仮想通貨投資を始めた方の多くは、どの値段が上がるかといったことやICO案件について注目しているでしょう。しかし初心者でも、仮想通貨を支えるブロックチェーン技術について基本的な仕組みは理解しておくと、投資にもメリットとなるでしょう。一見すると、仮想通貨投資とブロックチェーン技術は、違う分野というイメージもあります。しかし、ファンダメンタル要因やプロジェクト内容には、ブロックチェーンの仕組みを活用したシステムやブロックチェーン関連の情報は入っているので、ブロックチェーンの基本的な仕組みは理解しておかないと投資判断にも影響があります。

そこで今回は、仮想通貨投資初心者の中でもブロックチェーンに関して、これまで興味・関心が無かった方に向けて、ブロックチェーンの基本的な仕組みをわかりやすく解説していきます。また、マイニングやビットコインに実装されているブロックチェーン、近年ブロックチェーンを活用したシステムについてもわかりやすい表現で解説していきます。

仮想通貨投資に必要なスキルは、テクニカル分析やファンダメンタル要因だけでなく、ブロックチェーンというシステム面についてもです。

ブロックチェーンの基本的な仕組みはわかりやすい

仮想通貨投資を始めた方の多くは、エンジニアやプログラミングに興味・関心があるということではなく、投資対象として考えている側面の方が大きいでしょう。また、ブロックチェーンの仕組みに興味が湧いたけれど、高度な内容でブロックチェーンの基本的な仕組みも覚える事を断念するケースもあります。

確かに、ブロックチェーンの仕組みをエンジニアが覚えているレベルまで、理解しようとするのは非常に難しく、ブロックチェーンは専門的な知識を長い期間をかけて勉強する必要があります。ですので、仮想通貨投資初心者や、投資のみに興味がある方はブロックチェーンの仕組みまで手が出ないといったことになります。

しかし、ブロックチェーンの仕組みを、仮想通貨投資家向けに基本的な部分をわかりやすい表現で解説している事例も増えています。そこで、ここではまずブロックチェーンの仕組みをわかりやすい表し方で、基本中の基本の技術を説明していきます。また、これからブロックチェーンの仕組みについて、覚えようと考えている方は、プログラミングや高度な技術といった概念を取り除いて、ブロックチェーンを柔軟な発想で受け入れることが理解できるポイントです。

まず、ブロックチェーンの仕組みについて押さえておきたいポイントは、非中央集権方式と分散型取引台帳という言葉です。

ブロックチェーンの仕組みをわかりやすいイメージで表現すると、ブロックチェーンという文字通りチェーンのようにデータが連なっている状態です。既存のシステムというのは、システムを管理するための中央サーバが稼働していて、そのサーバやユーザーの利用状況を管理・保護する役割の人が存在します。

対して、ブロックチェーンの場合は、中央サーバが存在せず世界中のブロックチェーンを利用しているユーザーの端末をチェーンのように繋げて、データの管理や取引を行います。更に、データの管理はプログラムで行うので、人の手で管理や修正の必要がありませんし、ブロックチェーンに取引履歴が残るため改ざんも非常に難しいです。このような仕組みからブロックチェーンは非中央集権方式と呼ばれています。

また、分散型取引台帳の意味ですが、英語でブロックチェーンのことを指しており、分かりやすい表現にしますとシステムを利用している人、みんなで管理し合うというイメージです。また、非中央集権方式やマイニングと密接な関わりがあります。

次の項目でも紹介しますが、ブロックチェーンの仕組みにはマイニングが実装されており、一見すると難しいイメージがありますが、わかりやすい覚え方があるので身構えずに理解することが大切です。また、マイニングで報酬を得たいと考えている方はブロックチェーンの仕組みを知っておく必要があります。

ブロックチェーンの仕組みに欠かすことができないマイニングシステム

次は、前述で触れたマイニングの仕組みについて、わかりやすく解説していきます。マイニングは、初心者でもある程度、意味や仕組みについて理解している方もいるでしょう。

ブロックチェーンの仕組みには、分散型取引台帳がポイントと説明しましたが、もう少し詳しく説明しますと、ブロックチェーンは箱が用意されていて、その箱に取引データやユーザーデータなどが格納されています。更に、ブロックチェーンの箱は鎖のように前後の箱と繋がっており、例えば10分に1回先頭の箱に対して承認作業が行われ、その承認が完了してから送金作業や取引が実行されます。

ですので、ブロックチェーンのデータのやり取りは、承認作業が処理速度や容量に大きく関わります。また、取引のブロックチェーンの承認作業には、計算処理が必要なのですが膨大な量となっているので、数台のパソコンでは処理が追い付きません。そこで、ブロックチェーンの開発者達は、承認作業の仕組みに工夫を施しました。

その仕組みというのが、ブロックチェーンの承認作業を行ってくれるユーザーの協力を得るというもので、これがマイニング作業と繋がります。マイニングの作業は、システムから提示された計算処理を行い、その処理能力が全マイニング作業者の内上位に入った場合に、承認作業が認められます。そして、取引承認作業の報酬として新たに発行された仮想通貨が報酬として受け取ることができます。

ビットコインで実装しているブロックチェーンの仕組み

前述でブロックチェーンのマイニングの仕組みについて解説しましたが、マイニングにはPoWやPoSなど様々な種類の承認方式が採用されています。そこで、ここではビットコインで実装されている、マイニング方式について解説していきます。

ビットコインで採用されているマイニング方式は、PoWという仕組みです。プルーフオブワークの略称で、ブロックチェーンのマイニングとして初めて開発された方式でもあります。PoWの仕組みは、取引承認の権利を得る為の計算処理を各マイニング作業者に向けて提示し、マイニング上位に入った作業者が取引承認及びブロック生成処理を行います。そして、報酬として新規発行のビットコインを受け取ることができます。

ブロックチェーンのマイニングといえば、PoW方式が有名ですがメリット・デメリットも存在しています。メリットは、誰でもマイニングに参加することができるので、マイニングよるビットコイン報酬を得られる機会があります。

対してデメリットは、ビットコインの取引承認を得るために処理能力を向上させた、マイニング専用マシンが必要となっている点です。処理速度が、報酬を得る基準となっているので、徐々にマイニングの難易度が高くなっています。

ブロックチェーンを使って送金を行う仕組み

ブロックチェーンの仕組みを応用して行われている実用的なシステム開発ここまでブロックチェーンの基本について、いくつか説明してきましたが、送金を行う際の流れや仕組みについても簡単に説明していきます。冒頭で解説した分散型取引台帳や、取引承認を使って送金を行っているので、それらの仕組みや意味が理解できていれば比較的わかりやすいでしょう。

ブロックチェーンの仕組みを使って送金を行うために、ブロックチェーンには取引データとハッシュ、ナンスが格納されています。ハッシュとは、データを暗号化した数値のことで、ナンスは次のブロックチェーン生成に必要なデータのことです。これらを格納したデータを、マイニングによって承認され、送金先の端末へ贈られます。そして、マイニングつまり取引承認作業に対して、送金手数料が掛かります。

これが、ブロックチェーンを使った送金の仕組みを、簡単に表したものです。

ブロックチェーンの仕組みを応用してシステム開発が行われている

近年ブロックチェーンの研究が進み、様々な分野へ応用できることが分かってきました。そこで、仮想通貨を開発しているチームや、企業はブロックチェーンの仕組みを応用してプラットフォームの開発を始めています。

代表的な応用例では、イーサリアムのブロックチェーンが有名です。イーサリアムのブロックチェーンでは、スマートコントラクト機能が実装されており、自動契約機能を組み立てることが可能です。応用方法としては、コンテンツ制作の際に仲介会社や販売会社を介さず、ブロックチェーンのプラットフォームを利用してユーザーへコンテンツを届けるケースです。スマートコントラクトの自動契約機能では、コンテンツの販売から契約までをブロックチェーンで一括で管理できるので、クリエイターはコンテンツ制作に集中することが可能です。