仮想通貨元年と呼ばれた2017年。仮想通貨の副業で収入を得た人の中には、会社務めの方も多かったようですが、お勤めの会社規則で副業禁止の項目はなかったでしょうか?所属している会社が副業OKの会社では何も問題ないのですが、副業がNGであった場合、様々な問題が生じると思います。また、そもそも仮想通貨での取引が副業に当たるのか?そういった疑問も生じる事でしょう。

仮想通貨取引が副業なのか?

まず初めに、仮想通貨取引が副業に該当するかという事ですが、基本的には副業にはなりません。他の会社に勤めて労働を行い、金銭収入を得ている訳ではないからです。副業というよりは「副収入」といえるでしょう。土地売買や株式売買といった「資産運用」になる為です。次に公務員はどうなのか?公務員の給与は税金で支払われているのですから、副業はできませんが、会社員の時と同様の理由で「資産運用」に当たる為仮想通貨取引は可能です。

ただし、会社員であろうが公務員であろうが、就業中に仮想通貨取引を行えば何らかの形で罰せられるでしょうし、務めに支障をきたす程にのめり込んでしまうのは、社会人として決してやってはならない事です。それでも心配な時には所属する上司や、総務や経理を扱う部署の方に一度相談すると良いでしょう。様々な会社が存在するわけですから、一度は会社の就業規則に照らし合わせて副業かどうか確認してみる事をお勧め致します。

副業が会社に解ってしまう仕組み

ご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、企業が本人に代わって給与から税金を納めてくれているからです。所得税や住民税で会社に副業がばれてしまう例が多いようです。その年に(1月1日~12月31日まで)20万円以上の収入を仮想通貨で得た場合、仮想通貨の収入は雑所得にあてはまってしまうからです。国税庁の発表によると「仮想通貨の取引で得た収益は原則として“雑所得”とされ、20万円を超える所得の場合(扶養者の方は33万円以上)は確定申告の必要があります」とされています。

副業で20万円以上の収入があった時には確定申告の必要があります。しかし何もしないでいると、会社が税金の支払い代行をしてくれているので、副業を行っているのではないか?という疑いを掛けられてしまいます。副業ではなく「副収入」「資産運用」でありますから堂々と「資産運用で利益が出ました」と言っても大丈夫なのですが、なるべくなら会社には黙っておきたい、知られたくないという人には「住民税を自分で納付する」という手段があります。

会社勤めや、公的な機関で働いている方の多くは給料より天引きによって税金を納めていますが、仮想通貨など副業で20万円を超える所得を得た場合には、自分で確定申告書を用意し記入して税務署に提出します。確定申告書用紙は、各税務署の窓口や国税庁のホームページからダウンロードして入手する事ができます。

確定申告の様式はAとBの2種類ありますが、会社員やアルバイトはAを、個人事業主はBを主に使います。仮想通貨での収入の場合雑所得に当たるので、会社勤めで副業を考えている方にはA様式の方が適しているでしょう。

重要なポイントはA様式の第二表の住民税に関する事項というところがあります。そこに「給与・公的年金等に係る所得以外」と記入された欄がありますので、そこに「給与から差引き」と「自分で納付」どちらかに〇を付けるところがありますので、「自分で納付」に〇を付けましょう。所得税の納付期限は3月15日に一括納入になっていますので、忘れずに期限までに納付を行いましょう。尚、住民税は一年間の所得(1月~12月)を元に計算されて6月からの支払いになります。

仮想通貨取引の利益が20万円以下の場合

では、副業の収入が20万円以下の場合なにもしなくていいのかというと、そういう訳ではありません。よく、副業の収入が20万円以下の場合は会社にばれずに済むと勘違いする事も多いのですが、所得税に関しては申告しなくても良いのですが、所得税は「国税」です。住民税は地方自治体の税金「地方税」になりますので、必ずお住いの役場に副業の申告する必要があります。所得税のように非課税になる控除がありませんし、各市町村で対応が異なる事もありますので、各市町村役場の窓口で相談すると良いでしょう。

ただし、副業で確定申告をされている場合は税務署より役場に内容通告があるので、わざわざ役場に出向く必要はありません。この際にも必ず「自分で納付」に〇を付けて提出する事を忘れない様に気をつけましょう。

つまり、その年に20万円以上の仮想通貨での収入があった場合は確定申告が必要で、20万円以下でも各市町村に住民税の申告が必要なのです。

仮想通貨や副業に対する日本人の反応

仮想通貨取引は「副業」ではなく「資産運用」と言う認識日本企業は副業に対して閉鎖的ですし、日本社会全体でも副業をしている人に対して「お金に困っている人がやっている」や「怪しいマルチ的な事をしている」という誤解や嫌悪感が根強くいまだに残っています。しかし世界的に見れば副業は「2つの仕事を掛け持ち出来るという事は有能な人間だ」という捉え方なのです。これは日本人が仕事に対して真面目過ぎる故の弊害とも言えます。仮想通貨に対しても、仕組みや理屈を理解する以前に「怪しい」や「危険だ」という認識の日本人は多く存在しています。新しいものに対し、恐怖感を感じる国民性は日本人が世界でもナンバーワンと言っても過言ではないでしょう。
これから訪れる超高齢化社会の日本は、喜びに満ちた未来が見えづらい状況になりつつあります。人口減少による労働力の低下は国力の低下であり、国民総生産(GDP)の低下に直結しているからです。GDPは国の力の国力を表すものですから、単純に人口が減ってしまえばGDPは下がります。
政府は“一億総活躍社会”と掲げ、高齢者も働けるように進めていくと旗を掲げておりますが、日本全体で働けない高齢者や、寝たきりの高齢者がどのくらいいるのか把握しているか疑問です。しかもその数は年々増加していくばかりなのです。GDPを少ない人口で上げていくには、一人当たりの生産高を上げる必要があります。

仮想通貨取引を副業に

仮想通貨が誕生してまだ間もないですが、これほどまでに世界中で広がりをみせ、莫大な資金が集まり、さらにとんでもない可能性を秘めているものは、歴史的に第四次産業革といわれている程なのです。蒸気による産業革命に始まり、電力、コンピューターについで、四番前の産業革命で成功を収めようと、世界の大国から海に浮かぶ小さな島国まで必死に努力しているという現実を、日本人のほとんどが知りません。いつまでも「made in japan」にあぐらをかいていては輝かしい未来はこの国にはありません。
人口が減っているのであれば、働ける人間の付加価値を上げるしかありません。その為に今後は、会社員や公共機関で働く者の給与を押し上げるか、副業を認めるしかありません。給料を押し上げる事は、現在の経済状況では困難な事ですが、副業については大手製薬会社やIT企業で盛んに行われ始めおります。しかし残念なことに、日本企業の経営者のほとんどが、自社の社員に副業をしてほしいとは思わないというリサーチ結果があります。
仮想通貨取引は副業とは違いますので、これから収入を少しでも増やしたいと考えている方には仮想通貨取引は、新たな収入確保の為の手段といえるでしょう。