2017年の仮想通貨バブルや、2018年に起きている企業による仮想通貨事業の参入によって、資産のポートフォリオの中にビットコインやアルトコインを組み入れようとしている人もいます。また、少子高齢化社会に突入していることで、社会保障や老後の生活資金について、本格的に対処しなければいけない時代であることから資産運用に注目が集まっています。しかし、資産運用といっても日本では一般的でなかったことや、学校などでも教えられてこなかったので、急に始める事は難しいといえます。
そこで、注目を集めている方法が、ビットコインやアルトコインを取引して資産を増やすことです。2016年頃までは、マイナー分野で、現在よりも怪しいと考えられていましたが、最近では考え方が変わってきています。しかし、仮想通貨を取引したことが無い人にとっては、いくら人気でも投資という点で危険なイメージが付いて、取引を始められないパターンもあります。
そこで今回は、仮想通貨投資を始める上で気を付けるべき点と、危険といわれるポイントや対処法などについて紹介していきます。投資においては、正しく知識を身に着けて取引を行うことが大切です。
仮想通貨の基本的な仕組み
仮想通貨とは、2008年にインターネット上に突如現れた、サトシナカモト氏と呼ばれる匿名の人物が公表した論文から始まります。この論文には、仮想通貨に関する技術について、詳細に記載されていたことから、世界中のエンジニアが注目して実際に開発を始める事となります。そして、ビットコインが誕生するのですが、当初は現在のような取引所や大規模な市場形成は想定していなかったので、どちらかといえば趣味に近い感覚で取引が行われていました。
しかし、海外の一部企業などが目を付けて、実際に市場で取引されるようになったことで、徐々に拡大し続け今に至ります。
仮想通貨は、ブロックチェーン技術で成り立っており、分散型取引台帳ともいわれています。特徴は中央管理者や中央サーバが不要で、ユーザー同士が分散して管理・維持をします。従って、非中央管理型システムとなり、一部の人物が改ざんや不正を働くことが非常に厳しい状態となり、セキュリティ性においても評価されています。
また、ブロックチェーン技術を活用することで、取引や送金における処理も自動で行われるので、手続きを担当する人物も不要です。ただ、取引を承認・処理する作業には、少数の処理端末では不足するので、ユーザーに協力を仰いでいます。その作業がマイニングで、マイニング作業を手伝った上で処理能力上位になると、新たな発行されたコインを受け取ることができます。
これが、マイニングの仕組みで、PoW方式と呼ばれています。また、仮想通貨の取引承認方式は、PoW方式だけでなく、様々な方式が開発されています。その1つがPoS方式です。PoW方式となる2大取引承認方式として有名で、イーサリアムなどに採用されています。仕組みは、PoSが組み込まれたコインを保有している量や期間によって、新規に発行されたコインが配布される仕組みです。ただし、資金力のあるユーザーに優先的にコインが発行される可能性もあるので、流動性低下リスクに繋がります。
このように、仮想通貨はブロックチェーン技術・非中央管理制度で運用されていることが分かります。従来のシステムよりも、セキュリティ面で強化されている部分もありますが、一方でコインチェックなどの事件も起きており、別の危険な部分も問題となっています
仮想通貨の利便性
続いては、仮想通貨の利便性と危険な点と題して、それぞれの特徴を項目ごとに分かりやすく説明します。まず、利便性から説明しますが、送金手段としても優れている点です。国内で送金について問題になることは少ないですが、海外では事情があって銀行口座が開設できない方や、従来の方法で送金できない場合があります。また、送金コストも高いので、仕送りとして送る際に収入が減る事例があります。
こうした問題をビットコインやアルトコインは解決できるのではなないかと期待されており、その理由が送金ルートを経由しない点にあります。従来の送金手段は、仲介会社などを経由するために時間・手数料コストが高い問題がありました。反面、仮想通貨はブロックチェーンネットワークにより、コインを取引して直接相手に送金できるので、最短で数分・手数料も抑えられるメリットがあります。
また、ビットコインやアルトコインは、取引して利益を得られる点も魅力です。ビットコインやアルトコインは金融商品として、市場で取引されているのも大きな特徴で、株式投資などのように現物取引や信用取引といった方法があります。2017年のビットコインバブルの際は、会社員などが大金を手にした事例が話題を呼び、億り人と呼ばれました。ただ、2018年の仮想通貨市場は落ち着いているので、大きな高騰はマイナーなコインでしか突発的な高騰は見られない傾向です。
仮想通貨の危険な点
次に、ビットコインやアルトコインの危険な点を紹介します。まずは、ハッキングの危険です。正しくハッキングの危険について知っておく必要があり、それぞれの危険な点には特徴や違いがあります。
まず、取引所やウォレットへのハッキングの危険です。この場合、コインそのものの自体の危険ということではなく、あるコインを盗むために行われる攻撃です。従って、取引所へのハッキングという情報を見たら、ビットコインやアルトコイン自体が危険だと思うのではなく、取引所への攻撃と考えるようにしましょう。
次に、仮想通貨のブロックチェーンに関する危険です。ブロックチェーン自体は、匿名性が高く秘密鍵の安全性も高いです。しかし、ブロック生成の特徴を悪用したハッキング事件は起きています。内容は、ブロック生成を偽ることや、マイニングのシェアを独占することで、二重決済などの違法行為を行う悪質なものです。これは、主に仮想通貨開発チームの、セキュリティ体制の改善がポイントになるので、個人では対策が難しいところです。
また、ボラティリティの変動も危険です。ボラティリティとは価格変動のことで、仮想通貨は歴史が浅く、投資基準となる価値について明確な答えが見つかっていないことなどから、市場価格の変動が大きい傾向にあります。それ以外にも、株式投資と違って値幅制限もないので暴騰・暴落した際に、ストッパーとなる仕組みがないことも危険といえます。
ボラティリティの要因としては、時事情報による影響があります。こちらも仮想通貨市場の歴史が浅いことで起きる現象でもありますが、ちょっとした仮想通貨関連の時事情報でも価格が大きく変動するので、初心者にとっては取引しにくい場合もあります。
仮想通貨の危険な点を抑えるには
仮想通貨の危険な点が分かったところで、それらに対してどのように対処するのか解説します。まず、仮想通貨へのハッキングについてですが、個人はウォレット管理を怠らない事が重要です。取引所へのハッキングは、個人で止める事はできませんがウォレットに対するハッキングの危険は、いくらか抑える事が可能です。
ポイントとしては、ハードウェアウォレットやコールドウォレットに、取引に使用しない大部分の仮想通貨資産を保管しておくことです。ネットワークから切断された状態で、仮想通貨を保管できればネットワーク経由でのハッキングの危険を抑える事ができます。
次に投資に関する危険ですが、仮想通貨市場はボラティリティが大きいので、初心者の内は少額投資から取引を始めて損失を抑える方向で取引することが大切です。そして、慣れてきて勝率が上がってきたら、自身の考える利益幅を目標に、仮想通貨取引するという方法もあります。
仮想通貨に限らず、どのような金融商品を取引するにも危険はつきものです。その危険とどのように向き合って対処していくかに焦点を絞ることが必要です。