仮想通貨投資を始めた中級者の方は、取引に関しては慣れてきた頃でしょう。人によっては、ビットコインやイーサリアムといった、様々な仮想通貨で取引を始めるパターンもあります。しかし、仮想通貨売買だけが、仮想通貨を理解しているとはいえないです。なぜなら、仮想通貨の根幹的な技術であるブロックチェーンは仮想通貨以外の分野で活用され始めているからです。また、それだけでなく最近開発されたトークンの多くは、様々な分野のプラットフォームとして機能している側面があり、通貨いがの活用方法としても期待されています。

しかし、仮想通貨投資の中でも、プラットフォームやブロックチェーン技術に関して、あまり知らない場合もあるでしょう。また、ブロックチェーン技術は非常に高度な内容となっているので、1日や2日で全ての概要を把握することは不可能に近いです。ですので、今回はブロックチェーン技術について調べていない方に向けて、基本的な仕組みや特徴から最近注目されている応用例について紹介していきます。

ブロックチェーン技術の概要

ブロックチェーン技術は、ビットコインを構成するシステムの1つです。従って、誕生はビットコインが開発された時期と同じなので新しい技術です。また、ビットコインを含む仮想通貨は、全てブロックチェーン技術によって成り立っています。

ブロックチェーンは、分散型のデータ管理を行うので中央管理者が不在でもネットワークが、運営されています。ですので、中央サーバは不要で、セキュリティ面でも評価されています。なぜなら、従来のシステムと違い中央サーバがないので、サーバのシステム障害やハッキングによるシステム停止が起きません。また、ブロックチェーンはトランザクションなどの機能があり、それらを組み合わせることで改ざんが非常に厳しい状態になっています。

このように、非中央管理システムの基に成り立っているので、様々なメリットがあります。続いて、仮想通貨などのデータを処理・管理する為の方法ですが、ブロックが生成されその中に取引処理データを格納・処理します。そして、これらのブロックをハッシュ値などで鎖のように繋ぎ、データを保管・管理しています。

ブロックチェーン技術の現状

2017年頃の国内における仮想通貨への印象は、あくまで通貨・投資対象として受け取られていました。しかし、2018年に入るとビットコインの下落や企業の仮想通貨事業参入などが相次いだことで、投機的な注目から、仮想通貨のブロックチェーン技術など潜在的な価値について注目が集まりました。ですので、最近では仮想通貨分野ではなく、ブロックチェーン技術の応用事例などがファンダメンタル要因となっています。

このように、2018年の仮想通貨市場は通貨としての価値だけでなく、ブロックチェーン技術についても投資家が注目しています。また、企業もブロックチェーン技術を取り入れた新しいサービスなどをテストしており、今後様々な分野でブロックチェーン技術が扱われる可能性があります。

ブロックチェーン技術の応用例

仮想通貨投資家も要注目のブロックチェーン技術が続々と開発ここからは、ブロックチェーン技術の応用例について、いくつか紹介していきます。ブロックチェーン技術は、ビットコインの為に開発された技術ですが仮想通貨以外の分野でも活用することができるので、製造・農業・医療など様々な分野で応用されています。

1つ目の応用例は、前述でも触れたように医療分野で、ブロックチェーン技術が導入されようとしています。一見すると医療業界は完成されたシステムに見えますが、課題も残されており例えば患者のカルテ管理などが代表的です。

現在、医療機関では患者自身が症状や病歴を自己申告し、カルテを作成します。そして、カルテは他の医療機関で共有されないので、もし違う病院で受診すると多くは病歴などを申告する必要がでてきます。しかし、このやり方では、情報管理が医療機関ごとに共有されない、非効率的な管理方法とも考えられます。そこで、企業などではブロックチェーン技術の匿名性・セキュリティ性・非中央集権の特性を活用して、カルテなどの管理を行おうと開発が行われています。

また、ブロックチェーン技術の応用例は医療だけではありません。ネットショップに関して、ブロックチェーン技術の応用が期待されています。ネットショップの主な課題は、注文から商品の配送時間や支払い手続きの効率化です。ネットショップのメリットは、遠方でも配送が早く支払い手続きも簡単で効率的な部分が考えられています。

しかし、実際には支払い手続きでエラーが起きたり、商品管理に時間が掛かったりと非効率的な問題があります。そこで考えられているのが、在庫管理や商品管理、データベースなどをブロックチェーンで管理することで、システム管理のスムーズ化やセキュリティ強化へ繋げる事です。

次のブロックチェーン技術の応用例は、不動産投資の手続きに関するものです。株式投資やFXなどはすでに電子化進んでおり、非常にスピーディで効率的な取引が交わされています。一方不動産取引では、多くが紙による取引が一般的なので、時間がかかるなどコストが課題となっています。そこで、最近ではICOプロジェクトなどで見かける、不動産取引に掛かる全ての管理をブロックチェーン技術で応用するという事が考えられています。つまり、不動産取引関係する書類管理を、全てブロックチェーンに置き換えることで効率化を目指すということです。

続いてブロックチェーン技術の応用例は、コンテンツ・クリエイター関係です。こちらに関しては最近ICOプロジェクトなどでも、様々な企業が取り組んでいるので仮想通貨投資家も知っているでしょう。

コンテンツ分野の課題は、仲介手数料の増加によるクリエイター報酬の低下や、それに関係して新人クリエイターが活動継続できない事が挙げられます。このような背景があったので、最近ではブロックチェーン技術を応用して、新たなコンテンツプラットフォームが続々と開発されています。

主な内容としては、ブロックチェーン技術を応用したスマートコントラクト技術を使って、クリエイター自身がコンテンツを販売・決済・取引を行うことができるように検討されています。これが完成すれば、クリエイターは仲介会社を通さずコンテンツを配信することができますし、これまで以上にファンとの距離を縮められるのでコミュニティを作りやすいメリットがあります。

他にも、コンテンツの不正利用防止という観点で、ブロックチェーン技術が応用されようとしています。ブロックチェーン技術は匿名性が高く、改ざんの履歴が残ります。従って、誰かがコンテンツを複製・不正利用すると必ず履歴が残るので防止に繋がります。

続いての応用例は、食品管理関係です。近年では食品偽装などが問題となり、消費者から不安視する声もあります。そこで、様々な企業が開発しているものが、ブロックチェーン技術を応用した食品流通・生産情報の管理システムです。改ざんが極めて難しく、運用が簡単なので信頼性が高く消費者が気軽に確認することができるメリットがあります。

ブロックチェーン技術の将来性

ブロックチェーン技術は仮想通貨の送金・決済だけに使われる時代ではなく、様々な分野へ応用されている状況となっています。従って、近い将来あらゆる産業で、ブロックチェーン技術を応用化したシステムが運用される可能性があり、同時に仮想通貨への価値・信頼性も高まるでしょう。

ブロックチェーン技術の将来性は、今後も見込めるので仮想通貨投資家も要注目の分野です。