後もシステムが整わない

ハードウォレットの取り扱いを果たしながらも不安視されている要素は他にも多数残っています。そのために慎重な姿勢を見せる日本の取引所はビットコインゴールドの取引を未だ認めていない所が多数です。その中でもビットコイン情報サイトNEWSBTCは大手取引所BITTREXの反応について以下のように取り上げています。

【翻訳】
11月20日からビットコインゴールドサポート開始世界大手の仮想通貨取引所の1つであるBittrexは、Bitcoin Gold取引を直ちにサポートしないことを発表しました。彼らは、すべてのBitcoin(BTC)残高がハードフォークに続くBitcoin Gold(BTG)トークンと同数のクレジットを得られると述べていますが、その資産の取引開始はまだ提供しません。ブロック491,407において、ブロックチェーンのスナップショットが発生し、その後、各秘密鍵に格納された番号に従って、新しいチェーン上のコインが本質的にエアドロップされるというものです。BTGのフォークを直ちにサポートしないという決定の理由は、セキュリティの技術的な不一致や、その背後にあるチームからのリプレイアタック対策に関する施策状況がほとんどの理由であると考えられます。BittrexのBitcoinウォレットのスナップショットを撮ることは、24時間以上の準備が必要な大規模な破壊的な作業でもあります(Bitcoinの預金と引き出しもこの間中断されます)。
彼らはコンセンサスコーディング、リプレイ保護、評価のための適切なコード、およびBTGハードフォークの取引ペアを提供しないという彼らの決定を支持する理由として、プロジェクトに関わる開発者と同じで安全性を確保するためです。Bitcoin Goldはユーザーの安全基準を満たしていません。Bittrexはユーザーの持つビットコインゴールドのクレジットを価値あるものにしようとしますが、完全にサポートされたウォレットが出るまで、トークンを保証することも、市場を創り出すこともできません。私たちは、コードベースとネットワークの状態を引き続き監視します。また、ビットコインゴールドの開発チームが私たちに手を差し伸べるよう奨励したいと思います。

この中でBITTREXが特に心配しているのは以下の内容です。

『コンセンサスコードが完全に形成されていない』
『リプレイアタックからの保護が搭載されていない』
『テストと監査のための適切なコードが無い』
『コード開発者が公開されていない』
『適切な保管用ウォレットが無い』

この中でウォレットにおいては出そろったため、相場は次なる動きへと移るでしょう。

ビットコインゴールドの相場状況

日本時間の11月21日より、ついにBITTREXに上場を果たしました。非常に準備の整っていない中でも多数の取引所やハードウォレットがビットコインゴールドに価値があると見出したのです。

また、ウォレットがサポートを行えば取引所も安心して対応できるので、これからの市場拡大はスムーズになると予想されます。上場直後の相場は480$程度(5万4千円)を最高記録として下落傾向にありますが、システムの修正が入ったならば、上昇に転じる可能性はまだまだ残っています。