仮想通貨投資を行っていると、ある事象に気付く場合があります。それは、ビットコインやアルトコインのチャートが株価と連動しているのではないか、といった可能性についてです。一般的には、仮想通貨市場と株式市場には直接的な関係性はありませんが、時にビットコイン相場や日経平均のチャートが似ていることがあります。

ビットコインを始めて知り、投資をし始めた初心者の方などは、そういった仮想通貨と株価の連動について意味や関係性があるのか知りたいと考えるでしょう。そこで今回は、両者の価格や時価総額の連動について着目し、どのような関係性があるのか、実際に連動しているのかなどについて解説していきます。

一見するとビットコインと株価に関係性は見当たりませんが、現代のグローバル経済においては両市場が関係しているという考え方があります。ですので、ビットコインやアルトコインに投資している人達だけではなく、仮想通貨投資家や株式投資家、もしくはどちらにも興味がある方は、連動についてよく分析するといいでしょう。

仮想通貨と株式投資

仮想通貨と株価の連動を知る前に、株式投資について知っておく必要があります。そこで、株式投資の経験が無い方に向けて、株式投資や株価の基本についておさらいします。まず、株式投資とは企業が発行している株式を購入して、市場の株価が上昇して差益を得る投資です。そして、株価とは文字通り株式の価格のことです。最近では大手証券会社もネットを使った、株式投資サービスを展開しているので、リアルタイムで株価の変動を見る事ができます。

株式投資の大きな特徴は、株式に企業価値という明確な判断基準があります。従って、仮想通貨と違いボラティリティも抑えめといえます。企業価値は、業績や企業が提供しているサービスや商品、事業内容から総合的に判断します。ですので、仮想通貨のファンダメンタル分析は、基本的に時事情報や技術的情報がメインですが、株式は決算書や業績といった情報を用います。

続いて株価について簡単に説明します。先ほども軽く触れましたが、株価は株式の価格のことです。この株価は1株単位で販売されていて、1株100円であれば100株購入すると10,000円となります。そして、利益も購入した株式の数に応じて変わります。例えば、1株20円の利益がでたとして、100株保有していたら、2,000円の利益を得る事ができます。

また、ビットコインなどと違い、株式は最低購入数が定められていて100株から購入可能など下限があるので、資金量が必要となる場合があります。ただ、最近ではNISAなど少額非課税投資のサービスも、導入されているので、気軽に株式投資を始める事ができます。

仮想通貨は株価と連動するのか

続いて、ビットコインと株価の連動について解説します。ビットコインやアルトコインの家格と株価は連動するのかということについてですが、2018年時点では連動しているといえるでしょう。後述でも紹介しますが、過去のビットコイン相場などから、株価との連動が見受けられる動きが分かります。

なぜ、これら二つの金融商品の価格が連動するのかということですが、まずビットコインやアルトコインの市場と株式投資を含め、包括的てグローバルな市場が形成されています。グローバルな市場というのは、簡単に言い直すと現代の経済はあらゆる市場が相互に関わっていることを表しています。

例えば、ビットコインやアルトコインの相場が下落基調と判断されると、多くの投資家は売りの選択をします。一方で株式市場も何らかの理由で下落基調と判断できる株価となりますので、株式投資家が売りに出ます。この時の下落基調として考えられる理由の1つが、プログラムによる取引が導入されているからといえます。

株式投資では、以前から自動売買=アルゴリズム取引というものが、存在していたのですが、ビットコインやアルトコインを取引する際にも、そのシステムが取引所にも導入されているのではないかという考えです。あくまで投資家の中で推測されている、理由の1つなので確定ではありません。そして、この理由を前提として場合、プログラムによる判断で取引が行われるので、必然的に同じようなパターンで売買が繰り返されるでしょう。これが株価と連動する理由の1つです。

別の理由も考えられており、それはグローバル経済だから株価の資金流入・流出が関係し、結果的に連動するといった考え方です。こちらも確定ではないので、あくまで連動する理由として考えらえる理由の1つですが、事実グローバル経済となっています。身近な例で例えると、株式投資家がビットコインなどを購入する投資家として取引していることもあります。そうした場合、1人の投資家が、2つの市場へ資金を投資しているので、少なからず両市場が連動するきっかけとなることが考えられます。

また、他にも世界的に景気が落ち込めば、どの金融商品に関わらず、ビットコイン市場もも株式市場も資金回収の動きへと移るでしょう。そして、日経平均株価も基軸通貨ビットコインの株価も似たような、下落チャートを描く可能性があります。

過去の相場から仮想通貨と株価の連動を分析

続いて過去の相場から、ビットコインと株価の連動について分析していきます。分かりやすい例では2018年のビットコイン相場と日経平均株価です。2018年4月といえば、ビットコイン下落基調が収まり上昇基調へと動き始めた月です。実は、日経平均株価も4月頃に上昇傾向となっていました。また、補足説明をすると、1月~4月までの日経平均株価の値動きと、ビットコインの動きには連動性があるといえます。

このように、仮想通貨と株価には連動する場面もあるので、株式市場、特に日経平均株価について注目しておくと、材料が見つかる可能性があります。また、国内の株とビットコインなどメジャーなコインは、リスク回避として購入される傾向があるので連動しているように見える場合もあります。

仮想通貨の価格変動要因とは

過去からの連動分析データを元に考える今後の仮想通貨市場の将来性ここまで仮想通貨と株価の連動について、焦点を絞って解説してきましたが、仮想通貨の価格変動要因についても理解しておくことで株価との関係性について、ヒントが見つかる可能性があります。

仮想通貨の価格変動要因として考えられているのは、
・世界経済
・仮想通貨の技術情報
・新しい仮想通貨のプロジェクトに関する情報
・メディアなどで仮想通貨が取り上げられた時
・著名な投資家のビットコインなどに関する発言
・仮想通貨の規制に関する議論
・取引所の新規設立など
・仮想通貨に対するハッキング事件など
・SNSによる仮想通貨に関する情報発信
・企業による仮想通貨開発
などが2018年の仮想通貨市場を動かしている、主要な要因と考えられます。

ただ、これらの情報を見てみると、株式市場と関連する情報といえば企業の仮想通貨開発に関する情報や、世界経済の大きな動きといったことが考えられます。株価との連動要因としては、材料が少ないですが0ではないので、このような情報が公開される度に株式投資家と仮想通貨投資家が、同じような取引パターンへ進む可能性があります。

仮想通貨の分析方法は様々

仮想通貨と株価の連動について紹介してきましたが、2018年7月時点では明確な要因は分かっていません。ただ、可能性としてグローバル経済や株式・仮想通貨市場でのアルゴリズム取引使用、リスク回避要因として捉えられているなど、いくつかの可能性は考えられます。ですので、これから株価との連動について分析する仮想通貨投資家は、1つの視点ではなく多角的な視点で考えることが大切です。

また、株価との連動を考える上で、企業との関係性についても調べるのがおすすめです。最近では企業が仮想通貨取引所を立ち上げたり、新たな仮想通貨を発行したりといった事例が増えています。したがって、そういった仮想通貨事業との関係から、株価との連動も推測できるので、こちらの視点から分析するのもいいでしょう。