2017年末に起こったビットコインの価格高騰により、仮想通貨という言葉が私たちの生活へと急速に浸透してきました。さらに、最近ではICO案件なども流行っており加速度的にさまざまな仮想通貨が誕生しています。今回はその中でもPOE(ポーエット)という仮想通貨に関して紹介していきます。POEの基本的な情報から特徴、さらには将来性まで徹底的に解説していきます。

仮想通貨POE(ポーエット)とは?POEの基本的情報

仮想通過POE(ポーエット)の将来性仮想通貨に関してよっぽど詳しい人でない限り、POE(ポーエット)という通貨名を聞いたことがある方はほとんどいないのではないでしょうか。確かに、POEはBTC(ビットコイン)やETH(イーサリアム)に比べるとマイナーな通貨です。そこで、まずはPOEに関する基本的な情報から解説していきます。

POEとは、芸術家や作家、映像作家などのクリエイターが創作した著作物をブロックチェーン状に記録保管し、誰がいつ作ったのか、その作成日や著作権利を明確化するためのプロジェクトです。そしてそのプロジェクト内で使用されるのがPOEと呼ばれる仮想通貨です。

通貨名はPOE、通貨単位もPOEで表されます。POEは2017年7月17日に発行された通貨であり、アルゴリズムはPoE(Proof of Existence)を採用しています。発行された当初は1POEあたり約1円付近をうろうろしていましたが徐々に上昇し、2018年6月には1POEあたり約25円まで急上昇しました。しかし、そこから急落し2018年8月現在では1POEあたり1.8円をマークしています。ちなみに現在の時価総額は約42億であり、時価総額ランキングは171位です。

POE(ポーエット)はなぜ誕生した?POEの目的を解説!

POE(ポーエット)の基本的な情報を解説してきましたが、そもそもなぜPOEは作られたのでしょうか?その目的について解説していきます。POEは、クリエイターが作った作品をブロックチェーン上で保管することにより、著作権を明確化するプロジェクトだと説明しました。

わざわざ作品をブロックチェーン上で保管しなければならない背景として、著作物の無断転載などの乱用化が挙げられます。最近では、インターネットの普及に伴い著作権侵害に関する問題が多く取り上げられるようになってきました。

『漫画村』と呼ばれる違法漫画サイトをご存知でしょうか。このサイトは、作者の許可なく無断で漫画や雑誌などを公開していたサイトです。無料での閲覧が可能なため、消費者はわざわざお金を出して漫画を買わなくなり、クリエイターにとっては死活問題となっていました。現在はサイト自体が封鎖されていますが、一時期社会的な問題へと発展しました。

POEは、ブロックチェーン上に著作物を保管することができるため、発行日や作者などの著作権情報を簡単に作成できます。また、これらの保管は専門家などの第三者に頼ることなく簡単にでき、なおかつ厳重な著作権管理が可能となります。そのため先ほどあげた違法サイトなどの著作権問題に対する防護策として注目を浴びています。

POE(ポーエット)の特徴を3つ紹介!

POE(ポーエット)の特徴を3点紹介していきます。まず1点目が、ブロックチェーンシステムを利用した所有権の保証です。先ほどから何度か紹介しているように、POEではブロックチェーン上で著作権情報を保管することが可能です。POEのシステム上では、ブロックチェーンに著作物を保管するためにタイムスタンプ(時間証明)を作成します。これはその著作物が『いつ作成されたか』を記録する役割を担っており、一度ブロックチェーン上に記録されると改ざん、変更が不可能となります。そのため、コンテンツを安心して管理することが可能となります。

続いて2点目が、オープンネットワークを提供しているという点です。最近ではKindleをはじめとした電子書籍が普及し、出版社やクリエイターが自分の作品を手軽に販売できるようになりました。しかし、まだまだ煩雑な手続きをする必要があり、課題がたくさん残っています。その課題を解決するために、POEではオープンネットワークを提供しています。

そもそも、POEの目的の一つに「出版社とクリエイターを繋げる場を提供する」というものがあります。クリエイターはPOEのプラットフォームにコンテンツを登録することで著作権情報を第三者へと公開することができます。そのためクリエイターは作品の認知度の拡大、出版社は著作権情報の確認を簡単に行うことができます。

そして最後3点目は、スマートコントラクトを実装しているという点です。スマートコントラクトはETH(イーサリアム)で有名な機能ですが、「ブロックチェーン上にあらかじめ契約条件などのプログラムを書き込むことにより、条件が達成されたら自動的に実行してくれる」という優れたシステムです。そしてこのスマートコントラクトが、POEにも実装されているということは、権利条件の譲渡などややこしい手続きも自動で行うことが可能となります。さらに機械による自動送金や受け渡しができるため不正を行うのが極めて難しく、信頼性の担保にも繋がります。

POE(ポーエット)で作成されるClaim POEの仕組みを解説

ブロックチェーン技術でタイムスタンプを作成することで信頼性を高めるPOE(ポーエット)にはブロックチェーン上にコンテンツを保管することにより、著作権を安全に管理できるという特徴があると説明してきました。ここでは、どのようにしてブロックチェーン上に登録をしているのか、その仕組みに関して細かく解説していきます。

POEがブロックチェーン上で電子データを管理するためには、いくつかの手順を踏む必要があります。まず、電子データをハッシュ化してClaimを作成します。Claimとは、和訳すると『要求』という意味になり、POEでデータを管理してもらうための申請のことです。

Claimを作成し、更にClaimをまとめたClaim Setを作成しこれをハッシュ化します。そしてこのデータをトランザクションに添付し、ビットコインのブロックチェーン上へと送信します。そして最後に、このトランザクションをマイニングしてもらうことでブロックチェーン上に格納されるという仕組みです。

POE(ポーエット)の将来性は高い?

最後に、気になるPOE(ポーエット)の将来性に関して解説していきます。結論から述べると、POEの将来性は高いといえるでしょう。その理由に関して2点説明していきます。まず1点目が、やはり違法サイトへの対抗策として有効だという点です。近年ではSNSなどの発達により、一個人が簡単にコンテンツを公開できるようになりました。そして先ほど挙げた違法漫画サイトのような著作権侵害問題が、今後ますます拡大化する恐れがあります。そこでPOEのシステムを利用することにより、個人のクリエイターを守ることが可能となります。

そして2点目が、ロードマップに沿って開発が進んでいる、という点です。POEの公式サイトでは、2020年までの長期的なロードマップが公開されています。POEのロードマップは3段階に分けられており、内容が細かく設定されています。今の所開発は順調に進んでおり、最近ではワードプレスのプラグインが開発されたとの発表がありました。直近に予定されている開発としては、制作物のビデオ、写真に対するサポートが掲げられています。

現在この世には仮想通貨のプロジェクトが無数にありますが、ロードマップが公開されていない、もしくは公開されていても一切開発が進んでいないプロジェクトが数多く存在しています。その点、POEは順調に開発が進んでいるため今後に期待ができるといえるでしょう。しかし、POEの開発は始まったばかりですし、先はまだまだ長いです。今後どうなるかというのはわからないですので、投資は慎重にリサーチし、納得した上で行いましょう。