BitFlyerやZaifの運営業者などが対象に
現在仮想通貨交換業者として金融庁に登録されている業者は16社存在していますが、2018年6月22日金融庁はその内の6社に対して業務改善命令を出しました。
この業務改善命令を出された業者は、株式会社BitFlyerとビットバンク株式会社そしてQUOINE株式会社とテックビューロ株式会社そしてBTCボックス株式会社と株式会社ビットポイントジャパンになり、その業務改善命令の内容は基本的に経理上の管理体制の不備とマネーロンダリング等の対策の不備が指摘されています。
そして各仮想通貨交換業者はこの業務改善命令を受けて業務改善に向けた計画を作成して7月23日迄に書面にて提出するように促され、計画に従って業務が改善されるまで毎月改善状況の進捗などを翌月10日迄に提出することになっています。
業務改善命令の具体的内容
それぞれの業者に出された改善内容は、BitFlyerの場合、仮想通貨交換業者に登録申請を行った時に事実と異なった申請を行っていたり、内部監査の体制が整っていないため機能していなかったりした点の改善が求められています。
そしてマネーロンダリングへの対策や不正アクセスへの対策も不十分として改善を指摘されています。
ビットバンクは実際の業務とかけ離れた社内規定が多く存在していたことが指摘されていますし、利用者から預かっている資金の分別管理が徹底されていないため、帳簿上の残高が預かっている資金の合計を下回ることが発生している点も、問題視されていて改善を求められています。
QUOINEは仮想通貨交換業を実際に行っている子会社の管理が出来ていなかったり、仮想通貨の取引に関する帳簿が長期間作成されていなかったことが取締役会などに報告されておらず、その結果経理を管理する上層部が実情を把握出来ていなかった点が問題視されていて改善を求められています。
Zaifを運営するテックビューロは、システム障害などの対策を計画的に行ったり利用者からの問い合わせや苦情を受け入れて経営に反映させていくなどの体制が整っていない点が指摘されています。
そしてマネーロンダリングや利用者から預かっている資金の分別管理にも問題点があると指摘されています。
BTCボックスは代表取締役に権限が集中しすぎていることによって、逆に各部署の機能が有効的に機能していない点が指摘されています。
そしてマネーロンダリングや反社会的勢力との取引を未然に防ぐ処置などに問題があると指摘されています。
ビットポイントジャパンは利用者から預かっている資金の分別管理が徹底していない点が取締役会に報告されても対策がなされていないなど、利用者保護に関して問題があると指摘されています。
業務改善命令を受けての各取引所の反応は
この業務改善命令を受けて各取引所ではその内容に関してメッセージを発しています。
まずBitFlyerは利用者に向けてメールを配信して業務改善命令を受けたことに対するお詫びを告げると共に、登録時の本人確認の不備が発生した原因の調査と管理体制の構築を行うことを告げていて、不備が認められた利用者に関しては再度本人確認を行っていただくことがあることを告げています。
そしてこれらの対策が終了するまで新規のアカウント作成を停止することも発表しています。
ビットバンクは内部管理体制や経営管理体制を見直して再度構築していき、利用者の資金の分別管理を徹底して行ったり、マネーロンダリングなどのリスク管理の体制も強化することを述べています。
そしてQUOINEはこの業務改善命令の内容を伝えると共に通常の業務に支障が発生しないことを示して利用者の混乱を防ぐメッセージを発していますし、BTCボックスは業務改善命令を真摯に受け止めて対策を立てていくことを伝えています。
一方ビットポイントジャパンはまず管理体制の改善を図り、安心で安全な仮想通貨取引の実現に向けて管理体制を構築していくことを発表しています。
そしてテックビューロが運営しているZaifは3月にも顧客対応の充実とリスク管理の徹底を促す業務改善命令がなされていて今回で2回目の業務改善命令になるため、経営管理体制の強化や利用者の財産を管理して保護する体制の強化などを施されることが求められています。
このように今回の金融庁による業務改善命令の受け止め方は業者によってまちまちですが、今回は業務改善命令が出されていない業者でも、もし問題があれば指摘される可能性があるために今後の金融庁の動きに注目する必要があります。