仮想通貨には「半減期」というものがあることをご存知でしょうか?仮想通貨への投資を行ううえで非常に重要な要素のひとつになりますが、よく分からないという方も少なくないかと思います。

ここ数年、仮想通貨市場の急激な成長と拡大を背景に、半減期を前後して、通貨価格の大幅な上昇が起こった通貨がいくつもありました。そのため、現在では「半減期=価格上昇」といった投資チャンスとして大きな期待を集めるキーワードになっています。

今回は、そのような半減期についての仕組みと今後、半減期を迎える通貨について解説をします。

仮想通貨の「半減期」とは?

仮想通貨が半減期を迎えることの重要性そもそも仮想通貨の半減期とはどういったことなのでしょうか?仮想通貨の半減期とは、ブロック生成を行っているマイナーが、マイニングを行う際に受け取ることができる「マイニング報酬」が半分になるタイミングのことです。Bitcoinのようにブロックチェーン技術をベースにしている仮想通貨において、取引データはブロックとして格納されて、各ブロックが一連のチェーンのように連なって保存されていきます。

このブロックを生成して、取引データを書き込む作業を行うのが「マイナー」で、ブロック生成を行うことを「マイニング」と呼び、一般的な仮想通貨においては、マイニングを行うと報酬として仮想通貨を受け取ることができるようになっています。この報酬が半分に減額されるタイミングが半減期となりますが、なぜ半減期があるのでしょうか?多くの仮想通貨に半減期が設けられている理由は、仮想通貨の価値をコントロールして、急激なインフレ状態の発生を抑制するためです。

Bitcoinなどの仮想通貨には、円やドルなどの法定通貨と異なり、中央銀行のような発行量を管理する存在がいません。そのため発行上限が設けることで流通量をコントロールし、過剰発行による価値の下落を防止しているのですが、反対に上限が近づいてくると、通貨の価値が上昇し、今度はインフレ状態となるリスクが生じます。

そこで、一定量を発行した段階でマイニング報酬を半減させることで、マイニングスピードをコントロールし、緩やかに価値が上昇していくように設定されています。

世界で初めてブロックチェーン技術をベースにした仮想通貨として誕生したBitcoinには、最終発行上限として2100万枚という設定があります。そして、この上限到達に対するスピードをコントロールするために、Bitcoinには21万ブロックが生成された時点で報酬が半減するように設定がされています。

Bitcoinのブロック生成は、約10分に1個生成されるように設定されているので、半減期のペースを時間に換算をすると約4年に一度ということになります。実際に、Bitcoinのマイニング報酬は当初50BTCでしたが、2012年の半減期で25BTCになり、さらに2016年の半減期で12.5BTCとなって、この額が現在のマイニング報酬となっています。

その後に誕生した多くの仮想通貨も、この仕組みをベースにして運用されていることが多く、結果的に「仮想通貨の半減期」という設定が一般的に実装されています。

半減期を迎えることの重要性について

仮想通貨投資の一大チャンス「半減期」を迎える狙い目コインこの仮想通貨における半減期は投資家の視点で見たときに、非常に重要なポイントのひとつとなります。その理由は、半減期を迎えると「値上がりが期待できる」からです。なぜ、半減期を迎えると通貨価格の上昇が見込めるのでしょうか?

半減期を迎えた仮想通貨は、それまでと比べたときに新規で発行される通貨量が減っていくことになります。需要と供給のバランスを考えたときに、通貨に対する市場からの需要が変わらなければ供給量が減るので、自ずと価格は上昇することになります。

実際に、2012年と2016年に2回半減期を迎えているBitcoinについては、半減期のあとで価格が上昇をしています。2012年の半減期については、Bitcoinを含めた仮想通貨自体の社会的認知度が低かったことや、仮想通貨の市場規模が小さかったこともあって、そこまで大きな値動きはありませんでしたが、2016年の半減期では大きな値上がりが発生しています。

その後、仮想通貨市場は拡大を続けていて、仮想通貨投資に参加する人の数も飛躍的に成長しています。日本においては、2017年4月に法改正があり、仮想通貨が法定通貨同様に決済手段として正式に承認されたこともあって、仮想通貨に対する需要は格段に増しました。

その点からも、今後発生する仮想通貨の半減期に対しては、2016年のBitcoinよりも大きな価格上昇が期待できる要素として、市場からの期待値が上昇しています。

今後半減期を迎えることが予想されている仮想通貨

仮想通貨投資において、各通貨がどのタイミングで半減期を迎えるかを把握しておくことの重要性についてはご理解を頂けたかと思います。それでは、今後半減期を迎えることが予想されている通貨について紹介をしたいと思います。

LISK(リスク)

・半減期:2018年11月1日ごろ
・発行上限:なし

今年、最も注目を集めそうな仮想通貨のひとつが「LISK」です。LISKは2018年11月ごろに半減期を迎えることが予想されていて、その際の価格上昇が期待されています。

LISKの半減期については、Bitcoinとは異なる背景を持っていて、正確には「半減期」ではなく、一定のペースでマイニング報酬が「減額」されることになっています。

LISKにおける半減期は、フォージング報酬が約1年ごとに、1LSK減額していくという仕組みになっています。

LISKでは、取引データをまとめブロックチェーン上で行う管理作業などを「フォージング」と呼び、これがBitcoinにおけるマイニングと同じになり、フォージングに対しては報酬が支払われます。

そして、ブロック生成が300万個に達した時点で、報酬が減少する設定となっていて、約10秒に1個のペースでブロック生成が行われるLISKの場合には、約1年のペースで減少が起こることになります。

この結果、現在は5LSKに設定されている報酬が、2018年11月には4LSKに減少される予定になっていて、毎年1LSKずつ減少を続け、2021年11月には1LSKになるよう設計されています。その後は、報酬減少が発生せず1LSKで一定化されます。

このように、発行上限がない仮想通貨でも半減期のような報酬減少は発生するケースがあります。

ネームコイン

・半減期:2018年12月9日ごろ
・発行上限:2100万

2014年12月に半減期を迎えていおり、2回目の半減期が12月に訪れる予定となっているのがネームコインです。前回の半減期については価格変動があまりなかったのですが、仮想通貨市場全体の状況が異なる今回については価格上昇が期待されています。

Vertcoin

・半減期:2018年12月12日
・発行上限:8400万

2018年に半減期を迎えることが予想されている、もう1つの通貨がVertcoinになります。

前回、2017年12月の半減期においては、4ヶ月も前から価格上昇が起こり、直前となる1ヶ月前にさらなる上昇を見せたこともあり、今回の半減期にも期待大となっています。

半減期を含めて総合的な投資判断を見極める

仮想通貨における半減期は、管理者が存在しない仮想通貨ならではの「通貨価値のコントロール」手段のひとつとして、多くの仮想通貨が採用しています。そして、需要と供給のバランスから半減期の前後においては、多くの場合で価格上昇が発生しています。

ただし、注意しなければならないのは、価格上昇は絶対に発生するというものではないということです。実際に、半減期を迎えても価格変動があまり起こらなかったり、場合によっては価格が下がってしまったケースなどもあります。

また、半減期を迎える時期についても、あくまでも予定であって確実ではありません。あくまでも、マイニングによるブロックの生成量によるので、よりハイペースでのマイニングが行われれば半減期も前倒しとなりますし、反対にペースダウンとなれば半減期は予定されていた日程よりも後ろ倒しとなることもあり得ます。

重要なことは、半減期というものが価格変動に対して大きな影響を与える要素のひとつとしてあることを理解して、現状のペースであれば、いつごろ半減期を迎えるのかを把握しておくことになります。

そのことと、市場全体の流れや日頃の値動きなどを総合的に判断をして、投資に対するタイミングを見極めていくことが大切です。投資はあくまでも自己責任ということになりますので、色々な情報を幅広く入手して、堅実な投資活動を心がけましょう。