2018年の仮想通貨市場は、1月のコインチェック事件や仮想通貨規制のニュース等などによって、3月末頃まで下落基調でした。また、仮想通貨投資家の中にはビットコインなどがこのまま下落していくのではないか、といった不安心理から出来高が減少していました。しかし、4月頃からレンジ相場となり、5月初旬頃まで上昇基調へと変化し、仮想通貨市場は再び活発化し始めています。そして、7月19日のビットコインは、高騰相場を記録したことや出来高の増加も見られ、仮想通貨市場全体の流れが上昇傾向へと変わりつつあります。

そんな、大きな変化が起き始めている仮想通貨市場ですが、仮想通貨投資初心者からすると注目するポイントは、どのような仮想通貨をポートフォリオに入れるのがよいか分からないことが多いですよね。そこで今回は、SNS関係と連携を行う、カナダ発の仮想通貨Kinの概要や特徴、どのようなアプリとのっ連携を行うのか紹介していきます。SNSやコンテンツ関係に興味がある方や、アプリとの連携を行う仮想通貨への投資を軸にしている方は、特に注目といえるでしょう。

仮想通貨Kin(キン)と連携するチャットアプリ

仮想通貨Kin(キン)の概要を紹介する前に、同開発企業がリリース・管理しているチャットアプリについて説明します。なぜ、一見すると仮想通貨に関係がないチャットアプリの説明をするかというと、仮想通貨Kinの大きな特徴といえるのが、チャットアプリとの連携だからです。したがって、仮想通貨Kinについて分析する場合には、仮想通貨にのみ注目するのではなく開発元が手掛けている、別の事業やソフトウェアについても知る必要があります。

まず仮想通貨Kinとチャットアプリを開発している企業ですが、カナダに本社を置くIT企業Kik Interactiveが手掛けています。Kik Interactiveは、企業名と同じチャットアプリKikを開発・リリース・運営をしており、世界で3億人以上が利用するほどの人気を誇っています。イメージとしては、日本で普及しているLINEと同じような、メッセージ、チャットアプリといった内容です。

北米を中心に欧米圏で知名度が高く、月の利用者が1500万人と世界的にも有名なアプリ・企業です。また、チャットアプリが誕生したのは2009年と、仮想通貨誕生した年とほぼ同時期でした。機能面は、LINEと同じく電話番号やメールアドレスを登録する必要はなく、Kik内のアドレスを相手に教えるだけで、簡単につながることができます。

また、LINEアプリと違う点もあり、それがチャット画面内で直接ブラウザに繋げて検索することができる機能です。LINEアプリの場合は、チャット専用の画面となっているので電話やスタンプの利用はできますが、直接検索を行うことはできません。従って、さらにKikの利便性が注目されることとなり、若者を中心とした利用者の拡大が続いています。

ただし注意点もあり、承認・フレンドになるための条件が、相手が保有しているKikのアドレスかユーザー名を検索だけです。従って、仮にユーザー名が同じで、全く違う人物だとしても気付くことができない場合もあり、自分の情報を知らないユーザーに押してしまうリスクがあります。また、本人確認の必要がないので、名前やアイコンを自由に設定できるため、チャットアプリKik内で本人か確認する術がありません。

ちなみに、チャットアプリKikの利用環境ですが、AndroidとiOSどちらにも対応しているため、誰でもダウンロードすることができます。また、日本からダウンロードすることができるので、仮想通貨Kinとの連携にも興味・関心がある方は、自己責任の下、チャットアプリKikをインストールするのもありでしょう。

仮想通貨Kin(キン)とは

続いて仮想通貨Kin(キン)の基本情報について紹介していきます。前述でも触れましたが、カナダのIT企業Kik Interactiveが開発・発行・運営を行っています。仮想通貨Kinの日本語読みは「キン」と読み、通貨単位はKINと大文字で表記されます。通貨発行上限枚数は、10,000,000,000,000 KINと最近発行されている仮想通貨の、発行上限枚数の平均的な量です。

時価総額は、日本円で約19797431938円となっており、時価総額ランキングでは90位台を推移しています。時価総額ランキングで見ると、マイナーな仮想通貨というイメージがありますが、開発元は個人ではなく企業ですので今後時価総額は高くなっていく可能性があります。

ベースとなるシステムは、イーサリアムの規格であるERC20規格なので、イーサリアムと互換性があります。したがって、後述でも解説しますが、システム外へ仮想通貨Kinを移動する場合は、イーサリアムと交換して継続して利用することができます。

開発目的及び仮想通貨Kinのプロジェクト内容は、Kik Interactive社が運営しているチャットアプリKik内で、仮想通貨Kinを使った経済圏を構築するためです。また仮想通貨Kinは、ICO案件でも発行されており、資金調達の役割も一時期担っていましたが、あくまでチャットアプリとの連携を視野に入れた開発・資金調達ですので、仮想通貨Kinを軸にした運用を考えています。

ちなみに、一般的なICO案件の場合は、何かしらのプロジェクトに必要な資金調達に使うため、仮想通貨が発行されているので仮想通貨Kinのような、アプリ内で使用する通貨としての役割は珍しいといえます。

仮想通貨Kin(キン)の特徴

チャットアプリKik内で経済圏を構築する目的で開発された仮想通貨「Kin」続いては、仮想通貨のKinの特徴について紹介していきます。1つ目の特徴は、仮想通貨KinとチャットアプリKikの連携です。これまでの仮想通貨プロジェクトで、プラットフォームや新たなシステムに組み込まれる事例はありましたが、アプリ内の通貨やシステムと連携するタイプは珍しいです。

具体的な利用方法ですが、チャットアプリKikをウォレットとして活用し、銀行口座やクレジットカードの利用などと連携します。さらに仮想通貨Kinを同アプリ内の通貨として、様々な機能を利用する際の共通通貨として設定させます。従って、仮想通貨Kin自体はチャットアプリKik専用の通貨として、考えられているので、外部へ仮想通貨Kinを移動する際はイーサリアムと交換して移動・利用するようになります。

2つ目の特徴は、チャットアプリKik内でコンテンツを作成するユーザーへ向けて、ファンが支援や応援の意味を込めて仮想通貨Kinを支払うシステムです。いわゆるSNSのいいね!ボタンと同じ役割をイメージできますが、通貨としての機能もあるのでクリエイターにとっては、収入源として利用することが可能となります。したがって、クリエイターが資金を得ながら安定的に活動できるよう、仮想通貨Kinは考えられています。

仮想通貨Kin(キン)の将来性

次は仮想通貨Kin(キン)の将来性について解説していきます。仮想通貨Kin自体は、新興の仮想通貨で価格が日本円で0,02円と安い状況です。従って、通貨単体で考えた場合は、将来性があるか分からない相場ですが、世界的に人気であるチャットアプリKikとの連携も考慮した場合、将来性に期待が持てます。

チャットアプリ内のクリエイターに対して、いいねと同じような感覚で仮想通貨Kinのやり取りが生まれることも考えると、アプリ内で経済圏が生まれる可能性があり、需要が高まり価格上昇へと繋がるでしょう。

仮想通貨Kin(キン)を取り扱っている仮想通貨取引所

仮想通貨Kin(キン)を取り扱っている仮想通貨取引所についてですが、2018年7月時点で国内の仮想通貨取引所にて取り扱っていません。しかし、海外の仮想通貨取引所で取り扱っているため、Ether deltaやMercatox、CossやYoBitといった取引所で取引することが可能です。

また、海外の仮想通貨取引所では、日本円による入金・取引ができませんので、ビットコインやイーサリアムといった、対応している仮想通貨を用意する必要があります。そのためには、まず国内の仮想通貨取引所でビットコインなどを購入して、海外の仮想通貨取引所へビットコインを入金しましょう。