2009年にビットコインが誕生し仮想通貨の歴史は9年ほどになります。ビットコインはナカモトサトシという人物が2008年に論文を発表しビットコインを提唱しました。法定通貨が抱えている問題に切り込みビットコインを考えたわけですが、法定通貨には国境があるためにそれを跨ぐ国際送金は時間も手数料もかかります。
また、法定通貨は国家の信用によって価値が担保されるので国家に不測の事態が起これば通貨の価値の下落も考えられます。生活に不可欠な通貨が自分の意図しない要素で価値が上下するのは市民にとって不利益になります。そこでビットコインは世界共通の通貨として使えるように開発された経緯もあります。
しかしながらビットコインにも様々な課題があります。多くの方がビットコインを利用しているのは価値を保つために重要ですが、その取引を処理、承認するのに時間がかかったり、手数料も仮想通貨の中では低いと言えません。ビットコインの歴史の経過とともに問題点が浮き彫りとなり、ビットコインの問題点を解決しようと開発された仮想通貨もあります。
その一つに今回解説するMooncoin(ムーンコイン)があります。独自の特徴を兼ね備え、マイクロペイメントにも適性がある仮想通貨として注目している投資家もいます。それではMooncoinがどのような仮想通貨なのか解説していきます。
仮想通貨Mooncoin(ムーンコイン)の基本情報
Mooncoin(ムーンコイン)は2013年1月に取引が開始されていますから仮想通貨の世界では歴史のある銘柄です。通貨名称は「MOON」で発行上限は3850億枚。この発行上限とMooncoinという名前から何かお気付きの方もいることでしょう。地球から月までの平均距離をもとにして発行上限が定められています。
インターネット上の台帳に取引記録が承認される速度が90秒とビットコインの10分に比べるといかに速いかわかると思います。ブロック生成の速さは独自のプログラミング言語を使うことで実現しています。2018年6月中旬現在の価格は0.005円台でいわゆる草コインの部類に属します。時価総額ランキングでも400位以降と数字だけを見ると伸び悩んでいる印象を受けます。
仮想通貨Mooncoin(ムーンコイン)の特徴・メリット
Mooncoin(ムーンコイン)の特徴や優れ得ている点は4つあります。「マイクロペイメント(少額決済)に特化した仮想通貨」、「Smartlikesの機能搭載」、「MoonWordの利用」、「コミュニティの強さ」の4点です。では、それぞれを解説していきます。
仮想通貨は幾多の種類にも及びますがマイクロペイメントに特化されているものは少ないです。マイクロペイメントとは少額決済ですが実現できる理由は取引速度が速いこと、取引にかかる手数料が安い特徴があるからです。今後、ビットコインやモナコイン、イーサリアムのように決済で使えるお店や通販サイトなどが増えていけばマイクロペイメントが可能なMooncoinは重宝されるはずです。
次にSmartlikesの機能についてですが、こちらは分散型ソーシャルメディアプラットフォームとなります。現在、多くの利用者がいるツイッターやフェイスブックと同様で利用者同士がネットワーク上で交流できる仕組みです。一般的なSNSのように「いいね」をすることができ、いち早く「いいね」をしたユーザーにMooncoinが付与される仕組みがあります。Mooncoinやネットワークの普及度合いにもよりますが今後、SNSを楽しみながらMooncoinを得る時代がくるかもしれません。
また、マイクロペイメントに適している理由に取引速度の速さがあるわけですが取引速度を速めるために開発陣はMoonWordという独自のプログラミング言語を使っています。今の所、暫定的なMoonWordのようですから開発陣によってより良いものに変更される可能性もあります。
今後の発展で軽視できないのはMooncoinのコミュニティの強さです。MooncoinのツイッタアカウントはMooncoinイタリア、Mooncoinフランス、Mooncoinオリジナル、Mooncoinアジアなど複数存在しています。無料コミュニケーションツールのtelegramでではグループ活動も盛んでMooncoinの保有者が有志で非公式キャラクターをデザインしたり、コミュニティの強さが伺えます。
バージ(XVG)やXPなどコミュニティの強さが特徴にあり価格が暴騰した草コインの事例もありますのでMooncoinのコミュニティの強さは今後の価値上昇にも期待がかかります。
仮想通貨Mooncoin(ムーンコイン)の価格推移・購入方法
Mooncoin(ムーンコイン)は2014年の1月に取引が開始されますが、その時はわずか0.00001USドルでの取引スタートでした。2018年6月中旬現在の為替レートで言うと0.001円とかなり低い価格です。しかし、数週間で価格が18倍に暴騰し0.000188USドルまで上がります。その後はしばらくの間、取引開始時の価格で推移し2017年6月に0.000262USドルまで上昇しますが再び下落。2017年12月から2018年1月初旬にかけては仮想通貨市場の過熱によってMooncoinは1月7日に0.000775USドルまで上昇しています。仮想通貨市場が一気に冷え込むとMooncoinの価格も大暴落、軽微な上下はありましたが現在の価格にとどまっています。
価格も低く今後の価格暴騰に期待したい方もいると思いますが購入は海外の取引所「CoinExchange(コインエクスチェンジ)」のみとなっています。日本円は入金できませんのでビットコイン、ライトコイン、ドージコインをコインエクスチェンジに送金して購入する流れです。ドージコインは国内の取引所での取り扱いはありませんのでビットコインかライトコインを国内の取引所で購入後、コインエクスチェンジに送金しましょう。国内の取引所の取引手数料や送金手数料を比較していくとビットコインの取引でマイナス手数料を採用しているザイフ(Zaif)で購入、送金手数料が無料のGMOコイン、ビットポイント(Bitpoint)などから送金する方法がいいでしょう。
仮想通貨Mooncoin(ムーンコイン)の今後と将来性
ビットコインではなかなか難しいマイクロペイメントが可能であったり、Smartlikesの機能によってSNSの可能性を広げる特徴など将来に期待したい部分があるMooncoin(ムーンコイン)ですが、さらなる価値の向上が見込める噂もあります。バーンと言って既に発行されているコインを使えなくすることで発行総数を減らし価格上昇をさせる行為です。開発陣が600億枚のMooncoinをバーンするともささやかれています。実現するかどうかは断定できないものの今のうちに保有しておくのも悪くはありません。
現実的な部分を考えていくとロードマップでは2018年中に「MOON-EDU」と言うサービスをリリースする予定となっています。MOON-EDUとはSmartlikesの発展版のサービスで学生を対象に報酬を与えられるプラットフォームになります。テストで好成績を収めた時など、学生にご褒美としてMooncoinを与える内容で報酬による学生の意欲向上を促せるのではないかと考えられます。
ご褒美は少額で付与していくでしょうから、このプラットフォームもマイクロペイメントが可能であるMooncoinの特徴を最大限に生かしています。ロードマップの他にもハードフォークの実施、ウォレット開発、Webサイトのアップデートも2018年に予定されています。新たなサービスの提供とともに様々な機能のアップデートはMooncoinの価値上昇に繋がる可能性もあります。
しかしながら、Mooncoinは歴史長さに対して現在価格、時価総額を考えると開発に時間がかかっている印象は否めません。マイクロペイメントは確かに魅力的な特徴ですが、SNSへの応用やMOON-EDUへの発展は内容をみると類似する仮想通貨が存在します。XPはその一つでゲームをクリアすればコインがもらえる仕組みがあります。
もちろん、学生へのご褒美の付与として教育分野への応用も可能ですから競合になります。SNSプラットフォームで言えばスティーム(Steem)など強力なライバルが存在します。今後、Mooncoinが注目されるには競合銘柄とどのように差別化していくか見守る必要があります。