仮想通貨取引のメリットといえば、取引を始めるまでのハードルが低い点にあります。口座開設までの登録作業は、一般的な証券会社と比較して簡単に進める事ができますし、取引に使用するツール関係も初心者が一目で分かるよう丁寧な仕様で開発されています。したがって、仮想通貨取引を始める事自体は、問題とはならないでしょう。
しかし、仮想通貨取引を始めた初心者の中には、取引を始めた後について悩む場面が発生することもあります。その場面というのは、取引テクニック・手法についてで、仮想通貨取引も株式投資などと同様に投資に関する知識や経験が必要です。そこで今回は、仮想通貨取引を始めた後に発生しやすい、取引テクニックとテクニックの1つであるスキャルピングトレードについて解説していきます。
初心者が悩む仮想通貨取引とは
まず仮想通貨取引で悩んでいる初心者の方は、今どの部分で悩んでいるか整理する必要があります。1つ目は、取引の流れについてです。取引の流れについて分からない時もあるかと思いますが、そのような時は各取引所のマニュアルを再度確認するか、自身が取引している取引所について解説しているSNSかブログなどを拝見して、改めて取引操作について確認しましょう。
2つ目は、取引のタイミングについて分からないという場合です。この場合ポイントとなるのは、取引操作は理解しており、今購入しようとしている仮想通貨の購入機会を知ることができれば、利益を得られる可能性がある点です。この場合は、相場の流れを読む力やチャートを分析する必要があるので、ファンダメンタル分析やテクニカル分析を学ぶことが大切です。仮想通貨取引を感覚で行って利益を出すことは、非常に難しいことですので分析力と相場の流れを掴むことを目指した方が、スキルアップに繋がります。
3つ目は、取引のタイミングはある程度理解できているが、取引手法について全く知らないパターンです。今回は、このパターンについて詳しく解説します。取引手法にも様々な意味が含まれていますが、ここで説明する手法は時間を軸にしていきます。時間を軸にするという意味ですが、投資には時間ごとに取引手法が異なっています。また、仮想通貨の取引手法は、株式投資で用いられている方法を応用しているので、そちらから学ぶことも役に立つでしょう。
仮想通貨の取引テクニックは数種類ある
数年以上かけて1回の取引を完了させる手法が、超長期投資と呼びます。超長期投資は、株式投資において王道とも呼ぶことができる手法で、昔から活用されてきました。長期取引の特徴は、細かな値動きを気にする必要がなく、大きな利益を狙う事ができます。したがって、テクニカル分析を用いることは、あまりありませんので、基本的に投資対象の成長性や将来性に関する情報を収集・分析することや、経済に関する大きな動きをチェックすることが基本です。
続いては長期投資という手法です。長期投資の場合は、約1年で1回の取引を完了させる取引手法で、超長期取引よりは短いですが、一般的には長い期間保有することになります。基本的な取引方法は、超長期投資と同様に、対象となる仮想通貨の成長性や将来性、出来高などから判断し、外部要因となる世界経済や国内の景気もチェックします。
次の取引手法は、中期投資です。別名スイングトレードと呼ばれる取引手法で、1週間から数か月で1回の取引を完了させます。短期投資と長期投資の間なので、ファンダメンタル分析とテクニカル分析両方をバランスよく活用する必要があります。また、会社員など平日は時間がない方におすすめで、土日に仮想通貨市場をチェックして仕込み作業を行います。そして、次の土日で取引結果を確認し、次の取引へ取り掛かるか継続するか決めます。このように、副業的感覚で投資できるのがメリットです。
そして次の取引手法が短期投資と超短期投資です。最初に説明しますが、この2つの取引手法は仮想通貨投資初心者の方には難しく、片手間で取引する方法には向いていないことに注意が必要です。短期投資とは別名デイトレードのことで、聞いたことのある方もいるでしょう。1日の中で全ての取引を完了させ、1回の取引時間は10分~1時間以内と短時間であることが大きな特徴です。
スキャルピングトレードは数秒から数分の取引
続いて超短期投資についてですが、こちらも1日の中で全ての取引を完了させる所は同じです。別名スキャルピングトレードと呼ばれ、こちらの方が一般的です。デイトレードと大きく違う部分は、1回の取引時間について数秒から数分というさらに短時間で完了させる点です。一般的な仮想通貨取引しか知らない初心者や、これから仮想通貨投資を始める方には驚くような内容となっています。
スキャルピングトレードは、数秒から数分というごくわずかな時間で取引を完了させる性質から、専業トレーダー向きとされています。しかし仮想通貨の場合は、土日祝日関係なく市場が動いているので、会社員の方でも朝や仕事終わりの時間、または休日の空いた時間に取引できるので、従来の考え方とは違います。
なぜ、専業トレーダー向きかと言われているかというと、株式投資やFXは市場が開いている時間が定められていることや、非常にスピーディな分析が求められるからなどが挙げられます。ただ、前述でも解説したように仮想通貨の場合は24時間365日、市場が開いているので取引を行う時間は確保できます。
スキャルピングトレードに必要なスキル
次は、スキャルピングトレードに必要なスキルについて解説していきます。スキャルピングトレードは、一般的な仮想通貨取引である1日や数日のスパンで取引しないので、根本的な考え方が違います。初心者が覚えやすいスイングトレードの場合、投資対象の仮想通貨に関するスペックや開発チームの概要や、運営状況、プロジェクトの将来性についてなど、ある程度時間を掛けて調べてから投資をおこいます。
しかし、スキャルピングトレードの場合は、前述のようなファンダメンタル分析はほとんど活用しません。その理由は、取引を行う時間軸が極短いスパンなため、1日から数日以降に影響を与える情報を収集したとしても取引に活用できないからです。また、スキャルピングの基本でもありますが、仮想通貨のチャートも時間軸が短くなればなるほど需給関係による値動きが、価格変動要因になります。したがって、外部要因を排除したテクニカル分析の方が、スキャルピングトレードにおいて役立ちます。
スキャルピングトレードと相性がいい仮想通貨
仮想通貨のスキャルピングトレードを始める際に、覚えておいた良い要素がスキャルピングと相性の良い仮想通貨も存在するという点です。スキャルピングを活用して仮想通貨取引で利益を出すためには、1日の取引回数を増やす必要があるのです。これに関しては、数学的な解説も含みますので省略しますが、スキャルピングという数秒で取引を完了させる方法は、仮想通貨の利益も少ない傾向になります。
したがって、仮にスキャルピングで利益を出しても、回数をこなすことができなければ利益が小さいままなので、仮想通貨でスキャルピングを行う意味がなくなってしまいます。そこで、出来高が多い仮想通貨を探します。出来高が多いということは、それぞれの価格帯の層も厚いので、注文を入れてから約定されるまでに時間が掛かりません。時間が掛からないということは、次の取引に資金を回すことができるので、回転率が上がり結果的に利益を積み重ねることが可能となります。
また、同時に資金力も必要で、1回の利益が少ないので投入する資金が少ないと、仮想通貨の手数料分だけ損失が発生するリスクがあります。したがって、仮想通貨でスキャルピングトレードを行う際は、資金力と回転率が重要となります。