2017年9月に公開されたCindicator(シンディケーター)と呼ばれる仮装通貨(ICOトークン)をご存知でしょうか。
平たく言えば、投資に関するプラットフォームを構築するための仮装通貨です。特に貯蓄や預金に慣れた日本人にとって、投資は難しくて取っつきづらいイメージがありそうですが、CindicatorはAI(人工知能)による機械学習と、経験豊富な投資アナリストによる知見とを組み合わせた、ハイブリッドな投資アドバイスを一般に普及させています。
そこで、ICO(新規仮装通貨公開)によって世界中の人々から資金を調達し、サービスを拡充させようとしているのです。
もちろん、CindicatorのICOトークンそのものも投資の対象になっています。Cindicatorのプロジェクトが世間で注目されればされるほど、相場価格の値上がりにも期待できますね。
Cindicator(シンディケーター)プロジェクトの具体的内容
株式や為替などに投資をする際は、将来の値動きの見通しは常に不確定です。不確定な中でも、チャートの形状やインジケーターなどから、他の投資家たちの心理を読み解きながら、投資判断を行っていきます。個人的な成功体験や失敗例なども参考に入れることがありますから、たとえ同じ相場に向き合っていても、その思惑は投資家ごとに多種多様といえるでしょう。
特に仮装通貨への投資は、わずかな時間であっという間に値が動くため、初心者には投資判断が難しく、短期間で大きな損失を被るおそれがあります。株式やFXなどで、ある程度投資になれた人でも、仮装通貨は2010年以前には存在しなかった投資商品であるため、過去の成功体験や常識などが通用しない部分もあります。
このような投資に関する高いハードルを少しでも下げるために企画されたのが、Cindicatorプロジェクトです。
投資支援プラットフォームであるCindicatorの特性は、プロのアナリスト(人間)の予測と、AI(人工知能)による機械的な予測を組み合わせている点です。人間の勘に頼りすぎず、かといって、コンピュータが導き出すロジックにも偏らず、双方のいいところを組み合わせながら、各投資家にとっての最適な判断をサポートします。
投資は勉強しなければ安定的に勝てませんが、理屈ばかりを並べても、また勝てなくなります。Cindicatorが、デジタルとアナログのうまいバランスを取ろうとしている姿勢は、まさに投資の本質を突こうとしている試みといえるでしょう。
Cindicatorのプロジェクト自体は2014年から始まっているので、ICO案件の中ではビジネス的な実績があり、注目されています。
Cindicatorが展開している投資判断支援サービスには「Collective Intelligence Platform」「CindicatorBot」「Cryptometer」があります。
Collective Intelligence Platform
Collective Intelligence Platformは、為替・株式・仮想通貨などの将来チャートを予測するために提供されるプラットフォームです。単にCindicator Platformと呼ぶこともあるようです。
「仮想通貨のLiskは、Binanceで0.0007199 BTCを上回ることはありますか?」や「S&P500先物は、2週間後までに2690米ドルを下回るタイミングがありますか」など、ユーザーが思い思いに投資に関する質問をサイト上へ投げかけています。
これを、他のユーザーが0%~100%という数値で回答するのです。「0~49%なら下降トレンド、51~100%で上昇トレンド」という回答の仕方もあります。根拠は必ずしも書き込む必要はありません。
この回答が将来の実際の値動きに近くて正確だと、プラットフォームに貢献したものとして、報酬が渡されます。仮装通貨のイーサリアムで報酬をもらえるようですが、将来的にはCindicatorトークンも報酬に活用されることでしょう。
これらの回答は、ビッグデータとしてAIに読み込ませ、将来的に自動相場予測(CindicatorBot)の精度を引き上げる目的で使用されると考えられます。
CindicatorBot
プロだけでなく、アマチュアも含めた投資家・金融アナリストたちが、Cindicator platformに投稿された何千、何万もの質問に答えて、膨大な相場予測を行っています。
これらの予測の蓄積をビッグデータとしてAIが分析し、Cindicatorユーザーに対して投資に関するアドバイスを自動的に送信するサービスです。
人間による予測をベースにしているので、AIが人間心理をも併せて解析することになります。最近でこそ、チャートやインジケーターを機械的に解析して、トロール注文などで売買を行う自動売買ツールが相場に参加し始めています。しかし、相場参加者のメインは、将来も当分の間、人間の投資家であり続けるでしょう。
世界中の投資家たちの裁量の集積が相場を動かす以上、チャートの機械的分析だけでなく、「こう動いてほしい」という投資家の思惑までビッグデータで集めるCindicatorBotの試みには、大きな意義があると考えられます。
Cryptometer
複数の仮装通貨取引所の相互間で生じた、取引価格のズレを利用して売買するアービトラージ(裁定取引)と呼ばれる投資を支援するツールです。
価格差は数分ほどで埋まってしまうこともあるため、そのチャンスを人間の目で見つけ出すのは困難です。人力でアービトラージの成功率を高めるには、粘りや運も左右します。
たとえチャンスを発見できたとしても、安く売られている取引所で買い、高く買われている取引所の口座へ送金して売る、という手続きを手動で行っていると、間に合わずに損を出す危険性があるのです。そのため、価格のズレを機械的に検知して知らせるツールには、アービトラージを愛好する投資家の間で大きな需要があると考えられます。
Cindicatorトークンの具体的内容
このような投資支援サービスを提供するCindicatorですが、Cindicatorトークンの単位(略称)は「CND」で、トークン発行上限は20億CNDと設定されています。
CNDは、世界最大級の仮装通貨取引所であるBinance(バイナンス)にて、2017年末に初めて上場され、注目を集めました。一般にICOでは、まだプロジェクトが影も形もない状態でトークンが発行され、資金調達されることが多いのです。
そんな中、Cindicatorは、当時からすでにプラットフォームがネット空間上で実際に動いている状態でした。投資に関するインターネット上の新興インフラとして、確かに実態が伴うICOプロジェクトであると確認されたために、Cindicatorトークンの取引も活発になったのです。
すべてのCNDトークン保有者(トレーダー・投資家・相場予測アナリスト・データ研究者・Cindicatorチーム)は、このブロックチェーンによる分散型投資エコシステム、Cindicatorの構築に参加することができます。
また、トークン保有者はCindicatorの提供する相場分析サービスへの特別なアクセス権を取得することができます。アクセスのレベルや、利用可能な製品とツールは、トークンの保有数量によって異なります。
CNDトークン保有数は、それぞれの保有者がCindicatorに対してどのような役割を果たしているか、あるいは分散型エコシステムにどれほど積極的に参加しているか、によって変化します。Cindicatorへの貢献度が高いユーザーには、Cindicator運営当局からCNDが付与されたり、他のユーザーからCNDが贈与されたりする可能性があります。
もちろん、Binanceなど、CNDの取り扱いがある仮装通貨取引所で公的に入手することも可能です。
なお、類似の呼び名の仮想通貨に、「Syndicate(シンジケート)」があります。これは、企業のオーナーが、自社の在庫や経費、売上げなどを管理する目的で創られたトークンです。Cindicatorと間違えやすいですが、別物ですのでご注意ください。
Cindicatorでは、CNDトークンも投資対象として注目されていますが、提供されている投資支援サービスそのものも将来性の高いものです。そもそもICOに参加していて、投資に興味がない人はまずいないでしょう。
仮想通貨だけでなく、株式やFX、先物取引などの従来型投資もカバーしていますので、今後ますます投資を極めたい方は、CNDトークンを取得して、Cindicatorを積極的かつ有利に活用してみてはいかがでしょうか。