この記事を開いてくれた方は「仮想通貨で使われているブロックチェーンなど技術が、医療でも役に立つはず」と期待されていると思います。
「どうして医療分野で仮想通貨の技術が役に立つの?」
「医療分野にプロックチェーンやAI技術が応用されたら、具体的にどんなことができるようになる?」
「今、注目されている医療系のICOは?」
上記のような疑問を持っている方に向けて書いています。医療分野にプロックチェーンが導入されれば、医療機関の間で情報共有がスムーズになり、一人でも救える命が増えるのではないか、と期待されています。また今、注目されている「予防治療」に力を入れた医療系ICOをご紹介します。
なぜ医療分野で仮想通貨のプロックチェーン技術が期待されているのか
これまで医療分野の「情報共有」は遅れていました。医療でもIT化進んでいますが、情報共有に関してはほとんど進展がありませんでした。たとえば患者のカルテは電子化されているので、データとして病院で管理されています。しかし、このデータは病院や施設ごとに管理されています。そのため、医療機関全体へ情報共有ができていませんでした。
医療の情報は広く共有されるべきだと多くの人々が感じています。様々な病気の症状に対する対処方法を他の病院と情報共有すれば、救える命が増えるはずだからです。また医療情報のデータ化が進めば、パソコンの画面を通じた遠隔医療にも役に立ちます。このように医師の診断が効率化されていけば、医師不足も解消されるのではないかと考えられています。
たとえばエストニアでは医療データを共有するために、保険局にブロックチェーンを導入しました。すでに100万人以上の国民の健康記録を電子カルテで管理しています。2018年からは、フィンランドと医療データを共有する取り組みを始めました。
でも個人情報が流出しそうでコワイ…と感じる方もおられるのも事実です。確かにブロックチェーンは、不特定多数に情報を拡散することで、相互的に情報を管理しています。しかし、ブロックチェーン上に記録されているのは、個人情報ではなく、個人情報へアクセスをした記録が管理されています。ブロックチェーン上から個人情報を抜き出すにはハッシュ値をと電子IDが必要なので、ブロックチェーンを理由に情報が流出することは限りなく低いと思われます。
このように、医療分野でブロックチェーン技術が導入されれば、機密性を保持したまま、医療データを世界中と共有できるようになります。そうすれば、医療機関同士でスムーズに情報共有が行なわれるため、救える命が今よりも増えるはずです。そして今、仮想通貨の技術を取り入れることで、医療分野に貢献しようとしているICOが増えてきました。中でも、期待されている医療系ICOを紹介します。
注目されている医療系の仮想通貨ICO
医療分野でブロックチェーン技術が期待されているのに伴い、多くの医療系ICOが発表されてきました。注目されている医療系ICOを3つご紹介します。
1.NAMコイン
2.SHIVOMコイン
3.MBSコイン
1.医療系の仮想通貨ICO:NAM(ナム)
現状では医師が患者の医療データを管理しきれていません。また日本の医師不足が深刻で、医師は患者の診察に十分な時間を割くことができていませんでした。そこで、NAMはAIを使うことで医師の診察を効率化し、医療データを共有しやすい仕組みを整えようと考えました。
たとえばNAMは「ドクターQ」というLINEを活用したbotシステムを開発しました。患者は自分の症状をLINE上で気軽に相談できます。相談にはAIドクターが答えるため、医師は診察をする必要がありません。この仕組みがあれば、医師の仕事の効率化が図れますよね。
AIドクターの診察レベルはまだまだ発展途中ですが、蓄積されたデータが増えれば増えるほど、診察のレベルも上がっていくと考えられています。そうなれば、患者は病院まで行く必要はなく、LINEで診察を受けることができるようになります。病院が近くにない人にとっては、有り難いサービスであると言えるでしょう。
またNAMでは、AIを利用した電子カルテシステムを構築します。このカルテシステムはドクターQで集めた患者のデータをもとに、患者のカルテを自動で作成します。そのため、医師の事務作業が効率化が期待できます。さらに、プロックチェーン上にカルテシステムを構築するので、異なる病院の医師にもカルテデータを共有できるようになります。
このようにNAMが実現すれば、医師の仕事の効率化と医療データの共有が行なえるようになります。高齢化が進む日本でぜひ取り入れてもらいたいサービスですよね。
2.医療系の仮想通貨ICO:SHIVOM(シボム)
SHIVOMが注目されているワケは、予防治療に力をいれているからです。これまでは病気を発症してから治療してきましたが、これからはかかりやすい病気を把握し、予防していく時代と言われています。
予防治療をするためにはDNA情報(ゲノム)が重要です。ゲノムが分かれば、将来、その人が発症しやすい病気やその人に適した薬を見つけることができます。しかし、ゲノムの情報を集めるには時間もお金もかかります。
そこでSHIVOMです。SHIVOMでは個人が自分のゲノムの情報を管理できるプラットフォームを作成します。SHIVOMの情報はブロックチェーンで管理されるので、世界中からゲノムの情報を集めることができますし、医療データの透明性も確保できます。
SHIVOMのユーザーは無償で自身のゲノム情報を提供するわけではありません。ユーザーはゲノムの情報料としてトークンをもらえます。そして、ユーザーはこのトークンの価値が上昇したタイミングで売却すれば、キャピタルゲインを得られます。
このような仕組みなら、ゲノムの情報を提供してくれる方が大勢でてくるかもしれませんよね。投機目的だけでなく、社会貢献のためにSHIVOMを支持する人々がいるはずです。
3.医療系の仮想通貨ICO:MBS(マイクロブロッドサイエンス)
MBSが注目されているワケは、SHIVOMと同じように予防治療に力をいれているからです。またMBSでは新しい採血方法を提案しています。
今現在では、予防治療を受けるために病院で採血をし、人間ドックなどの健康診断を受ける必要があります。これでは時間と費用がかかり、一般に普及しづらいですよね。
そこで、MBSは誰でも一人で採血が行なえるように「微量血液検査」を活用した簡易検査キットを開発しました。そしてスマホアプリの「Lifee」を使えば、採血の結果をその場で確認できます。これだけスピーディーに採血の結果が分かるなら、自宅で試してみたくなりますよね。採血方法がカンタンになれば、医療データを集めやすくなり、結果として予防治療の発展に貢献できるというわけです。
MBSで集めた医療データはブロックチェーンで共有され、管理されます。世界中から医療データが集まれば、より高度な予防治療を行なえるようになると考えられています。
医療系の仮想通貨ICOはとても注目されている分野なので、興味のある方はICOに参加されてみてはいかがでしょうか?ICOを通じて、最先端の医療技術に貢献ができますし、救える命が増えるかもしれません。また医療分野でAIが導入されれば、医師不足の問題も解消されると思います。