UAEの首都ドバイは、近代的な街並みと、大富豪が住む街として有名です。ドバイは近代的なサービスの提供を推し進める中、ついに仮想通貨にも手を出すと発表しました。この仮想通貨への参入によって、ドバイはさらに進歩すると発表しています。同時に、世界はドバイの動向を気にすることとなったのです。
ドバイは3年後にブロックチェーン技術を活用したいと発表
UAE政府は、ドバイで仮想通貨が持っているブロックチェーン技術を応用したいと考え、2021年までにUAEで導入したいと発表しました。これは連邦政府に関わる半分以上の取引に対してブロックチェーン技術を利用したものに変更し、住人への安心と幸福を提供するというものです。ブロックチェーンを使うというのは、仮想通貨によるサービスを導入する決断でもあります。
政府が考えている案として、現在UAE連邦政府で取り扱っているサービスの半分近くをブロックチェーン技術によって気軽に手続きができるものに変更し、住人がいつでも手続きを行えるようにします。同時に、仮想通貨によって支払いを行い、確実にサービスの利用が行われた履歴を残し、トラブルを避けられるようにします。
同時に、労働時間の削減を行うと発表しています。ブロックチェーン技術を導入すると、年間で7,700万時間もの労働時間が節約されるデータを公表しました。これは多くの担当者を外すことで、労働時間を軽減し、誰もが快適に過ごせる社会を作る狙いもあります。
そして、起業家に対してドバイは生活しやすく、あらゆるサービスを一括で実現できる場所だと示し、多くの企業にドバイに進出してもらいたい狙いもあります。こうしてドバイはあらゆる手続きをブロックチェーンに変更させることで、より多くの住人や起業家に対して安心感と簡単な手続き、そしてトラブルの解消を図ろうとしています。
連邦政府の取引をすべてブロックチェーンに置き換える
UAEは、連邦政府が行っている取引を将来的には全てブロックチェーンによって行うと発表しています。その計画のために、ドバイが仮想通貨を利用したブロックチェーンに参入し、一部の手続きはブロックチェーンを利用して行っていく形を考えています。最終的には連邦政府が提供しているサービス全てをブロックチェーンに置き換え、全ての手続きがブロックチェーン内で行えるようにします。
具体的に行いたいサービスとしては、財産や企業の登記を管理、ダイヤモンドの取引や運送業者に関連するデータの管理、健康情報についても管理できるように考えています。他には観光業者にかかわる情報もブロックチェーンによって管理したいと発表しており、あらゆる連邦政府の取引が対象となります。
これらの情報をしっかりと管理しつつ、ブロックチェーン内で多くの手続きが完了させられれば、労働時間の削減はもちろんのこと、金銭面の節約にもつながります。連邦政府では、年間3,200億円程度の節約が見込めると発表しており、多くの労働者を採用しなくても情報管理ができる社会を目指すとしています。
ドバイは独自に仮想通貨への参入も検討
ドバイは仮想通貨にも参入を考えており、独自の仮想通貨であるemCashを導入します。この仮想通貨は、ドバイの経済省に当たる場所とイギリスのブロックチェーン技術を開発している会社が共同で製作し、現在実際に導入できるように作業を進めています。まだ発行されているわけではありませんが、将来的に連邦政府などの取引の際にemCashが使われる可能性はあります。
決済サービスとも既に提携を行っており、empayと呼ばれるサービスを経由してemCashを利用すると、様々な決済に利用できると説明しています。この中には、公共料金や子供の学費はもちろんのこと、毎日利用しているコーヒー代など身近な代金も含まれます。あらゆる費用をemCashで支払えるように、ドバイでは決済サービスも同時に開発しているのです。
現在開発されているemCashですが、自動的に仮想通貨が発行される技術を持っています。仮想通貨の問題の1つである、採掘が多く行われてしまい、インフレや過度なデフレ、更には詐欺に使われることがありません。リアルタイムで必要な分だけemCashを発行していくサービスを仮想通貨で提供していくのです。
現在決済サービスの導入に合わせて、emCashの制作も進んでいます。こちらも2021年のブロックチェーン技術に合わせて導入され、ドバイから独自に登場した仮想通貨として多くの方に取引されることでしょう。
ドバイが仮想通貨へ参入するためあるものを大量導入へ
仮想通貨へ参入したいと考えたドバイですが、まだemCashの開発は進んでいる途中です。同時に、他の仮想通貨が使えないとなれば、不便ではないかと考えたようで、ビットコインのATMを大量に導入しています。いつの間にかドバイには、400台を超えるATMが設置され、様々な場所でビットコインの手続きができるのです。
元々ビットコインATMというのは、世界でもそれほど置かれているものではありません。日本でも数台しか置かれておらず、利用している人も決して多いわけではないのです。それなのにビットコインATMを大量に配置しているのは、ドバイが仮想通貨事業に参入し、将来的に必要だと判断しているためです。
ATMの台数は、世界の半分近くに達しており、ドバイがビットコインに対しても積極的にアプローチをかけています。同時に、emCashと一緒にビットコインによる決済も考えており、どの場所でもビットコインの手続きを行えるように考えているのです。こうした動きにより、ビットコインのATMは劇的に増えていったのです。
UAEが考えているサービスは本気度が違うと考えてもいいくらいで、ビットコインのATM1つを取っても、かなりの台数を置いています。将来的にブロックチェーンを導入し、あらゆる決済などを1つの仮想通貨で対応したいUAEですが、一番仮想通貨で進んでいるビットコインにもしっかりと対応できる街へと変えているのです。
UAEの動向は仮想通貨へも影響あり
ドバイのブロックチェーン導入の発表は、独自の仮想通貨導入も含めて仮想通貨への影響はかなり大きいでしょう。現時点では特に動きは見られていませんが、emCashが実際に売買できるようになるなど、ドバイが本気で仮想通貨の導入を進めているとわかれば、他の仮想通貨にも何らかの影響を与えます。
これからドバイは、3年間の開発期間を経て、導入に向けた動きを加速させます。こうした導入の動きが進んでいくと、徐々に仮想通貨の価値が上昇し、ドバイに行けば仮想通貨で買い物ができる、もしかしたら仮想通貨で色々なサービスが使えるとユーザーに感じてもらえるのです。そのためにはいち早く仮想通貨の開発と導入を進めなければなりません。
また、スマートコントラクト技術の開発も進めているドバイは、将来的にはスマートコントラクトによってサービスの運営を行います。これは複数の仮想通貨の導入も含めて検討されていることで、スマートコントラクトによって様々なサービスの実施、そして仮想通貨による支払いというサービスを提供し、ドバイに来ている人がキャッシュレスで生活を楽しめる場を目指しているのです。
もし、UAEが本当に仮想通貨の導入に成功し、市場を活性化させるとなれば、先進国も仮想通貨の導入に積極的にかかわるでしょう。そして、仮想通貨の価値が一気に上昇し、多くのユーザーが投資目的以外の理由で仮想通貨を保有することとなるのです。