仮想通貨取引を始めて間もない方や、数か月経った方の中には仮想通貨の価格予想をどのようなアプローチで行えばよいのか悩むことがあるでしょう。そもそも仮想通貨投資は、金融商品の1つなので投資に関する基礎な知識を保有している方が、価格予想の際に比較的スムーズに進める事ができます。
しかし、投資未経験者や資産運用経験が少ない方が、仮想通貨投資を始める場合は1から投資に関する知識も覚えながら取引を行っていく必要があり、人によっては価格予想に関して悩んでしまうことに繋がります。では、何が投資に関する知識とは、どのような内容なのかといいますと、1つは価格が動く要因をマクロ的に理解することです。
初心者の中には、仮想通貨のチャートだけを見て、感覚的に取引していることもありますが、長期的に利益を出そうと考えるのであれば、価格が変動する要因を理解する必要があります。そこで今回は価格予想で行き詰まっている方に向けて、投資という大きなくくりで見た価格予想に必要な知識を紹介しながら、仮想通貨に活かす方法を解説します。
仮想通貨の価格変動要因
仮想通貨から投資を始めた方は気付きにくいかもしれませんが、仮想通貨の価格変動(ボラティリティ)は大きい傾向にあるので、株式やFX投資の経験がある方からすると性質の違いに慣れるまで時間がかかることもあります。たとえば1日で比較すると、株式は1株辺り数100~1,000円台で価格変動が起こりますが、ビットコインの場合は1BTC辺り50,000円の変動が平均的に起こる傾向です。これだけを見ても、いかに仮想通貨の価格変動が大きいか分かるでしょう。
したがって、資産運用経験者であっても、仮想通貨の特性を掴まないと価格予想は難しいですし、逆に仮想通貨から投資を始めた人でも価格予想の精度を高める事が可能です。では、次に仮想通貨の価格変動と、株式などの価格変動の幅がなぜ違うのかという点について説明しますが、2018年7月時点で価格変動が大きい理由については諸説あり、現在も議論が交わされています。ですので、1つのまとまった見解が出ている訳ではありません。ただ、いくつかの説を分かりやすくまとめて紹介します。
まず、仮想通貨の歴史が浅いことが理由として挙げられています。2018年で10年目となる仮想通貨市場は、投資業界の中ではまだまだ新興市場で安定期に入っていないといえるでしょう。つまり、誕生したばかりの市場なので、仮想通貨参入者が増加傾向ではあるものの更に市場に厚みが必要といえます。ですので、今後更に市場規模が拡大していけば、価格変動の幅も抑えられるでしょう。
次の要因が株式のように、業績といった予想判断基準となるものが明確ではない点が挙げられます。株式投資は、企業の業績や指標を参考にして予想し取引を行いますが、仮想通貨には業績や売り上げといった参考情報がありません。ですので、通貨の需給関係で大きく動くことがあったり、取引所の問題など突発的な外部要因で大きな価格変動が起きたりします。ですが、最近の予想分析材料として、仮想通貨を使った新たなプロジェクトなどを相場の価格予想に用いる事例も増えてきたので、こちらに関しては少しずつ状況が変わってきています。
続いての価格変動要因は、価格に上限・下限が無い点です。仮想通貨から投資を始めた方にとっては、疑問に感じない可能性もありますが、株式投資には1日の価格変動に制限が設けられています。したがって、行き過ぎた高騰や暴落時にストップがかかるので、安全装置として働いています。しかし、仮想通貨の場合は、価格変動の制限が無いため、1日の需給関係が大きく変動すればそれだけ価格変動も大きくなります。このように価格予想をするためには、大きな価格変動要因を理解する必要があるのです。
仮想通貨の価格予想に必要な考え方
続いては価格予想に必要な考え方や知識について紹介していきます。前述で解説したように、仮想通貨の価格変動は大きいため、これらの要因を理解したうえで仮想通貨投資に必要なスキルや知識を学んでいく必要があります。
価格を予想するということは、将来の価値を予想するという事です。2018年頃から仮想通貨市場に変化が起きており、その1つが仮想通貨を使った新たなプロジェクトの存在です。例えばブロックチェーン技術を使って、コンテンツ配信・販売を行うプロジェクトや、データ管理の為の仮想通貨プロジェクトなど、仮想通貨+αの判断材料となる事例が増えています。
ですので、これまでの価格予想に用いられてきた、需給関係だけでなく様々な要因も材料として考える事ができるようになってきました。
まとめると、最近の仮想通貨の価格予想として用いられている要因は、
・需給関係
・チャート
・ブロックチェーンなど技術的要素
・プロジェクトの将来性
・外部要因
などが考えられています。従って、後述で紹介する予想分析手法を活用する場面が、増えていることが分かります。
仮想通貨の価格予想にファンダメンタル分析
仮想通貨の価格予想として用いられているツールの1つが、ファンダメンタル分析です。資産運用の経験がある方や、投資の知識がある仮想通貨投資家であれば知っている、代表的な手法です。価格予想をする為には、あらゆる情報を分析しなければいけません。そこで、仮想通貨のチャートではなく、仮想通貨の価値を変動させる可能性のある関連情報を整理・分析・価格予想するために、ファンダメンタル分析が活用されています。
日本語では、経済の基礎的諸条件と呼びます。単語だけを見ると難しい印象を受けますが、たとえば、ある企業がイーサリアムのブロックチェーンを用いた、新たなシステム開発を始めると発表したとします。そうすると、そのシステム開発が実現された時にイーサリアムの価値が評価されることが考えられます。イーサリアムの価値が評価される可能性があるということは、機関投資家などが先行して購入を始めることも予想できます。
この時に、長期的にイーサリアムの価値が上昇すると予想される、関連情報・事象を調べて将来の動きを分析・予測するのがファンダメンタル分析の基本です。
ですので、名称は難しいように感じますが、内容は単純に仮想通貨の価値に関連する情報を仕入れて、これから評価されるか・されないかで判断して価格予想をします。ですので、人によっては、テクニカル分析と違って、数値計算を含まない価格予想は分かりやすいとして用いる場合もあります。
仮想通貨の価格予想にテクニカル分析
次に紹介する価格予想の方法は、テクニカル分析です。こちらも資産運用の経験がある方なら、知っている投資における代表的な予想分析手法です。
テクニカル分析の大きな特徴は、ファンダメンタル分析と逆の発想で価格予想する点です。ファンダメンタル分析は、主に外部要因を予想分析の柱としますがテクニカル分析は、チャートのみで判断します。従って、分析に用いるツールは基本的にチャートを計算して作られたグラフや数値となります。
代表的な価格予想は移動平均線でしょう。移動平均線を簡単に説明しますと、例えば過去10日間の仮想通貨の価格を平均化させてグラフにさせるのですが、活用方法としてはグラフとローソク足の位置関係から上昇基調・下落基調・価格予想を見定めます。ですので、価値や仮想通貨に関連する情報を排除して、チャートの形から機械的に価格予想をしていきます。
仮想通貨の最新の価格予想方法を学ぶ
仮想通貨の価格予想について、基本を紹介してきましたが大切なことは、失敗を恐れずに様々な分析方法を試してみて、予想を繰り返ししてみる事です。仮想通貨投資をする前に、価格予想が当たっているか不安になり取引できない場合もありますが、どんなに分析をしても100%の精度は不可能です。
ですので、自己責任を前提として、様々な価格予想の手法について最新の予想方法を学んで、予想スキルを高めていくことが価格予想全体のスキルアップにつながるでしょう。