少子高齢化社会や社会保障制度の問題や、終身雇用の課題など様々な問題を抱える中で、個人の老後や資産に関する考え方も変わりつつあります。そのひとつが、資産運用を積極的に行うことで、そこから老後の資産を作るという方法です。この考え方自体は、元々存在していましたが一般的な方にも必要となってくる時代は、戦後日本で見てみると珍しい現象といえます。

そうした課題を個人が乗り越える為のおすすめの方法のひとつとして、前述のような資産運用スキルを磨くことが挙げられます。そして、中には仮想通貨を資産運用の戦略に組み込んでいる方もいます。そこで今回は、資産運用経験の少ない方や、仮想通貨初心者に向けて特徴やおすすめの銘柄、取引方法を紹介していきます。

最近の仮想通貨は、独自性を打ち出したプロジェクトが多数発足しているので、価値上昇に期待ができます。ですの、これから資産を作りたいという方は、仮想通貨のプロジェクトについてもチェックしてみることをおすすめします。

仮想通貨初心者向けの基本中の基本

初心者の方に向けて、まず仮想通貨の概念や基本について解説します。仮想通貨は円やドルなどのような紙幣や硬貨は存在しません。似ている概念として電子マネーがありますが、このように電子的に取引することはもちろん、決済や支払い手段、あらゆる機能を実装したタイプも存在しています。

ただ、電子マネーと違うのは、電子マネーは「円」を入れるためのデジタルウォレットであり、それ自体は通貨としての機能を持っていません。対して、仮想通貨というのはビットコインやイーサリアといった、電子的ではありますが通貨として発行されたモノを指します。従って、ビットコインと日本円のレートが存在しますし、決済手段として用いる場合はビットコインで支払うことができます。

仮想通貨は物理的に存在していませんが、デジタルな「仮想世界」で通貨としての機能を果たしているといえます。したがって、デジタルウォレットに自身の仮想通貨資産を保管できますし、日本円と交換することもできます。また、最近では仮想通貨による資金調達(ICO)サービスも人気で、資金を調達した後、日本円に交換して事業資金に充てるといった方法となります。IPOと違い、審査がないのでスピーディな資金調達ができると、ベンチャー企業などが取り入れています。

このICO投資は大きな利益を狙えますが、ICOプロジェクトの内容を判断するスキルが必要ですので、初心者向けとは言えません。初心者の方はすでに発行済みで、取引所で安定してトレードされている銘柄を選ぶことをおすすめします。もちろん初心者であっても、ハイリスクハイリターンを狙うのであれば構いませんが、ICOプロジェクトには詐欺も多いので、初心者にはトレード以前の問題もありますので、そこは知っておいてください。

また、仮想通貨は通貨としての機能も実装しています。まず、決済手段としては、既に日本でもビッグカメラやDMM.comなどが、ビットコイン決済システムを導入しています。実店舗の場合は、スマホにビットコインの決済用システムを入れて置き、レジに置いてある専用端末から通信・決済を完了させます。ネットショップの場合は、定められたアドレスを入力して送金で完了します。

また、送金手段として利用することもできます。仮想通貨の場合、金融機関や仲介会社を通さずに直接ユーザーへ送金できるので、スピーディかつ送金コストを抑える事ができます。このように、仮想通貨は物理的に存在しませんが、通貨としての役割を果たすことができる画期的なシステムです。物理的に存在しない「仮想世界のモノ」に価値があるというのは、初心者の方にはなかなか理解できない事かもしれませんが、実際に「仮想のモノ」に数万円から数十万円(昨年年末のビットコインには数百万円)の価格がついているのも事実です。今後はこのような「デジタル資産」が多くなってくると思われますので、初心者の方は、必ずそのことを知っておいてもらいたいと思います。

初心者が理解しておくべき仮想通貨の特徴

続いて初心者向けに、仮想通貨の特徴について簡単に紹介していきます。仮想通貨投資では、いわゆるFXのようにレバレッジを効かせて稼ぐこともできます。2018年7月現在でも、仮想通貨FXを行うユーザー数は増加傾向で、国内でも取引所があるので取引が活発に行われています。これは仮想通貨初心者の方であっても、FXをやっている方や知っている方でしたら仕組みは同じですので、やってみるのもおすすめです。

続いての特徴は、ブロックチェーン技術で、中央管理が不要なネットワークを形成することが可能となります。そして、ブロックと呼ばれる取引データを入れる箱が、一定期間ごとに処理・生成され、鎖のようにつながっています。ですので、ブロックチェーン技術と呼ばれています。初心者の方には難しく思えるかもしれませんが、ブロックチェーンについて専門的に知る必要はありません。初心者の方は「ブロックチェーンという技術がある」程度覚えておけば十分でしょう。

仮想通貨には中央管理が無いので、その代わりプログラムで取引の承認を行われることとなります。そしてこれらの取引の承認作業は膨大な作業量となるため、協力が必要となります。そこで、一般ユーザーの端末の処理能力を一部借りて、取引承認作業を行うのですがこれをマイニングと呼びます。厳密にはPoS方式なのですが、ここでは代表的な方法を紹介しています。

マイニングは、掘るという意味ですが、取引承認作業の貢献度に応じて、生成された仮想通貨が受け取れる仕組みとなっています。人によっては、マイニング報酬をメインに仮想通貨投資を行っている事例もあり、金利収入のようなメリットといえます。資金が少額しかない初心者の方には報酬で仮想通貨が手に入るのは魅力的かもしれませんが、ある程度の知識とノウハウが必要ですので、初心者のうちはマイニングというものを知っておくくらいにとどめておきましょう。

初心者におすすめの仮想通貨

1,000種類以上ある中で初心者でも安心して取引できる仮想通貨を解説ここまでは基本的な情報について紹介してきましたが、ここから初心者におすすめの仮想通貨について説明していきます。初心者からすると、仮想通貨とひとくくりに考えることが多いですが、実際には約1,000種類以上あります。ですが、中には不安定だったり発行元が不明だったりする怪しいものも存在します。そのため初心者には銘柄の選び方が重要になってきます。

初心者は比較的メジャーで出来高の多いものを選ぶのがおすすめです。メジャーの代表格といえば、ビットコインで時価総額が全ての中で1位をキープしています。初心者におすすめの理由が、国内の取引所で取り扱っていることが挙げられます。

仮想通貨投資を始める為には、取引所への口座開設が必要なのですが、国内取引所を利用する方が日本語なので分かりやすいですし、国内の認可を受けた信頼性の高い取引所で取引できる利点があります。

従って、国内の認可済み取引所で取り扱っている、ビットコインがおすすめということです。また、他にも初心者におすすめできる理由があり、基軸通貨や時価総額1位などの要因で、比較的価格推移がゆるやかな点です。

マイナー仮想通貨の中には、前日の10倍以上のボラティリティを記録する投機家向けの通貨があり、初心者におすすめできないハイリスクな相場も存在します。そんな中、ビットコインは市場参加者が多いことで価格帯に厚みがあることや、基軸通貨として機能していることから比較的信頼性が持たれている側面があります。ですので、分析しやすいビットコインがおすすめです。

次の初心者におすすめの銘柄は、イーサリアムです。イーサリアムはビットコイン同様価格帯に厚みがあることなどで、相場が安定傾向な点がおすすめですがそれだけではありません。スマートコントラクト機能による、自動契約システムでプラットフォームとして位置づけられている点が注目できるからです。

初心者の方は、仮想通貨を通貨としての機能しか認識していない事が多いですが、イーサリアムを中心にコンテンツプラットフォームとして利用できる可能性を秘めています。例えば、最近ではイーサリアムベースのゲームがリリースされたり、データ管理のシステムとして用いられたりとソフトウェアに利用されています。

このようにイーサリアムは初心者の方にもおすすめの銘柄であり、イーサリアムなどを通じて技術的な側面を追求するきっかけとなる可能性もあります。初心者のうちは専門的な技術は必要ありませんが、知識としては知っておくことをおすすめします。

仮想通貨初心者におすすめのトレード方法

続いては、仮想通貨初心者におすすめのトレード方法について紹介していきます。それは、現物取引によるトレードです。仮想通貨投資には、信用取引や仮想通貨FXなどがありますが、リスクを判断基準とした場合に現物取引をおすすめします。

その理由は、仮想通貨FXなどのような追証がありませんし、レバレッジといったハイリスクハイターンな投資自体初心者向きではないからです。現物取引で、仮想通貨投資の流れを理解して相場の分析を日々行っていく事が、リスクとリターンのバランスを保ちつつ取引する方法の1つではないでしょうか。

初心者におすすめな仮想通貨投資というテーマで様々な紹介をしましたが、まずは実際に始めてみて、経験や知識が増えてきたら、自分なりの戦略を立ててみるのもおすすめです。