仮想通貨のICO(Initial Coin Offering、イニシャル・コインオファリング)には多くの投資家が注目し、日々、研究していることだと思います。株式でいうところの「IPO」に匹敵するもので、これから開発やリリースを検討しているプロジェクトが資金調達の手段として利用します。投資家目線でいえば将来有望なプロジェクトや技術を持ったグループのICOに参加し、将来的に価値が上がるかを賭けるわけです。

しかし、現状のICOの8割、9割は詐欺まがいのプロジェクトと言う現状もあります。簡単な事例をあげれば資金調達後にプロジェクトを意図的に消滅させるなどです。もちろん、将来有望なプロジェクトもあり、ICOを使ってメジャーになったものにはイーサリアムも含まれています。仮想通貨やそれに関連するプロジェクトだけではなく企業や自治体までもがICOによる資金調達をするようになりました。その中で日本初のICOプラットフォームである「COMSA(以下、本文中ではコムサ)」には注目が集まっています。今回はどのような特徴を持つプラットフォームなのか解説していきます。

仮想通貨COMSA(コムサ)の概要

はじめにコムサは仮想通貨の名称ではなく、プラットフォームの名称として「COMSA」と名付けられています。どのようなプラットフォームかと言えばICOプラットフォームとしてトークンを発行し資金調達に利用できるようになっています。

コムサを開発したのは国内の取引所「Zaif(ザイフ)」を運営するテックビューロです。国内の企業、しかも取引所を運営しているテックビューロと聞いてコムサへの安心感が一気に高まったのではないでしょうか。コムサもICOを利用した資金調達を行なっていて109億円の調達に成功しています。109億円という資金調達規模は世界でも7位、日本では2位の規模となっています。それだけコムサに期待する投資家が多かった証でしょう。

ICOのプラットフォームはすでに出来上がっており、わざわざコムサができなくても良いのではないかと思うかもしれません。しかし、コムサが生まれたのは企業とブロックチェーンをつなげるパイプ役を担おうと考えられたからです。現在、株式上場以外にもクラウドファンディングによる資金調達も可能です。ICOに関しても様々な企業が参加を目指していますが法的な問題や技術的な問題により断念しているケースもあります。そこでコムサが企業とビットコインやイーサリアムのブロックチェーンをつなぐ役割になろうとしているのです。

仮想通貨COMSA(コムサ)の特徴

コムサには4つの特徴があり、どれも今後に期待感の持てるようになっています。一つ目は「企業のICOが可能になる」ことです。コムサの大きな目玉の一つですが、企業がトークンを発行し、資金調達しますが査定をコムサが行うことで投資家側にすると信用が担保されます。発行されたトークンを購入するときにはコムサトークンを使うとメリットがあり5%のボーナスが付与されたりします。

コムサトークンには「CMS:ETH」と「CMS:NEM」の2種類があります。表記を見てお気づきかもしれませんがブロックチェーン技術にイーサリアムのものかネムのものかという違いであってコムサトークンであることには変わりありません。

二つ目は発行したトークンが簡単に使えることです。ICOを行うときのトークンはイーサリアムだったりビットコインのブロックチェーンで発行します。ですから、そのブロックチェーン上でしかやりとりできないのが難点でした。コムサはその問題も解決し仮想通貨とトークンの交換をスムーズに行うことができます。Mijinと呼ばれる管理者が単独のプライベートブロックチェーンとビットコインやイーサリアムなど管理者不在のブロックチェーをつなゲルことができるのです。これが「COMSA CORE」と言うコムサの中核になる機能です。

三つ目の特徴としてCOMSA COREを使って法定通貨や仮想通貨トークンのペッグが可能となり、日本円とビットコインと言った法定通貨と仮想通貨、ビットコインとイーサリアムなどの仮想通貨と仮想通貨の価格を固定。さらに企業が発行したトークンとビットコインと言ったトークンと仮想通貨の価格を固定することでボラティリティが高い点が弱点とされていた仮想通貨の問題を解消していきます。

以上の特徴を踏まえると手数料を削減できると言う四つ目の特徴も出てきます。複数の仮想通貨を円滑にやりとりできるようになるので、仮にイーサリアムしか持っていなくても価格が固定されるやりとりが可能なコムサを使えばネムに変換してだれかに送金することも可能となります。通常であればイーサリアムをネムに交換してから送金するという手順に手数料が複数かかります。その一部分を削除できるので手数料を安くできるのです。

このように、法定通貨や仮想通貨、トークンの垣根をなくし上手くつなげる役割を果たすのがコムサというプラットフォームになります。ICOに関しては包括的なサービスが提供されています。

仮想通貨COMSA(コムサ)のメリット・デメリット

日本初のICOプラットフォームとしてトークンを発行し資金調達に利用できる仮想通貨COMSAコムサの特徴が見えてきたところで今度はメリットとデメリットを解説します。まずは、コムサのコンセプトでもあるICOに関してハードルが下がることです。これは日本での話にはなりますが詐欺案件などの横行もあった従来のICOでしたがコムサではテックビューロが審査をしっかり行うこと信頼のおける案件が多くなり安心して投資できるようになります。「怪しいもの」と言ったイメージを払拭できるのはコムサの大きなメリットです。さらに、コムサトークンを使えば追加ボーナスもあるので利用価値は高まるでしょう。

一方でデメリットは結局のところICOは投機目的になっていることです。投機需要が大きければICOで失敗した時のリスクが高くなります。将来的に価値のあるプロジェクトなのかが重要になってもきますし、案件が中止になれば投資家には不安を与えコムサの利用価値の低下にもつながってきます。

実際、クラウドファンディング事業で有名なキャンプファイヤーはコムサを使ったICOを予定していましたが突如中止に至っています。プレミアムウォーターも同様でICO予定の削除がなされました。ICOプラットフォームである以上は投資家に与える不安な要素をいかになくせるかもポイントになります。それからトークンに上限がないのも気になる点です。

コムサのICOではトークンを販売した後、購入量と同数追加発行されます。例えば1億円の購入があればセールが終わったのと同時に1億円分のトークンが発行されます。トークンが増える結果になるのでトークンの価値が下がることを意味します。現状として取引にしか使われていないと考えれば価値の面でも不安が残ります。

今後の仮想通貨COMSA(コムサ)

コムサは2018年の終わりまでにICOによる資金調達で50億ドルに達すると開発陣は予想しています。ICO案件では20件以上を行なって合計1億ドルの調達を狙っているとのことです。案件の内容としても単なる資金調達だけでは却下していく方針でトークンに何かしらのメリットを付与しなければいけません。これにより投資家は企業や分散型アプリケーションでサービスを受けられるになります。株主優待に似たようなイメージでしょう。

ICO予定ではLoop、CMJ、メタップス、CYBERLAB9などがあります。少しだけ紹介するとLoopはマイニング事業と発電事業の拡大からICOを予定していてCMJとテックビューロの3社が上手く協力しながらマイニング事業を行なっていく予定となっています。メタップスは経済と時間の再開発を目指しているタイムバンクのICO予定があります。

CYBERLAB9はデジタルメディア企業で数多くの受賞歴を持ちます。ICOの資金調達でゲームエンジンやVR/ARプラットフォームの機能である「vCommerce」の実装を予定しています。これらはコムサを利用したICO案件は国内に限らず海外の企業に対しても誘致が行われています。今後どれだけ案件を確実にこなしていくか注視しながら見守りましょう。