仮想通貨投資を始めた初心者の方や、半年ほど経過した人の中には、1つの疑問を持っているのではないでしょうか。それは、仮想通貨という名称にも関わらず、最近では仮想通貨プロジェクトと称して様々な事業やシステムに組み込まれています。従って、仮想通貨の決済・支払い手段としての機能よりも、事業として注目されている側面があるため、仮想通貨の機能や役割について分からなくなるでしょう。
そこで今回は、支払い手段としての仮想通貨をテーマに、仮想通貨の機能や役割、支払い手段として用いるメリット・デメリット、2018年7月時点で支払い手段として導入している店舗・企業などについて紹介していきます。仮想通貨は、まだまだ発展途上の分野なので、通貨としての機能だけでなく様々な分野への応用が期待されています。
また、どのような分野へ活用出来るのか、支払い手段として法定通貨のような価値があるのかについても議論されています。これから仮想通貨投資を続ける方にとっては、非常に重要なポイントとなる「支払い手段」としての仮想通貨の価値や、今後の方向性について知っておきましょう。
仮想通貨の機能とは
法定通貨の機能は、文字通り通貨として「支払い手段」、「為替取引」などに用いられていますが、何かしらのシステム開発に活用されることはありません。なぜなら、物理的に存在する紙幣や硬貨で構成されているので、ソフトウェアへの転換は難しい側面もあるからです。
対して、仮想通貨も「通貨」としての機能である、支払い手段や送金手段などに用いられています。また、FXのように仮想通貨も市場が形成されて、日々取引が繰り返されています。しかし、仮想通貨は支払い手段としての機能だけではありません。
仮想通貨は実体を持たない電子的な通貨です。そして、それらを構成するためにブロックチェーン技術を実装しています。この技術により、2018年現在の仮想通貨は「通貨」としての役割を超えた分野で活用が始まっています。
代表的な例としては、イーサリアムです。イーサリアムは元々の開発目的が、あらゆるソフトウェアのプラットフォームとして活用されることとなっています。従って、通貨なのですが、イーサリアムに実装されているスマートコントラクトを活用して、自動契約機能を用いる事が可能となっています。
スマートコントラクト機能を簡単に説明すると、コンテンツ配信者と利用者を繋ぐプラットフォームを作ることができ、自動販売機のようなシステムを構築が可能です。つまり、管理者がいなくとも利用者に対してコンテンツの販売から支払い手続きなどを、プログラムで設定することができます。
このように、仮想通貨は今やシステム開発のベースとして、用いられるように変化してきています。仮想通貨投資初心者からすると、理解しにくい部分かと思いますが「支払い手段」と「システム開発」の2つの役割として見られています。
そもそも、仮想通貨に用いられているブロックチェーン技術は、送金や支払い手段としての機能以外にも拡張性のあるモノでした。そこで、多くの企業やエンジニアが、ブロックチェーン技術の可能性に気付き、仮想通貨・ブロックチェーンを使って次世代のプラットフォームを開発しているという背景があります。ですので、厳密には仮想通貨がシステム開発に活用されるのではなく、仮想通貨に用いられているブロックチェーン技術が、様々なシステム開発に組み込まれているということです。そして、仮想通貨はそのようなサービスの一部として利用されています。
支払い手段としての仮想通貨を使うメリット・デメリット
仮想通貨の役割や機能の基本的な部分については、イメージできたでしょう。続いては、支払い手段として仮想通貨を利用する場合の、メリット・デメリットについて紹介していきます。一般の方などからすると、仮想通貨といえば支払い手段や送金手段といったイメージがありますが、どれだけのメリットがあるかは思いつきませんよね。
まずは支払い手段として用いる場合の、メリットから紹介します。1つ目のメリットは、キャッシュレスなので、支払い手段としてスマートに利用できる点です。最近では、電子マネーなども人気ですが、仮想通貨も物理的に紙幣や硬貨がありませんので、スマホなど専用の端末にかざすだけで決済が完了します。ですので、スマートに手続きが完了しますし、現金の盗難にあわない利点があります。
2つ目のメリットは、同じキャッシュレスのクレジットカードがありますが、匿名性という点で支払い手段としての価値が仮想通貨にもあります。クレジットカードは、カード番号を開示しなければ支払い手段として成立しません。ですので、人によっては機密情報を盗まれる心配をしている場合がありました。しかし、仮想通貨はブロックチェーン技術によって、匿名性を保ったまま支払い手段として活用出来るので、信頼性という点で評価できるでしょう。
続いてデメリットについて紹介します。1つ目は、ボラティリティが大きい傾向があるので、支払い手段として用いる際にレートの変動で、損失を被る可能性があります。つまり100円の商品をビットコインで購入するとして、1BTC=100円のレートとします。決済する前は1BTCの支払いで済むはずだったのですが、1BTC=50円まで下落した場合には2BTC支払う必要があります。このように、仮想通貨のボラティリティが大きいと、支払い手段として用いる際に思わぬ支出になる可能性があります。
2つ目は、支払い手段と直接関係ありませんが、送金手数料の課題もあります。送金時には必ず手数料コストが上乗せされますが、取引処理を優先させるには、より多くの手数料が必要なので少額決済の場合は送金が完了するまで時間がかかる場合があります。ただ、最近ではリップルなど、送金に特化した仮想通貨も開発されているので、いずれ解消されるでしょう。
支払い手段として導入している店舗や企業
続いて紹介するのは、支払い手段として導入を行っている国内のお店を紹介します。代表的なお店といえば、ビッグカメラやコジマといった大手家電量販店です。こちらは、ビットコインによる支払い手段を導入しており、レジに専用端末を設置しています。ですので、ビットコイン保有者は、法定通貨を使わずに商品購入が可能となります。
続いて紹介するのは、ネットショップ大手といえるDMM,comです。こちらもビットコインによる支払い手段を確立させているので、仮想通貨投資家にとって便利ですし同社自体も仮想通貨事業に参入している特徴があります。他にも全国各地の実店舗で仮想通貨による、支払い手段が確立されているので、興味・関心のある方は利用を検討してみるといいでしょう。
仮想通貨を利用する際は目的を明確にすること
ここまで決済手段としての仮想通貨に焦点を絞って、紹介してきましたが今後も仮想通貨を利用したいと考える人は、利用目的について明確な答えを出しておくと悩まずにすみます。なぜなら、今後も仮想通貨を活用した様々なプロジェクトが発表されるでしょうし、そういったICOプロジェクトに感覚的に投資をすると、思わぬ損失を招く可能性があります。
もし、支払い手段として利用したいと考えているのであれば、新しいICOプロジェクトなどは利用せず、ビットコインなど実店舗に導入されている通貨を保有して決済に使うのがリスク回避に繋がります。仮想通貨は様々なプロジェクトが開発・進行しているので、目移りしますが支払い手段として用いる場合には、実店舗で導入されている仮想通貨を購入することが大切です。