仮想通貨のマイニングは現在、ASICというマイニング専用機が大部分を占めるようになっています。昔は一般のCPU搭載の家庭用コンピューターでもマイニングが十二分にできたのですが、現在はCPUでのマイニングは、ほぼ不可能なだけではなく赤字になってしまうといっても過言ではありません。そこで今回はVertcoinという非常にマイニングがし易い仮想通貨を紹介していきます。

Vertcoin (ヴァートコイン)とは

Vertcoin (ヴァートコイン)は2014年1月8日に公開された仮想通貨です。ビットコインやライトコインなどPOWといわれているマイニング方法を採用している仮想通貨の多くは、ASICというマイニング専用機器をもっている、中国のマイニング企業の大手が独占してしまっています。つまりASICを持っていないマイナーはどうしても、ASICを持っている企業などと比較すると、どうしてもマイニングできる量が少なくなってしまいます。この大企業有利の状態を打破しようとしているのが、Vertcoinという仮想通貨です。

Vertcoinは『人々のための通貨』というビジョンを掲げ、ICOやエアドロップなどは一切せずに、配布されています。
以下Vertcoinのスペックをまとめました。

Vertcoin (ヴァートコイン)の特徴

前述したようにVertcoin (ヴァートコイン)は『人々のための通貨』というも目標を掲げているだけではなく、対ASICによる施策を実装しています。それが『Lyra2RE』というシステムです。Lyra2REというシステムは、ASICをもっていないユーザーもマイニングに参加することができるようになっているだけではなく、マイニングの際に使用する電気量が、一般のマイニングと比べ15%少なく済むようになっています。

後程詳しく説明しますが、POWというマイニング方法は、現在大手マイニング企業などによって独占状態です。POWの中にはASIC耐性をもった仮想通貨もありますが、非常に少なくなってしまっています。

Vertcoin (ヴァートコイン)のメリットとデメリット

次にVertcoin (ヴァートコイン)のメリットとデメリットを説明していきます。

・Vertcoin (ヴァートコイン)のメリット
① Segwitを実装 取引データー量を圧縮することで取引量を飛躍的に多くすることができる技術です。Segwitはビットコインやライトコインなどで、すでに実装済みですが、Vertcoinでも実装済みとなっています。Segwitを実装が実装されたことによって、スケーラビリティ問題は解決しているといってよいでしょう。スケーラビリティ問題とは、取引量が増えた結果、送金時間の遅延や承認作業に時間がかかってしまうという問題です。

② アトミックスワップに成功 アトミックスワップとは第三者とブロックチェーンを使用せずに、通貨の交換をすることができる技術のことです。一般的な仮想通貨の交換は、友人知人同士または取引所を介して行うのが普通です。しかし友人知人の場合どちらかが、約束を破ってしまえば、それで終了になってしまいます。取引所の場合、ハッキングなどのセキュリティ等の問題があります。

③ 51%攻撃 ある集団が採掘ノードの51%を支配し、不正な取引が可能になってしまうというものです。現実としてバージという仮想通貨はすでに2度も51%攻撃されてしまい、大きな被害を受けてしまっています。Vertcoinの場合ASICが使用不可能なので、特定のグループの力に依存していないため、51%攻撃をされる可能性はかなり低いといっていいでしょう。

・Vertcoin (ヴァートコイン)のデメリット
① 実用性に乏しい Vertcoin (ヴァートコイン)には対ASICという以外に強い『売り』がないということです。今後多くの仮想通貨が消えていくといわれているなか、ASIC耐性しか、特徴がないというのは大きなデメリットの一つといえます。

② アトミックスワップにはまだ多くの欠点がある アトミックスワップは今後仮想通貨の発展に非常に有用な技術です。ですが現段階では取引スピードが遅い事だけではなく、手数料が高いという欠点があります。さらにアトミックスワップを使用できる仮想通貨の種類も、まだまだ少ないというのが状態です。

マイニングの種類とマイニング方法

ブロックチェーン技術を使用せず通貨の交換を可能とした仮想通貨「Vertcoin」仮想通貨のマイニング方法には、POW、POS、DPOS、POI、POCなど計5種類あります。今回は計5種類のマイニングの種類を紹介していきます。

・POW(Proof of Work) ビットコインやライトコイン、そして今回紹介しているVertcoinがPOWというマイニング方法を採用しています。POWはASICなどの高機能なコンピューターが必要なだけではなく、大量の電気を消費してしまうため、批判多いのが現実です。
VertcoinのようにASIC耐性を実装しているものは少ないので、どうしても個人マイナーはPOWを実装している仮想通貨は手が出し難いです。一方でPOWのメリットはセキュリティ対策がしっかりとしているため、不正が発生し難くなっています。

・POS(Proof of Stakes)通貨の保有量や保有期間などから、マイニング報酬を得られるというものです。POSを採用している仮想通貨は、イーサリアム、ダッシュ、エイダなどです。所持している仮想通貨のソフトウェアウォレットで保有すればいいだけなので、非常に簡単にマイニングができるというのも、特徴の一つといえます。さらにPOWのように、ASICなどの高価なマイニング機器を購入する必要もなく、電気代もPOWほど必要としていないことから、今後はPOSがマイニングの主流になるのではないか、と言われています。

・DPOS(Delegated Proof of Work)Delegatedは日本語では委任という意味になります。つまり、投票で選出された人がマイニングで得た報酬を分けるという方法です。DPOSを採用している仮想通貨には、リスクなどがあります。

・POI(Proof of Importance) POIを採用している仮想通貨はネムが最も有名です。ネムの場合ハーベスティングと呼んでいます。POIは、取引回数や取引量など総合的に判断し、マイニング承認者を決定するマイニング方法です。

・POC(Proof of Concensus) POCは多くのマイニング方法の中でもかなり異質なマイニング方法です。まずPOCを採用しているのは、現在のところリップルだけとなっています。さらにリップルはブロックチェーンではなく、XRP Ledgerという仕組みを使用して分散型台帳にデーターを記録しています。POCの大きな特徴は、リップル社に選ばれたものしか、マイニングをすることがでないところです、現在リップルのマイニングしているのは、マイクロソフトなど世界的に有名な企業または団体だけとなっています。

Vertcoin (ヴァートコイン)を購入できる取引所

Vertcoin (ヴァートコイン)は現在日本の取引所で取り扱っていないため、購入する場合は海外の取引所を使用することになります。日本円を使用することができないので、まずビットフライヤーなどの日本の取引所でビットコインやイーサリアムを購入後、海外の取引所へ送金し、送金が完了したら、Vertcoinを取引所で交換をするという方法です。現在Vertcoinを取り扱っている取引所は3つです。

・Bittrex 世界的に有名なアメリカの取引所です。200種類以上の仮想通貨を取り扱っているだけではなく、現在のところハッキングなどの外部からのアタックによる被害が報告されていないというのも、評価ができる点です。Vertcoinの多くがBittrexで取引をされているため、Bittrexでの取引をするのがベストでしょう。

・Poliniex ここもアメリカの取引所で昨年非常に人気になった取引所です。仮想通貨の種類は70種類ほどとBittrexに比べると少なくなってしまいますが、手数料はMaker(現在価格よりも安く売るまたは、高く買う)の場合0.15%、Taker(現在価格よりも安く売るか、高く買う)が0.25%とかなり安くなっています。

・Yobit 「ロシアの取引所ではないか?」といわれていますが、運営会社や所在地など全てが不明となっています。現在1,200種類以上の仮想通貨を取り扱っていて、手数料は一律0.2%と決まっています。あまり良い噂を聞く取引所ではないので、もしVertcoinを購入するのならば、BittrexやPoliniexで取引をしたほうがよいでしょう。