時価総額がおよそ33兆円で、時価総額120兆円ほどのビットコインに次いで時価総額が高いのがイーサリアムです。ビットコインのマイニングと同様にイーサリアムのマイニングも盛んに行われていますが、現在POWというマイニング方法をとっているイーサリムは、次のバージョンアップでPOSというマイニング方法に移行することが決定しています。
POWやPOSがどのようなマイニング方法なのかは後述するとして、イーサリアムのバージョンアップは2018年度内のようなので、マイニング機器を使ってイーサリアムのマイニングを考えている方は今しかチャンスがありません。ただ、イーサリアムは現在POWというマイニング方法なので、参入するにはある程度まとまったお金が、必要だということを念頭に置いておいてください。
イーサリアムマイニング4つの方法
イーサリアムを含む、仮想通貨のマイニングの種類は大きく4種類あり、それぞれ独特のマイニング方法となっています。
POW(Proof of Works)
ビットコインやライトコイン、そしてイーサリアムなどのマイニング方法として採用しているのがPOWです。仕事量に応じてマイニング報酬を与えられるというマイニング方法で、ASIC(マイニング専用機)などの高度なコンピューターだけではなく、コンピューターを動かすのと同時にコンピューターを冷やすために大量の電気が必要となっています。
日本で、かつ個人でマイニングをする場合は、最低でもGPU(グラフィックボード)が必要なだけではなく、電気代の安く済む地域で、できれば寒冷地(コンピューターを冷やすための電気代が浮くため)がベターです。
POS(Proof of Stakes)
POWのように仕事量に応じてマイニングの有無が決まるのではなく、保有量や保有期間によってマイニングによる報酬を得る事ができるというものです。POWにおける欠点である電気代や設備費などにお金をかける必要がなく、誰でも平等にマイニングによる報酬を得ることができるというのがPOSです。イーサリアムもこのPOSへの移行を発表しています。日常利用を目指すイーサリアムにとっては維持費がかかるPOWよりもメリットが大きいからです。
POI(Proof of Importance)
POIを採用している仮想通貨の代表はイーサリアムと同じアルトコインのネムです。POIは残高や取引回数など総合したうえで、マイニングできるかどうか決まっていきます。POSは保有量や保有期間が焦点となっていましたが、POIはいかに使用したか、というところが重要視されています。
POC(Proof of Consensus)
POCを採用しているのは現在のところリップルだけとなっています。POCというマイニング方法は、リップルを発行しているリップル社が認めた機関や団体しかマイニングを行うことができないようになっています。
イーサリアムとは
イーサリアムは2013年ヴィタリック・ブリテン氏によって設計され、2014年から販売されました。当時19歳という若さでイーサリアムを開発しました。ヴィタリックは現在もイーサリアムの開発チームの中心に関わっており、イーサリアム以外の他のプロジェクトでも活動してます。
イーサリアムはイーサリアムのブロックチェーンを使用することで様々なことができるようになることから『世界のコンピューター』ともいわれています。ユーザが独自に定義した契約や財産を扱うことができるという柔軟性の高いのがイーサリアムなのです。イーサリアムというのはプラットフォームの名前で、そのトークンはEther(イーサ/ETH)です。
イーサリアムの資金管理は、スイスにある「イーサリアム財団」という非営利団体によって管理されていますが、ビットコインと同じく、イーサリアムの開発者チームは世界中に存在しますが、中央管理団体はありません。
現在イーサリアムを使用し世界に広めていこうという団体『EEA(Enterprise Ethereum Alliance)』日本語では『イーサリア連合』という、多くの有名な企業が所属している団体があります。イーサリアムの将来性を考え、マイクロソフトやJPモルガン、日本の企業ではトヨタ自動車やNTTデーターなどが所属しています。それだけイーサリアムの評価が高いと言えます。
イーサリアムの特徴
ではどうしてイーサリアムは、マイクロソフトやトヨタ自動車など世界的にも有名な企業から注目をされているのでしょうか。それはイーサリアムが非常に優れたプラットフォームを持っているだけではなく、多くの優れた技術を実装しているからです。
スマートコントラクト
イーサリアムが一躍脚光を浴びるようになった技術がスマートコントラクトというものです。イーサリアムではビットコインのブロックチェーンではできなかった、ブロックチェーン上での契約情報を記録、そして契約の履行までが可能になりました。今では多くの仮想通貨がスマートコントラクトを実装していますが、元々はイーサリアムが発祥です。
Dapps(Decentralized Applications)
日本語では分散型アプリケーションなどと訳されます。イーサリアムのブロックチェーンを使用したアプリケーションのことをいいます。大きなメリットとしては、ハッキングなども不正や改ざんに非常に強いとされています。まだ技術的な問題もあるので、大きく広まっていませんが、Dappsを使用したものとして、分散型取引所(DEX)やゲームがリリースされています。
ERC223
イーサリアムのブロックチェーンを使用することによって、容易にトークン(貨幣)を作成することが可能になるというものです。さらに統一された規格で作成されているので、取引所で取り扱う場合やウォレットで管理する際も管理し易いというメリットがあります。そのため現在でもICOを発行する場合、イーサリアムを使用している場合が多いのは、ERC223を使用している仮想通貨が多いです。
イーサリアムのアップデート予定
イーサリアムのアップデートは4つの開発段階となっており、現在は3段階目『Metoropolis(メトロポリス)』となっています。メトロポリスは2段階あり『Byzantium(ビザンティウム)』と『Constantinople(コンスタンティノープル)』で、2017年10月16日にイーサリアムにはビザンティウムが実装されました。ビザンティウムでは、マイニング報酬が5ETHから3ETHに変更になったこと、ジーキャッシュでも使用されている『ゼロ知識証明』が実装されました。
現在イーサリアムアップデートでは、コンスタンティノープル実装待ちとなっています。冒頭でも書いたようにコンスタンティノープルは2018年度内とされ、イーサリアムではマイニング難易度の強化とPOSへの移行が予定されているようですが、イーサリアムアップデートの明確な時期は発表されていません。
イーサリアムマイニングの始め方
イーサリアムマイニングの始め方として、まずはイーサリアムマイニング方法を知ることが大切です。イーサリアムのマイニング方法としては、イーサリアムソロマイニング、イーサリアムプールマイニング、そしてイーサリアムクラウドマイニングの3つがあります。それぞれのイーサリアムマイニング方法のメリットデメリットを説明していきます。
イーサリアムソロマイニングとは 機材を揃え自分一人で、マイニングをするのがソロマイニングです。
①イーサリアムソロマイニングのメリット 充分な資金を使い機材等の設備費に投資することで、多大な利益を稼ぐことが可能となっています。
②イーサリアムソロマイニングデメリット ASICなどの高度なコンピューターを買いそろえなければならないだけではなく、マイニングを行う際、多量の電気を使用するため電気代が非常に高くなってしまいます。
イーサリアムプールマイニングとは 複数の人とコミュニティ内で協力をすることでマイニングをするというものです。一般的なパソコンに入っているCPUでも可能ですが、イーサリアムプールマイニングの場合自分のコンピューターがマイニングにどのくらい関わることができたか、で報酬が決まってくるので、やはりGPUやASICといったような機材を使ったほうが良いということになります。
①イーサリアムプールマイニングのメリット イーサリアムソロマイニングに比べると、マイニングをできる確率というのが比較的に高いというところです。
②イーサリアムプールマイニングのデメリット マイニング報酬に差があるため、できる限り高額なコンピューターを使わないといけないこと、イーサリアムソロマイニングと同様に多くの電気を使用するため、電気代が高騰してしまうことがデメリットとして挙げられます。さらにイーサリアムマイニングプールに手数料を払わないといけないことです。
イーサリアムクラウドマイニングとは マイニングを行っている企業や団体に投資することで、マイニングができるようになるというものです。
①イーサリアムクラウドマイニングのメリット イーサリアムソロマイニングやイーサリアムプールマイニングのように、高価な機材を買う必要もなく、電気代もかかることはありません。
②イーサリアムクラウドマイニングのデメリット イーサリアムクラウドマイニングをする際に注意をしないといけないのが、投資先が詐欺業者かどうかです。そしてもし投資先が倒産をした場合も、出資金が返ってくるという保証はありません。