今年に入って仮想通貨の多くは下落しています。コインチェックのハッキング事件や各国もしくは団体による仮想通貨の規制等が原因です。仮想通貨の下落の一因となったものが、GoogleやFacebookによる仮想通貨広告の全面禁止という措置です。GoogleやFacebookによる仮想通貨広告の全面禁止により、ICOはもちろんのこと、Google上の仮想通貨取引所の広告も無くなってしまってしまいました。
ただFacebookは1月から続けていた仮想通貨の広告禁止を、6月末に特別申請と審査によって一部の広告を許可したことを発表しました。その結果7月20日、アメリカの大手仮想通貨取引所であるコインベースの広告がFacebookに掲載されました。ですが、GoogleはまだFacebookのような公式発表を行ってはいません。Googleの影響力はとても大きいので、Facebookと同じタイミングで広告規制を解除してくれると良かったのですが、Googleではまだその判断が下されていないようです。
Googleが仮想通貨の広告を制限した背景
Googleは6月1日から仮想通貨と関連の内容の広告を禁止しています。その理由として、Googleの『持続可能な広告』部門のディレクターScott Spencer氏はこう述べています。「私たちは、仮想通貨に関して将来がどのようなものになるかを知る、『水晶玉』をもっているわけではない。Googleに掲載されていた仮想通貨の広告で、多くの消費者が被害を被り、またその潜在的可能性があることを目のあたりにしてきた。Googleとして、私たちは慎重に慎重を重ね、この分野に対処していきたい(一部略)」
ただ、現在アメリカの仮想通貨取引所であるコインベースの広告が、Googleに掲載されているという報告があるようです。Googleからの正式な発表がないので分かりませんが、Googleとしての公式発表があってもおかしくないでしょう。
仮想通貨をマイニングするAndroidアプリの禁止理由
7月25日Googleはアンドロイド上で仮想通貨をマイニング可能なアプリを禁止することを発表しました。すでにappleは6月にIOS上での仮想通貨マイニングアプリを禁止しているので、Googleのこの判断は、appleに続く形になります。ではどうしてGoogleとappleは仮想通貨のマイニングアプリを禁止したのかというと、クリプトジャックによる被害を防ぐためだからです。クリプトジャックとはどのようなものなのか、そして対策方法などを説明していきます。
・クリプトジャック 他人のパソコンまたはスマートフォンを無断で使用しマイニングをするというマルウェアの一種です。マルウェアとは悪意のあるプログラムやコードのことで、有名なものにウィルスやトロイの木馬があります。一番やっかいなのは、今までのハッキングやウィルスと違い個人情報や資産の流出などの直接的な被害がないので、クリプトジャックに感染しても、被害にあっているということに気がつき難いという点が特徴です。
・クリプトジャックによる被害 イギリスやアメリカの国家機関が感染しただけではなく、you tubeやなどのサイトでもクリプトジャックが埋め込まれたことが発覚してしまいました。現在は対策がされていますが、かなりの被害が出てしまったと可能性が高いと推測されています。最近では中国で100万台以上のコンピューターがクリプトジャックの被害にあっていたことが判明しました。犯人は捕まりましが、digibyte,decred,siacoin合計2,600万枚の仮想通貨がマイニングしていたとされています。
・クリプトジャックに感染したどうかの見分け方 パソコンの場合はマイニングをする際CPUをフル活動しないといけないので、自然とパソコンの動作が重たくなってしまうこと。
スマートフォンの場合は、電池の消耗が著しく早くなるという傾向があります。パソコン、スマートフォンの両方に共通していることは、バッテリーへの負担が非常に大きいので、デバイス自体が短命になりやすいだけではなく、電気代が高騰してしまうことです。
・クリプトジャックへの対策方法 感染しても分かり難いだけではなく、じわじわと真綿で首を締めるかのように被害を拡大させていく、クリプトジャックですが対策方法があるので紹介していきます。
①ウェブブラウザ『オペラ』 『オペラ』は「ad blocker」という広告ブロックが実装されていて、広告を表示させないようにするようになっています。
②NoCoin,minerBlock Googlechromeは、広告ブロックの機能がないためNoCoinやminerBlock をインストールすることで広告ブロックが可能になります。なおminerBlockはオペラにも搭載が可能です。
クリプトジャックの増減は仮想通貨の価格に比例していて、仮想通貨の価格が下がればクリプトジャック検出数が減少するといわれています。仮想通貨の価格が上がるにしろ、下がるにしろ、クリプトジャックから身を守るためにも、必ずインストールをしておくことをお薦めします。
Googleが出資している仮想通貨リップルと招待を受けたカルダノ
Googleは仮想通貨には反対というスタンスをとっているのか、というとそんなことはありません。Googleは時価総額1兆7,000億円のリップルに出資していることでも知られています。リップルは昨年約400倍も価格を上昇させた仮想通貨なので、聞いたことがある方も多いのではないでしょう。そしては去る6月28日にカルダノを開発したCharles Hoskinson氏はGoogleロンドン本部に招待され、カルダノプロジェクトにおける技術的特徴などを述べており、Googleは仮想通貨に対して批判的な姿勢をとってるわけではありません。
Goolgeからの招待なので、提携とは違いますがGoogleが興味を持ったということは、Googleとカルダノとの提携につながる可能性も否定できません。このように現在Googleは仮想通貨の広告を禁止はしているものの、企業としてのGoogleは、仮想通貨とブロックチェーンには非常に興味を持っていることが分かります。
リップルとカルダノとはどのような仮想通貨か
時価総額1兆7,000万円のリップルと時価総額4,000億円のカルダノ。どちらもGoogleが興味を持っている仮想通貨と言っても良いでしょう。両方とも非常に有名な仮想通貨ですので、知っている人も多いでしょうが、簡単に復習しておきましょう。
・リップル(XRP) 別名『ブリッジ通貨』ともいわれている仮想通貨です。現在多くの国立銀行や大手銀行との提携をしていることでも知られています。リップルの特徴は決済と通貨と通貨の橋渡しをするILP(インターレジャープトコロル)と送金スピードを劇的に速くするだけではなく、手数料を格安にすることができるXRE Legerがあります。そしてリップルはGoogleからも資本を提供されているだけではなく、世界最大のECサイトAmazonとの提携の噂があります。GoogleとAmazonという、最も勢いがある企業と関係があるのがリップルということになります。
現在は1XRP=50円前後と今年の前半と比べると大きく下落してしまっていますが、Amazonとの提携が公になれば、すぐに高騰してしまうでしょう。また、Googleがリップルに出資をしていることは大きなことですが、今後Googleとリップルの、より具体的な提携や協力が発表されれば、リップルにとっても、Googleにとっても良い結果をもたらすかもしれません。なぜならば、仮想通貨と提携するというニュースで、その企業の株価が高騰する例が多くなってきたからです。Googleの企業価値を上げるために、なんらかの動きがあっても不思議ではありません。
・カルダノ(ADA) 一時期詐欺コインともいわれていたカルダノですが、昨年プレセールの0.3円から2018年1月に1ADA=100円まで高騰し、最高300倍まで上昇したことでも話題になった仮想通貨です。『Plutus』というイーサリアムでいうスマートコントラクトを実装しているだけではなく、イーサリアムのスマートコントラクトよりも複雑な内容でもブロックチェーン上に記録することができるようになっています。今回、Charles HoskinsonがGoogleのロンドン支部に招待されたということは、大きなニュースとも言えます。仮想通貨と企業との提携には、それなりの期間が必要です。Googleにカルダノの開発責任者が招待されたということは、今後Googleとカルダノが何らかの提携や協力をする前兆とも言えるかもしれません。
今年2018年には世界のATM25ヶ所、日本では5カ所のATMの設置とダイタロスウォレットに預けている、カルダノで決済できるようになります。
Googleトレンドからみるビットコインのこれから
Forbes紙によるとGoogleトレンドでキーワード検索をした場合、Googleでの検索数が上昇しているときほどビットコイン価格は上昇し、下落しているときは、ビットコインの価格も同じように下落する傾向であると発表しました。株式市場においては、Googleでのトレンド数の上昇は、『危惧』を現わすのに対し、ビットコインの場合は『希望』となるとしています。つまり、Googleトレンドで株の検索が増えると、暴落や株価下落を心配している人が検索しているということを意味します。それに反して、Googleにおけるビットコインの検索数の増加は「ビットコインはどんなものか」「ビットコインを買ってみたい」と思うような人が増えていることを意味します。また、Googleトレンドで検索数が増えている仮想通貨の値動きをチェックしていると、価格上昇の波に乗れることもあります。このように、Googleトレンドをこまめに確認することは、投資の上でも役立つと言えますね。
また、Googleトレンドと関係が深いのがリップルです。リップルは、米仮想通貨取引所のコインベースに上場するという噂が何度もたち、そのたびにGoogleトレンドでのリップルの検索数が激増し、それが世論を表すとして、リップルの上場が期待されたときがありました。結局コインベースにリップルが上場することはなかったのですが、Googleトレンドにおける検索数は、仮想通貨において、世論を表す一つの指標として使うことができるという見方もできます。
現在ビットコインの価格は1BTC=83万円ほどとなっていて、一週間ほど前は90万円台だったから7万円も下落してしまったことになります。ただこの下落はウインクルボス兄弟が申請していた、ビットコインETFが再度却下されたことによるものだとされています。
本命のETFはもっと後のものだといわれています。よって現在ビットコインの価格は下落していますが、『押し目』だと考えられるでしょう。