最近では仮想通貨に関する世間の認知度が高くなってきおり、私たちの生活にも徐々に浸透してきています。今回は仮想通貨の中でも古参のバイトコインについて解説をしていきます。この記事を読めばバイトコインの基礎的な情報や特徴、最新情報、そして将来性まで理解することができます。
バイトコインとは?バイトコインの基礎的情報を解説!
仮想通貨の投資を実際に行っている方でも、『バイトコインなんて聞いたことがない』もしくは『聞いたことはあるけどどんな通貨かわからない』という方が多いのではないでしょうか。そこで、まずはバイトコインとは?といった基本的な情報から解説していきます。
バイトコイン(Bytecoin)とは、2012年7月12日に発行された仮想通貨です。日本で仮想通貨が盛り上がり始めたのは2017年中盤〜終盤にかけてであり、2016年に目をかけていた人はアーリーアダプターとさえ言われていました。しかし、バイトコインはさらにその数年以上前から存在しており、他の仮想通貨に比べて歴史のあるコインです。ビットコイン(BTC)に次いで時価総額ランキング2位を誇るイーサリアム(ETH)が2014年に公開されたことからもバイトコインがいかに古参であるか伺えます。
バイトコインの通貨単位はBCN、1バイトコインは1BCNと表記されます。発行上限枚数は1,844億7,000万BCNに設定されていて、現在の供給量は約1,838億BCNとなっております。(2018年5月13日調べ)
バイトコインは初代・匿名性通貨
最近ではMonero(モネロ)やDASH(ダッシュ)、Zcash(ジーキャッシュ)など、匿名性の強い通貨が注目を集めています。仮想通貨はオンライン上で全ての取引が可能なためさまざまなメリットがありますが、便利がゆえにハッキングなど個人情報漏洩の危険性があります。そのような問題を解決するために開発がされたのが先ほど挙げた匿名性の高い通貨です。そしてバイトコインはこれら匿名性通貨の草分け的存在です。
バイトコイン最大の特徴は、匿名性の高さです。先ほど挙げた最近注目されているMonero(モネロ)も、バイトコインの仕組みを活用して開発されました。バイトコインはCryptoNight(クリプトナイト)と呼ばれるアルゴリズムを使用した暗号通貨です。そしてこのCryptonight(クリプトナイト)こそが、高い匿名性を実現する鍵となっています。
Cryptonight(クリプトナイト)では4つの技術を使用しています。まず一つ目が『リング署名』です。通常行われる送金では、電子署名により送金者のアドレスがわかり、送金者の特定ができます。しかし、リング署名では送金アドレスを複数人で使用するため、アドレスはわかっても送金者を特定することが難しくなります。そのため秘匿性が非常に高く、プライバシー保護などに役立ちます。
2つ目の技術は『ワンタイムキー』です。ワンタイムキーとは、その名の通り一度のみ生成される鍵のことです。自分のワンタイムアドレスと相手の公開鍵からワンタイムキーを作り出し、ワンタイムキーを使用することにより、相手だけが価格を知ることができるようになります。
そして3つ目の技術は『キーイメージ』です。キーイメージとは、二重支出を抑える技術です。先ほど説明したリング署名を行う際に秘密鍵から一方通行にできるキーイメージを作ります。そのため、二重支出を抑えることができます。
最後4つ目の技術は『ブロックチェーン分岐抵抗』です。通常であれば、ブロックチェーンには今までの取引が全て記録されているため、履歴をたどることによって過去のデータを確認することができます。しかしバイトコインのブロックチェーンでは、1つの取引を追う度にアドレスが増えていくため、過去取引の分析が非常に困難になっています。このように、様々な技術を用いることによって“匿名性の高い通貨”というポジションを確立しました。
バイトコインは誰でもマイニング可能!
バイトコインの特徴として、匿名性以外にもマイニングの容易さも挙げられます。仮想通貨を手に入れる手段は主に3つあります。1つが目が取引所で購入する方法、2つ目が誰かから貰う方法、そして3つ目がマイニングして増やす方法です。1つ目と2つ目は説明しなくとも理解できると思いますが、マイニングとはなんなのでしょうか?
マイニングとは、直訳で採掘という意味です。仮想通貨の基軸通貨であるビットコインを例に説明していきます。ビットコインは、世界中にいるメンバーがお互いに取引を承認し合うことによりその信頼性を保っています。ビットコインは世界中で取引がされていますが、その取引が正しいかどうかを確かめるために、膨大な量の計算をしなければなりません。
そしてその計算を手伝って成功させた人は、ご褒美としてビットコインを貰うことができます。他のマイナーと競っていち早く計算を成功させる過程が、金を探す採掘者と似ているためマイニングと呼ばれています。そしてこのマイニングは、膨大な量の計算が必要なため個人で参加することは難しいとされています。マイニングには大量のパソコンが必要で、その分電気代もかかるため、資本力を企業が有利になります。
しかし、バイトコインのマイニングはビットコインと比較すると難易度が低いという特徴があります。アルゴリズはビットコインと同じPoW(Proof of Work)を採用しているのですが、マイニングに大きなパワーを必要としない仕組みになっており、個人用のパソコンでもマイニングが可能です。また、マイニングの方法もバイトコイン専用のウォレットをインストールしてブロックチェーンと同期するだけで自動的に行えるため、誰でも参加可能となっております。
バイトコインがバイナンスに上場!?バイトコインの最新情報!
バイトコインは初期から存在している通貨であり、登場した頃はその機能性の高さから注目を浴びていました。しかし、最近では他の匿名性通貨であるMonero(モネロ)などにポジションを奪われつつあって、あまり目立ったニュースはありませんでした。
しかし、そんなバイトコインにビッグな最新ニュースが飛び込んできました。そのニュースというのが、バイナンスへの上場です。バイナンスとは世界最大手の取引所であり、まさかの上場に仮想通貨投資家から大注目を浴びました。
この上場によりバイナンスではバイトコインが急激に高騰を始めました。そして他の仮想通貨取引所であるHITBTC(ヒットビーティーシー)と10倍以上もの価格乖離が起きてしまいます。そのため、HITBTCでバイトコインを購入してからバイナンスで売って利益を出そう考えた人が集中してHITBTCにアクセスしたため、1時はサーバーが落ちるまでのプチパニック状態にまで発展しました。現在はバイナンス、HITBTCともにバイトコインの価格は落ち着いていますが、バイナンス上場は好材料ととらえてもいいでしょう。
バイトコインの将来性は高い?
バイトコインの基礎的情報や特徴、最新情報まで解説してきましたが、一番気になる将来性はどうなのでしょうか?結論からいってしまうと、現状バイトコイン将来性はそこまで高いとは断言できません。その理由を説明していきます。
まず1点目が、バイトコイン以外にも匿名性通貨はたくさん存在しているからです。この記事でも紹介したMonero(モネロ)やDASH(ダッシュ)、Zcash(ジーキャッシュ)などは、最近特に注目を集めています。また、これらの通貨はバイトコインを参考にして開発されており、いうなればバイトコインの上位互換です。
バイトコインには、これらの匿名性通貨を圧倒するような突出した特徴はありません。先ほどマイニングが容易にできるというメリットもあげましたが、すでにバイトコインは発行上限枚数に近いため今ではその恩恵をほとんど受けられません。
以上の点から、今後価値が暴騰するようなことは期待できないでしょう。しかし、最近あったようなバイナンスの上場など、ビッグニュースが今後ある可能性はあります。また、提携企業の拡大や通貨の機能性の改良や開発は現在でも続いています。そのため、こまめにバイトコインの動向をチェックすることをおすすめします。