仮想通貨投資を最近始めた初心者の興味関心として挙げられるのは、仮想通貨での稼ぎ方や、コインの種類の多さ、そして海外の取引所です。一般の方から見ると、取引所は1つのカテゴリとして考えられていますが、実際には海外の取引所、日本の取引所それぞれに特徴があります。また、海外の取引所は法的な規制含めて根本的な考え方が違います。従って、ビットコインやアルトコイン投資を始めた初心者の方は、海外と日本の取引所を同じように考えていると、知らなかったでは済まされない損失を被る可能性もあります。
そこで今回は、意外と知られていない海外の取引所の特徴と、国内の取引所との違いについて解説していきます。また、海外の取引所でも、大手といわれる有名な取引所についても紹介しながら、海外取引所のメリット・デメリットについても考察・解説します。
海外の取引所で取引を考えているのであれば、口座開設する前に基本を押さえておく必要があります。
仮想通貨の海外取引所と国内の仮想通貨取引所の違い
海外の仮想通貨取引所を、国内の仮想通貨取引所と同じ感覚で考えているのであれば、間違っているといえます。海外の取引所では、その体制や取り扱い通貨、日本円に非対応など細かな点も含めて違いがあります。
日本と海外の取引所の1つ目の違いは、法定通貨の取り扱いです。国内の取引所は、日本円で入金・取引できるので国内在住の方なら比較的簡単にビットコインやアルトコイン取引が始められます。一方海外の取引所は、欧米や他のアジア圏に拠点を置いているため、仮想通貨とペアになる法定通貨がドルであったり、他の法定通貨であったりすることがほとんどなので、海外の取引所では日本円で入金することが難しいです。
従って、仮想通貨の取引をするためには、日本円を用意しても海外の取引所では取引できないと認識することが基本です。その対策としては、ドルを用意するか、海外の取引所に送金するために。メジャーなビットコインやイーサリアムといったコインを使って取引する方法があります。
日本と海外の取引所の2つ目の違いは、取り扱っている仮想通貨の種類と数です。国内の取引所では、ビットコインやイーサリアム、リップルやネムといった時価総額トップ10以内の通貨のみを取り扱っています。従って、売買できるコインの種類は5~10以内といった少数に限られています。対して海外の取引所は、マイナーなコインや通称草コインと呼ばれる、極めて出来高の少ないコインも含めて取り扱っている傾向があります。海外の大手取引所として有名なバイナンスなどは100種類以上取り扱っており、中級者以上の仮想通貨トレーダーは高騰狙いなどを目的として、海外のと取引所を利用する事例も見受けられます。
日本と海外の取引所の3つ目の違いは、補償やセキュリティ関係のサポート体制です。国内の取引所では、例えばビットフライヤーでは、コインの盗難被害に対する補償サービスを展開しています。また、改正資金決済法の規制・枠組みによって、認可制となっているのでセキュリティ対策も一定の要件を満たせなければ、運営ができないように規制をしっかり設けています。加えて、ユーザーが認知できる所として、口座開設時に本人確認審査など審査関係を厳しくしています。
海外の取引所の場合は、基本的には様々な点で、自己責任という認識で運営している傾向があります。また、海外拠点を置いている国の規制によっても違いますが、バイナンスやビットレックスといった大手の取引所でも、本人確認不要で取引が可能なので口座開設時からセキュリティ対する認識の違いが分かります。また、万が一のトラブルに関しても海外なので、問い合わせしにくいですし、ビットフライヤーのような補償サービスもないので預けていたコインが失われても原則戻ってこないのが現状です。従って、海外の取引所で取引する際は、必要以上の資金を入金しないように注意が必要です。
日本と海外の取引所の4つ目の違いは、ICO案件に関する取扱いです。前述でも解説したように、国内の取引所ではメジャーなコインしか取り扱いません。また、仮に世界的な注目を浴びたICO案件が、発行予定となっても国内の取引所では上場を受け付けることはありません。一方、海外の取引所の場合は、コインの取り扱い数が100種類以上から見ても分かるように、新規発行通貨を積極的に取り扱います。従って、仮想通貨のICO案件で世界的に注目されているプロジェクトやコインを購入するためには、海外の取引所で選ぶ方法しかないでしょう。
仮想通貨の海外取引所のメリット
海外の取引所の利用を検討している方に向けて、国内の取引所とは違う点があるからこそ発生するメリット・デメリットを紹介します。
まずはメリットですが、前述でも紹介したように海外の取引所ではコインの取り扱い数が非常に多いことです。世界的にも大手の取引所と呼ばれるバイナンス取引所は、約100種類以上の仮想通貨を取り扱っています。さらに、ICO案件から発行される仮想通貨に関しても、比較的積極的に取り扱うので新規プロジェクトに関心がある投資家からの利用も多いです。
海外の取引所で仮想通貨の種類が多いということは、それだけ今後高騰する可能性のある仮想通貨に投資できる機会が増えるということに繋がります。ただ、反対に海外の取引所では暴落する可能性のある、不安定な仮想通貨も上場しているので分析力や経験が試されます。
2つ目のメリットは、海外の取引所ではハードフォーク後の仮想通貨付与が行われやすいという点です。最近では、ビットコインのハードフォークも注目されていますが、国内の仮想通貨取引所では付与や関連する情報は発表していません。従って、基本的にメジャーな仮想通貨であっても、ハードフォークした通貨の付与は行わない方針であると認識できます。その点、仮想通貨の海外取引所では、ビットコインなどのメジャーな仮想通貨がハードフォークするとなれば、事前に関連情報を発表しますし、海外の取引所では付与に関しても積極的に行う姿勢です。ですので、ハードフォークした仮想通貨の取引に関心がある方は、海外の仮想通貨取引所を利用する方が相性もいいといえます。
仮想通貨の海外取引所のデメリット
次にデメリットについて紹介していきます。デメリットは、ハッキングリスクがある点です。仮想通貨の海外取引所は、国内の仮想通貨取引所と違って世界的に認知されていますので、ハッカーへ狙われるリスクも高いです。また、多くの仮想通貨取引所は、ユーザーの通貨が盗難などされた場合、補償する体制を整えていないことがあるので、こちらもリスクに繋がります。
従って、海外取引所を利用する方は、万が一の状況も想定した上で取引に使用する資金を入金することが大切です。海外の取引所にはなるべく入金額も取引に必要な最小限に抑えておくと、被害に遭った際のダメージを広げずに済みます。
2つ目のデメリットは、日本円などの法定通貨への対応が少ない点です。海外の仮想通貨取引所なので、日本円による対応はしていないことが多いのは勿論ですが、ドルに関しても非対応の海外取引所が少なくないので、結果的に海外の取引所に入金するにはビットコイン入金による対応が求められます。本来であれば、仮想通貨の海外取引所も法定通貨による対応が必要なのですが、国家間の問題や規制など様々な障壁があるため現時点では難しい状況です。
大手といわれる仮想通貨の海外取引所
大手の仮想通貨の海外取引所を簡単に紹介します。まずは、バイナンスです。バイナンス取引所は、香港に拠点を置いているので、本国からの規制を免れています。時価総額は世界1位なので、出来高が最も多いですし、取り扱っている仮想通貨の種類も100種類以上あるので、これからアルトコイン取引を始める方におすすめです。
次は、ビットレックスです。こちらは、アメリカに拠点を置く大手海外取引所で、200種類以上の仮想通貨を取り扱っている所が魅力的です。また、セキュリティ面でも一定の評価を得ているので、初心者の仮想通貨ユーザーにもおすすめです。