仮想通貨はメジャーな銘柄であるビットコインやイーサリアム、リップルなどを筆頭にその種類は1500以上もあるのではないかと言われています。今も開発や構想が練られているものを含めるとそれ以上になるのは間違い無いでしょう。しかし、その全てが安心、安全であると言えるものばかりではありません。中には詐欺まがいのコインがあったり、匿名性が高く犯罪に使われやすいコインもあります。

様々な情報を持ち、知識に長けた方であれば自分の判断でどのコインが安全かどうかを見極められると思います。しかし、初心者や、ビットコインやアルトコイン投資の経験が少ない方であればどの銘柄を選べば良いのか判断に迷うでしょう。そこで重宝するのがホワイトリストです。

ホワイトリストは世界共通のものではなく、日本独自のもので、金融庁がホワイトリスト入りの銘柄を選定しています。つまり、金融庁から認可を受けた国内の取引所で扱われている銘柄はホワイトリストに入っているということになります。ホワイトリストに入っているコインは、言い換えると金融庁のお墨付きがある銘柄ということができます。ビットコインやアルトコインのことをまだ良く知らないような、知識に乏しい方でもホワイトリスト入りの銘柄は、安心して取引に参加できると考えられます。今回はホワイトリストについて解説していきます。ぜひ、今後の投資に生かしてください。

ホワイトリスト仮想通貨とは

ホワイトリストとは冒頭で申したように金融庁のお墨付きがある仮想通貨になります。しかしながら、「ホワイトリスト」という言葉で金融庁が表現していたり、一覧にしているわけではありません。ホワイトリストとはあくまでも俗称であることを最初に理解しておきましょう。ただ、金融庁が出しているリーフレットでは定義は記載されています。以下をご覧ください。

「金融庁が、事業所として新しく登録、また登録された事業所から仮想通貨として申請許可・更新した時点での仮想通貨事業所で取り扱っている仮想通貨の俗称のことです。登録・更新された時点での仮想通貨なので、登録されている取引所が取り扱っている通貨でも、登録後に上場した仮想通貨は、その事業所が申請を出して認められるまでリスト入りとは言いません。(引用:https://www.fsa.go.jp/common/about/20170403.pdf)」

上記を噛み砕いていくと仮想通貨交換業者として金融庁に登録されている事業所が扱っている銘柄が、ホワイトリストに入っているものということになります。ホワイトリスト入りの銘柄は、国の法律として安全だろうというボーダーラインを満たしているわけですから深く調べなくても安全性の担保がついているわけです。リスト入りしたものはその後、価格が何倍にも上昇している銘柄もありますので投機的な面でもホワイトリストは軽視できません。

しかし、くれぐれも「ホワイトリスト入り=儲かる銘柄」と思い込まないで下さい。価格が急激に下落するリスクはありますのでホワイトリスト入りしても金融庁が購入を勧めている銘柄ではありません。ご注意ください。

改正資金決済法とホワイトリスト

金融庁から仮想通貨交換業者と認められた取引所で扱っているコインがホワイトリストに入っているということなので、その認可を受けている仮想通貨交換業者についても知っておくべきです。平成29年(2017年)4月から施行された改正資金決済法では顧客保護の観点などから、取引所運営に関しては登録制度を敷き、厳しい審査が設けられています。

大きくいうと利用者への適切な情報提供がなされているか、利用者の資産と事業者自身の資産を分別管理しているか、システムのリスク管理がなされているかです。それらの基準をクリアしてはじめて、登録業者として認められます。

ちなみに、改正資金決済法の施行により仮想通貨は通貨として定義され、消費税の非課税、利益は雑所得として扱われることになっています。それらも投資家としては抑えておくべき点です。

平成30年4月20日現在、金融庁から認可を受けている仮想通貨交換業者は16社あります。規模の大きいビットフライヤー、ザイフ(運営はテックビューロ)などは当然、仮想通貨交換業者として認可を受けていますし、GMOコインやSBIバーチャルカレンシーズ、DMMビットコインなど注目度の高い業者も認可を受けています。それら16社で取り扱われているコインに関してはホワイトリスト入りしているので安心して取引ができます。

ホワイトリスト入りしている仮想通貨

金融庁のお墨付きのあるホワイトリスト仮想通貨で安全に投資しよう仮想通貨交換業者は16社あるわけですが取り扱われている仮想通貨を調査すると、ホワイトリスト入りの銘柄は、以下のようになっています。

ビットコイン(BTC)
イーサリアム(ETH)
ビットコインキャッシュ(BCH)
キャッシュ(QASH)
リップル(XRP)
イーサリアムクラシック(ETC)
ライトコイン(LTC)
モナコイン(MONA)
リスク(LSK)
フィスココイン(FSCC)
ネクスコイン(NCXC)
カイカコイン(CICC)
カウンターパーティー(XCP)
ザイフ(ZAIF)
ビットクリスタル(BCY)
ストレージコインエックス(SJCX)
ペペキャッシュ(PEPECASH)
ゼン(Zen)
ネム(XEM)
コムサ(CMS)

以上、20種類のトークンを含む銘柄が国内の取引所で取り扱われており、ホワイトリスト入りしているということができます。最多の取り扱い数はザイフで15種類の銘柄で取引が可能となっています。中にはビットコインしか取り扱っていない取引所もいくつかあります。どの取引所でどのコインを取り扱っているかは金融庁の公式サイトで「仮想通貨交換業社登録一覧」をご覧ください。(https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/kasoutuka.pdf)

ホワイトリストに入っている仮想通貨を一覧で見てみるとやはり、匿名性の高いものは含まれていません。理由はもちろん、マネーロンダリングなどの犯罪行為を助長する可能性があるからで、そういった匿名性があるものは、今後もホワイトリスト入りするのは難しいでしょう。今までは、モネロ(XMR)、ジーキャッシュ(Zcash)、ダッシュ(DASH)などは匿名性の高いコインの代表格で以前はコインチェックでも取り扱いがありましたが、今後は他の取引所に上場することも難しいと考えられます。

ご存知の通りコインチェックはみなし業者で金融庁の認可を受けていない状態でそれらを取り扱い、さらにはハッキングによるXEMの多額流出事件を引き起こしました。現在は金融庁からの認可を受けるために業務改善に務めている段階です。その一環で匿名性の高い銘柄の取り扱いも廃止しました。国内においては、匿名性の高いコインは今後も淘汰されていくでしょう。

今後ホワイトリストに入りそうな仮想通貨

現在、ホワイトリスト入りしているのは20種類となっていて仮想通貨の全体数を考えるとかなり少ない印象はありますが今後、ホワイトリスト入りしそうなコインも話題になっています。エンタメ系のシステム構築を目指し、時価総額ランキングでもトップ10入りを果たすなど注目度の高いトロン(TRX)は日本でも取り扱いができるよう申請を出したとの情報もあります。トロンの関係者がツイッターにて発信した内容でしたが現在は取り消しされていますので噂レベルかもしれません。しかし、どちらにしても、ホワイトリスト入りする銘柄は、今後ある程度の価格上昇が期待できますので、情報収集をしっかりと行っていく必要があります。

そして、これから金融庁の認可を得る段階のみなし業者が取り扱っている銘柄もホワイトリスト入りの可能性があります。今、みなし業者で注目したいのはコインチェックです。経営体制も一新し、先にも触れた匿名性の高い仮想通貨の取扱い廃止をしたことにより認可される可能性は高まっています。

コインチェックが取り扱っていて、現在、ホワイトリスト入りしていな銘柄でいうとオーガー(REP)やファクトム(FCT)などがあります。過去の事例でビットフライヤーにリスクが上場した時に2200円台から3600円台まで上昇した事例もあるので、コインチェックが交換業者として認定されれば、オーガーやファクトムもホワイトリスト入りすることになりますから、価格が上昇する可能性はおおいにあります。コインチェックがいつ認可を受けられるかは分かりませんが2018年6月中旬現在の価格でオーガーは3900円台、ファクトムは1300円台と安めの価格ですから今のうちに保有しておくのもいいでしょう。

国内の取引所は海外に比べれば安心感も出てきますので、今はみなし業者でもこれから認可を受けそうな業者に注目し、新たな銘柄が加わるか予想しながら投資してみるのも一つの方法です。ぜひ実行してみましょう。