ビットコインやアルトコインの特徴として、「送金スピードが速い」ということが挙げられます。ビットコインやアルトコインには多くの種類がありますが、送金先のアドレスを指定するだけで、どの通貨も簡単に、そして短時間で送金することができるのです。

銀行の国際送金を利用せずに、世界中どこにでも簡単に送金できるという点が、仮想通貨が注目されている理由の一つでもあります。

仮想通貨での送金は、銀行の海外送金に比べて格段に速い

仮想通貨の送金の仕組みや送金方法ビットコインやアルトコインで送金を行う場合、非常にスピーディに行うことができ、手間もかからないことがメリットとなっています。一般的には、海外へお金を送りたい場合、銀行を使って国際送金を行います。このような送金の場合、手続きをしてから、外国へ着金するまでに最低でも数日はかかります。

また、送金手数料も非常に高く、銀行によっては、1回の送金に約5000円以上も手数料を支払わなければなりません。手続きも煩雑で、送金先の銀行名や支店名、銀行番号やSWIFTコード(世界中の銀行を区別する8~11桁のコード)を用紙に記入する必要があります。また、あらかじめ事前登録が必要な場合もあります。

このように、従来の国際送金では、時間がかかるのですが、送金スピードが遅いと、様々なデメリットが発生します。例えば、留学先の子供が、急にお金が必要になった場合、親がすぐに送金手続きをしても、子供はすぐにお金を受け取ることができません。また、ビジネス上においても、企業間の送金に時間がかかると、プロジェクトのスタートなどが遅れ、ビジネススピードが遅くなってしまうので、競争力が低下する場合もあります。

ビットコインやアルトコインを利用すると、送金先のアドレスを指定するだけで、国境を越え、世界中どこへでもすばやく送金することができ、手数料も安いことがメリットのひとつとなっています。今後は、このような送金方法が注目されてくると考えられています。

ビットコインだけではなく、どの仮想通貨も簡単に送金できる

有名な仮想通貨といえばビットコインです。ビットコインは、世界中に取引所における「基軸通貨」でもあるため、世界中でビットコインが使われ、送金されています。ビットコインの送金にかかる時間はとても短く、最短で、約10分で送金が完了します。

しかし、世界中でビットコインの売買が非常に活発になった2017年の年末前後は、あまりにも多くの送金が発生したため、ビットコインの送金処理が追い付かなくなり、送金に1日から数日かかった例もあり、送金性能という点では、問題があるとされています。

このビットコインに比べ、送金機能が優れているのが「リップル」というアルトコインです。リップルは、海外の銀行同士の送金をスムーズに行うことを目的に開発されており、送金スピードが非常に速いのが特徴で、早い場合は、世界中どこへでも、1分もかからないうちに着金します。リップルは、SBIカレンシーズが力を入れているアルトコインの一つで、今後、世界中の銀行を結び、国際送金のコストを減らし、なおかつ送金スピードを上げる手段として、注目されています。

このように、リップルは送金に特化していますが、イーサリアムやライトコイン、モナコインなど、そのほかのアルトコインも、簡単な操作一つで、好きな場所(アドレス)に送ることができます。このように、仮想通貨はどこへでも簡単に送金することができ、送金スピードも速いことから、amazonやiPhone、中国のアリペイなどが、オンライン決済にこれらのコインを採用するのではないかと期待されています。今後は、様々なコインを利用した送金機能を利用する企業が増えてくることでしょう。

仮想通貨の送金に必要なものはアドレスだけ

仮想通貨の送金方法はとても簡単で、送金手続きをする画面で、送金先のアドレスを指定するだけです。アドレスは、数字やアルファベットが無作為に組み合わされたもので、「36z6kDdirlFzW485grMIOEfNGXzhwYbeDyu」のようなものになります。このアドレスは、仮想通貨の取引所の口座を開設したときに、コインの種類ごとに、一人ひとりに割り振られています。

仮想通貨のアドレスでは、そのコインの種類ごとにアドレスが決められていることが特徴です。ビットコインはビットコインのアドレス、イーサリアムはイーサリアムのアドレスに送らねばなりません。例えば、ビットフライヤーで口座を開設した場合、ログインをして、入出金の画面を開くと、「BTC(ビットコイン)お預入」「ETH(イーサリアム)お預入」「BCH(ビットコインキャッシュ)お預入」というように、預け入れ先のアドレスが表示されています。これは、コインの種類によって、アドレスが指定されているということを意味します。

もしも、ビットコインをイーサリアムのアドレスに送ってしまった場合、そのビットコインは行方不明になり、永久に取り戻すことはできません。イーサリアムを、ビットコインキャッシュのアドレスに送ってしまった場合も同様です。また、ビットコインなどの知名度が高いものだけではなく、時価総額が低いアルトコインの場合も、きちんと専用アドレスが作られ、それぞれの口座に与えられています。誰にも知られていないような、生まれたばかりの新しいアルトコインでも、そのコインを取り扱っている取引所には、きちんとそのコイン専用のアドレスが存在しますので、そのアドレスを使ってコインを受け取ることが可能です。

例えば、日本の取引所のひとつである「ビットバンク」から「ビットフライヤー」にビットコインを送る場合を考えてみましょう。この場合、まずビットバンクにログインし、送金手続きを行います。送金する場合は、「送金先アドレス」を入力するボックスがありますので、ここに、ビットフライヤーの「ビットコインお預入」をクリックして表示されたアドレスを入力します。ここで、間違ってビットコイン以外のコインのアドレスを入力してしまわないように、細心の注意が必要です。銀行の場合は、「組み戻し」といって、振込が完了した資金を取り消すことができる制度があります。(但し、受取人の許可が必要であり、手数料もかかります)

しかし、仮想通貨の送金では、そのようなことが不可能です。間違ったアドレスを指定して送金してしまうと、その資金を取り戻すことは技術上不可能となっていますので、送金を行うときは、何度も確認をするようにしましょう。

仮想通貨の取引所間の送金が一番多い

銀行よりも格段に速い仮想通貨の海外送金仮想通貨の送金は、どのような場合に行われるのでしょうか。一番多いのは、日本の取引所から、海外の取引所に送金する場合です。最初に説明したように、日本で買えないような、時価総額が低いコインを購入したい場合は、日本の取引所でビットコインを買ってから、買いたいアルトコインを取り扱っている海外の取引所に送金する必要があります。そして、送付したビットコインを使って、希望するアルトコインを購入するという流れになります。

例えば、海外の取引所では、1イーサリアム=0.079483ビットコインという風に表示されています。これは、1イーサリアムを購入したい場合、0.079483ビットコインが必要だという意味です。このように、海外の取引所では、主にビットコインを用いてアルトコインを売買することになるので、日本の取引所からビットコインを送金する必要があります。

また、日本の取引所同士で送金するという方法もあります。日本の取引所の間で資金移動を行いたい場合は、日本円を出金して、別の取引所に口座に振り込むよりも、仮想通貨で行った方が早く資金を移動させることができます。

たとえば、あなたがビットフライヤーで資産を管理しているとします。もしリップルを買いたくなった場合、ビットフライヤーでは取り扱っていないので、購入することができません。このようなときは、ビットフライヤーから日本円を出金して、リップルを取り扱っている取引所(ここではビットバンクとします)に入金するという方法があります。しかし、この方法だと、ビットバンクに入金が完了するまで、最低でも丸1日以上かかってしまいます。

そこで、もっと素早く資金移動ができるおすすめの方法として、「ビットフライヤーでビットコインを買い、そのビットコインをビットバンクに送り、そこで日本円に戻したあと、リップルを買う」というやり方があります。仮想通貨を利用した送金は時間がかからず、早いことが特徴です。この方法を使うと、ビットフライヤーからビットバンクにすばやく移動させることができ、1時間もかからずにリップルを買うことができます。

仮想通貨を自分で保管したい場合は、ウォレットに仮想通貨を送金する

自分が購入したコインを取引所に置いておくのが不安だという人は、ハードウォレットやモバイルウォレットと呼ばれる、仮想通貨を保管するためのウォレットに保有しているコインを送金し、管理するという方法もあります。ウォレットは、スマホやパソコンにダウンロードするもの(オンラインウォレット)や、USBのような電子機器状のもの(オフラインウォレット)があります。

仮想通貨の取引所の口座に購入した仮想通貨をそのまま置いておいた場合、ハッキングされる危険性があります。なぜなら、仮想通貨の取引所には、多額の仮想通貨があることがわかっているので、ハッカーの格好のターゲットとなっているからです。実際、毎年取引所がハッキングされ、多くの仮想通貨が盗まれてしまうという事件が世界中で起こっています。コインチェックのXEM盗難事件の場合は、全額補償されましたが、通常は補償されないと思っておいた方が良いでしょう。

自分の仮想通貨をウォレットに移しておくと、取引所がハッキングされても被害を受けずにすみます。このように、ウォレットで仮想通貨を保管したい場合は、取引所で仮想通貨を買った後に、自分のウォレットのアドレスに仮想通貨を送金します。そして、売りたくなった場合は、自分のウォレットから取引所に仮想通貨を送金し、そこで売却して日本円にし、日本円を銀行に出金することとなります。

このように、仮想通貨は簡単に、早く送金できることが大きな特徴となっています。この仮想通貨が社会に浸透していけば、この送金スピードの速さにより、社会が大きく変わっていくと期待されています。東京オリンピックが開催されるときには、海外からの観光客が、日本円ではなく、保有している仮想通貨で支払いができるようなシステムが整備されるのではと予想されています。仮想通貨は、今後もますます成長が期待できる、新しいテクノロジーであると言えるでしょう。