仮想通貨取引を始めた方であれば、何度か聞いたことのある言葉として「バーン」があるのではないでしょうか。基本的に株式投資やFXなどの専門用語や仕組みを、活用した事例が多い美っとコインやアルトコイン市場の中で、独自の仕組みといえるものが、特定のコインに対して行われる仮想通貨のバーンです。ビットコインやアルトコインを初めて買ったような投資初心者や中級者の中にも、バーンの意味や種類、相場にどのような影響を及ぼすのかといった点について知らない事があるでしょう。

そこで今回は、ビットコインやアルトコイン市場や相場、そしてバーンの意味や仕組みなどについて分かりやすく解説していきます。ビットコインやアルトコインは法定通貨と違い、発行量・需給状況についての仕組みや状況について独自の方法をとっています。従って、株式投資やFXを経験している、資産運用経験者の方もバーンについては初めて知る内容です。

バーンについて理解するポイントは、分配と流通量・価値です。バーンされたコインの価格は上昇する傾向がありますので、ビットコインやアルトコイン取引で利益を出したい方は、バーンを覚えると共に通貨の流通量についての概念も理解するといいですよ。

仮想通貨のバーンとは

仮想通貨のバーンとは、日本語で燃えるという意味です。仮想空間で生み出された通貨が燃えると聞くと、違和感を覚える方も多いでしょうが、マイニングと同様に「バーン」は比喩表現として用いられています。バーンとは燃えるということ、つまり対象のコインが使えなくなるということです。

ビットコインやアルトコインの発行には上限が設けられているため、法定通貨と大きく違う仕組みといえます。法定通貨の場合は、中央銀行が通貨の発行量を調整すると共に、発行量に制限がありません。従って、景気対策として紙幣の発行量を増やして需給関係を調整します。しかし、ビットコインやアルトコインは通貨の発行量に上限が設けられていることが多いので、希少性という点で発行当初から高いとも考える事ができます。

しかし、それでもビットコインやアルトコインの市場価格は信頼性や需要、プロジェクトの進行状況などによって上下します。また、2017年のビットコインが長期上昇相場となりましたが、バブル相場でしたので急落を記録し、2018年3月頃まで前年の影響を受けていました。

そこで、コインを燃やす、つまり発行量を減らすことによって希少性を高めて、市場価格を上げる方法が選ばれています。つまり、バーンとは、通貨の発行量を減らすことによって供給量を減らし、需要を高める意味があります。

次に、バーンの具体的な仕組み・流れについて解説します。バーンは比喩表現ですので、実際には運営側がバーン専用のウォレットを用意します。そして、バーン専用ウォレットは、どのユーザーも知らないアドレスなので、そこに送金すれば永久的に開くことができません。

つまり、バーンするコインをどのユーザーも知らないアドレスに送金することで、使用できない状況にして強制的に供給量を減らします。従って、正確には、バーンによってはそのコインの総発行量は変わっておらず、投資家が実際に取引出来る、通貨の量が減るということです。

特定のコインのバーンを行う具体的な理由についてですが、主に、そのコインの開発チームが資金流入を図る為にバーンを実行します。例えば、市場の流通量が減ると相対的に通貨の価格は上がるので、上昇トレンドに入ります。そして、上昇トレンドを見つけた投資家が新たに購入することで、資金流入が増加するという流れです。

しかし、後述で詳しく紹介しますが、コインをバーンしても以前より効果が薄いという評価もあり、現在ではバーンを行ったことで急騰する可能性は低いといえます。

仮想通貨のプルーフオブバーンとは

仮想通貨取引初心者やバーンについて知らない方は、前述で紹介した仕組みのみと考えるでしょう。バーンには、もう1種類あり「プルーフオブバーン」と呼びます。また、「プルーフオブ」というと証明方法の1つかと考えがちですが、プルーフオブバーンの場合は違う意味で扱われています。

プルーフオブバーンを簡単に表現しますと、平等で透明性を確保しながら新たにコインを発行することです。従って仮想通貨のバーンとは、仕組みや役割などほとんどの意味が違いますので、混同しないように気を付けることが大切です。

仮想通貨のプルーフオブバーンは、コインの開発チームがバーン専用のウォレットを用意します。そして、どのユーザーも知らない仮想通貨アドレスを設定し、対象のコインをバーン専用ウォレットに送金します。ここまでは、通常のバーンと共通しています。バーンという言葉使われている理由がここにあります。

そして、バーン専用ウォレットに送金した通貨量に応じて、開発チームが新しいコインを発行します。そして、プルーフオブバーンされたコインを保有していたユーザーに、新しく発行された別のコインを分配する仕組みとなっています。

つまり、仮想通貨のプルーフオブバーンは、新規発行された仮想通貨の分配時に透明性を確保・証明するために、既存の仮想通貨をバーンしているということです。また、バーンを行ったコインの枚数も公開されているので、より透明性を確保しています。

仮想通貨のバーンによる投資家のメリットとは

仮想通貨のバーンによる投資家のメリットは値上がりと新規発行通貨の取得続いて、仮想通貨のバーンおよびプルーフオブバーンが実行されることによる、投資家へのメリットについてですが、値上がりと新規発行通貨の取得が考えられます。バーンは、前項目でも解説していますがその通貨の希少性を高める事で、通貨の価値を上げようという目的があります。つまり、上昇相場が形成される可能性があるという事です。

また、仮想通貨のバーンについて認知度も上がっていることから、最近ではバーンが予定されているという情報が出た段階で、購入予定者が増加する事例もあります。また、仮想通貨そのものに将来性や成長性が見られる場合は、バーン後に価値が上昇傾向となる場合もあり、仮想通貨投資家にとって良い側面もあります。

次にプルーフオブバーンが実行されることで得られるメリットですが、価値の上昇とは違った魅力があります。それは、マイニングとは逆の方法で通貨を得られるという点です。こちらの仕組みも前項目で紹介していますが、既存の仮想通貨をバーンすると、枚数に応じて新しいコインが分配されます。

つまり、仮想通貨のマイニング報酬に必要な取引承認能力に関係なく、通貨の保有量に応じて分配されるプルーフオブバーンは、公平性という点で優れています。また、バーンされたコインの枚数も公開されるため分配の割合の透明性も確保しています。このように仮想通貨のバーンとプルーフオブバーンで受けるメリットについても、全く意味が違いますので混同しないように気を付けましょう。

仮想通貨のバーンによる相場の底上げは難しい

仮想通貨のプルーフオブバーンは、利益目的というよりも通貨発行・分配の公平性を保つための仕組みのため、現在でもその仕組みを取り入れている事例はあります。

しかし、このようなバーンについては、一部課題も残されており相場の長期的な底上げという点では難しいといえます。バーンを行うことによって一時的に希少価値が高まりますが、そのコイン自体に将来性がなければ短期的な上昇後に急落することになります。また、実際にバーンされたコインの多くは、バーン直後に急騰しますが急落するので、結果的には、投資家が損失を被る場合もあります。

バーンを実行した仮想通貨

バーンを実行した仮想通貨は、例えばFlikという仮想通貨があります。Flikは、バーン実施の発表をしてから当日まで上昇相場を形成し、実施直後に急落しました。このように、仮想通貨のバーンを実行したからといって、上昇する訳ではなく中にはバーンの発表時点でホールドする方もいます。

従って、仮想通貨のバーンで利益をだすためには、バーンを発表した直後に分析し値上がりが期待できる場合のみ保有するといった方法がいいでしょう。また、バーン直後に急落するチャートパターンも過去にあるので、なるべく短期ホールドで考えるのが損失を抑えるために必要な手段でしょう。