仮想通貨の種類は2018年時点で、1500種類以上発行されています。そして、仮想通貨市場も活発化しており、出来高は増加傾向です。そんな中、最近仮想通貨投資を始めた方で、ビットコイン以外の通貨で取引してみたいと考えることもあるでしょう。しかし、初心者の多くは、国内の仮想通貨取引所を利用している事情も考慮した場合、20種類程度から選ぶことになります。
ビットコイン以外で、国内の仮想通貨取引所にて取扱っている通貨は、イーサリアムやリップル、イーサリアムクラシックやビットコインキャッシュなど様々です。また、ビットコイン以外の仮想通貨で取引してみようと考える方の中には、プラットフォームなどシステム開発系の通貨ではなく、シンプルに決済や送金手段として用いられることを目的とした仮想通貨を選びたいという事もあります。
そこで今回は、ビットコイン取引に慣れてきて、2つ目の仮想通貨を選んでいる方へ向け、仮想通貨ライトコインの概要や特徴と将来性などについて分かりやすく解説していきます。
ライトコインの概要
ライトコインは、2011年10月7日に発行された比較的歴史のある仮想通貨です。ちなみにビットコインは、2009年に発行されているので、仮想通貨黎明期に誕生した通貨に分類されます。通貨の名称はライトコインで通貨単位はLTCです。通貨発行上限枚数は、8400万枚とビットコインの4倍となっています。なぜ、ビットコインの通貨発行枚数に対して4倍かといいますと、ビットコインに残されている課題を解決した仮想通貨として開発されたからです。後述でも詳しく解説しますが、ビットコインは金、ライトコインは銀ともいわれています。
この比喩表現が意味するところは、ビットコインと似た性能を持つ仮想通貨ということを表しています。しかし、機能性については改良されているので、ライトコインの方が実用性に長けている部分があります。
ライトコインの取引承認方法
次に取引承認方式ですが、PoW方式を採用しておりビットコインと同じです。PoWとはプルーフオブワークスのことで、マイニング上位者が報酬として新規発行通貨を得ることができます。また、マイニング上位者が、取引承認を行う方式でもあります。従って、マイニングを行うマイナーにとっては、通貨を得る為にマイニング専用マシンを用意するケースが主流です。
PoWは、マイニングつまり取引承認の権利を得る為のルールとして、システム側から与えられた計算処理をいかに早く処理したかによって判断されます。そして計算処理には、CPUなどの性能が大きく関わっている為、次第にマシン性能を上げるようになっていきました。その結果、マイニング上位者のうち個人はマイニングマシンを自作し、企業はマイニング専用マシンを大規模設備で対応しています。また、取引承認時間は2,5分で1回のブロック生成が行われます。
時価総額は、約1,5兆円となっており時価総額ランキングが5位前後を推移しています。従って、仮想通貨の中でもメジャー仮想通貨に分類されています。ライトコインはアメリカで誕生したこともあり、特にアメリカで人気の仮想通貨となっています。ライトコイン開発者のCharlie Lee氏で、ビットコインのファンでもあります。
ライトコインの特徴
続いてはライトコインの特徴について解説していきます。ライトコインは、ビットコインの課題を解決した仮想通貨ということもあり、通貨としての機能性が改良されている点が多いです。また、ビットコインがハードフォークした際に、ビットコインキャッシュが発行されましたが、ビットコインキャッシュとライトコインも機能が似ているため比較されることが多いです。
ライトコインの特徴1つ目は、取引承認時間がビットコインと比較して4倍のスピードで処理される点です。ビットコインの課題の1つが、取引承認時間すなわちトランザクションが10分と時間が掛かる点でした。人によっては、10分でも実用性があると考えますが送金処理に10分間待たなければならないとなると、ビジネス上や仮想通貨投資では少々デメリットとなる時間です。
その点、ライトコインはトランザクションの時間を、2,5分におさえたことで格段に送金処理がスムーズになりました。リップルの5秒には劣りますが、一般的な利用を想定した場合は実用に耐えうる承認時間といえます。
2つ目は、送金処理に伴う送金手数料コストが安い点です。こちらもビットコインで課題となっていた部分で、1回の送金手数料に約2000円の負担が掛かっていましたが、ライトコインは1回の送金手数料が約30円まで抑えられています。
ビットコインでは、1回の手数料が約2000円でしたので、500円といった少額送金の際は手数料コストの方が上回る状況でした。こうした背景を考えると、約30円という送金手数料で済むライトコインは、今後店舗などでの決済手段としての将来性も感じるでしょう。
3つ目は、ブロックチェーン技術にセグウィットを導入している点です。ビットコインの課題は、ユーザー数増加に対して、1ブロックの容量が小さいため取引処理の遅延などが危惧されていました。そこで、ライトコインでは、セグウィットと呼ばれるシステムを導入したことによって取引処理の遅延問題を解消しています。
セグウィットの流れを簡単に説明しますが、一般的なブロックチェーンは1回のブロック生成及び取引処理に、取引に関するデータ全てが格納されています。しかし、セグウィットの場合は、取引に関するデータと署名データを切り離します。そして、ライトニングネットワークによって、取引に関するデータを送金先のユーザーではなく、第三者のユーザーに暗号化された状態で処理を行う流れとなります。また、第三者は暗号化された情報を扱っているので、その内容については閲覧・改ざんすることはできません。あくまで計算処理を行うだけです。
このシステムのおかげで、トランザクション時のデータ容量に空きがでるため、更に多くの取引処理を実行することが可能となりました。また、ライトニングネットワーク技術については実験段階ですが、成功しているので、この点についても将来性が期待できるシステムといえます。
ライトコインの将来性
ライトコインの将来性についてですが、2018年以後も新たなシステム導入や企業との提携が予定されています。1つ目は、ライトパルサービスについてです。ライトパルサービスとは、いわゆるペイパルのようなサービスで、ライトコインの決済や送金がスマホなどで対応するよう考えられています。サービスの開始時期は、2018年末頃となっており将来性を感じさせる内容と言えます。
2つ目は、2018年2月からサービスが開始されている、ライトコインのデビッドカードサービスといえるライトペイについて将来性が期待されます。一般的にクレジットカードによる決済を行うと、店舗側に3%手数料が発生するのですが、ライトペイを導入すると手数料を1%まで抑える事ができます。従って、企業がライトコインを活用するきっかけとなる可能性があり、今後の利用拡大に繋がるでしょう。
3つ目は、海外の大手企業Aliant Payment Systemsが、業務の一部にライトコイン決済を導入することを発表しました。導入の時期については、未定となっていますが企業がライトコインを導入する事例ができたことでも価値上昇の大きな一歩といえます。こちらも将来性に期待できる情報です。
また、他にも企業がライトコインを導入する動きがあり、ライトコインのプロジェクトチームも対応できるよう準備を行っています。企業による利用は、将来性に大きく関わる事象なので、これからライトコインを利用する方は企業の導入などについても注目するといいでしょう。