仮想通貨取引を始めて、現物取引に慣れてきたらビットコインやイーサリアム以外にも様々な銘柄で取引してみたいと考えるでしょう。または、取引方法に関しては幅を広げていきたい、という場合もあります。

様々な種類のアルトコインを取引する事については、日本の取引所や海外の取引所で口座開設すれば、比較的簡単に取引ができます。従って、日本取引所を使えば初心者の方でも悩むことなく他のアルトコイン取引ができます。しかし、後者の取引方法については、仮想通貨取引のルールや仕組み自体が、それまで行ってきた方法と全く違いますので、海外の取引所を利用する場合は注意が必要です。

また、それだけでなくそれぞれの取引所によっても条件が違いますので、取引所の選び方についてポイントを押さえる必要があります。従って、取引方法について新たに覚えることと、取引所ごとの特徴の2つを知ることが大切ということになります。

そこで今回は、国内の取引所でも取り扱っているサービス、仮想通貨FXの特徴から取引所ごとの特徴や気を付けるべき点について説明していきます。仮想通貨FXは、現物取引と違いレバレッジや追証の有無など取引所ごとの違いがあるので、それぞれの取引所におけるポイントを押さえることが必要です。

仮想通貨FXの特徴

まずは仮想通貨FXの特徴について分かりやすく説明していきます。仮想通貨FXとは、現物取引と同様に取引方法の1つですが、FXは現物取引と違って仕組みや資金の流れについて大きく違いがあります。

まずは、FXの特徴としては、買い注文と売り注文どちらからでも、注文を入れることができる点が挙げられます。初心者の方は、FXの「売りと買いができる」という点を理解するのが難しいと感じることもありますが、これは仮想通貨FXの基本でもあるのでしっかり理解することが必要です。

ビットコインと日本円を例に説明します。現物取引の場合は買い注文からのみなので、日本円を元本としてビットコインを購入します。例えば1BTC=100円で1BTC購入する際は、100円と交換します。そして、売り注文を入れる時は、1BTCを売却して日本円を買い戻します。この時に、1BTC=100円より上昇していれば、利益が発生します。また、購入したビットコインは売るだけでなく決済や送金、他のアルトコインとの取引に用いる事も可能です。

対して仮想通貨FXの場合も、現物取引と同様に買い注文を入れる事ができます。また、1BTC=100円の時に1BTC購入する時は100円と交換する所は同じです。しかし、FXで購入した1BTCは決済や送金、他のアルトコインとの取引に用いる事はできません。これは後述で紹介しますがFXは差金決済方式だからです。

そして、売り注文から利益を得る流れは現物取引と同様です。FXで売り注文から入れる場合は、前述と逆でビットコインを売って、日本円を買い戻します。従って、1BTCを売って100円を手元に入れるイメージです。そして、市場価格が1BTC=50円となった場合に、買い注文を入れたとします。そうすると、1BTCを購入することになるので、先程買い戻した100円を原資として売却します。

しかし、レートは1BTC=50円下がっているので、買い戻した100円のうち50円だけ売ることとなります。従って、最終的に買い戻した100円のうち50円が手元に残り、利益となります。これが、FXで売り注文から入った際の取引の仕組みと利益を得る流れです。また、初心者の方にはFXの知識や仕組みは難しい場合もあるので、まずは上昇相場で買い戻してはいけないことを覚える事が大切です。

1BTC=100円で1BTCの売り注文を入れたとすると、100円が手元に入ります。そして、1BTC=200円のレートで1BTCを購入すると、価値が100円上昇しているので先程手にした100円と、自身の元本(正確には取引所から借りた資金)から100円から差し引かれることとなります。つまり、100円の損失です。

レバレッジ・ロスカット・追証について

次に、FXを行う取引所選びにも必要なレバレッジ・追証・ロスカットについて説明します。各用語は、関連した内容なので一緒に覚えると良いでしょう。

レバレッジは仮想通貨FXの大きな特徴でもあり、自己資金の2・5・10倍などから取引ができる制度です。例えば1BTC=100円のレートで1BTC購入し、200円のレートで売却したとします。レバレッジなしでは、投入した資金と同倍率なので100円の利益ですが、レバレッジ10倍で取引していた場合は、1000円の利益となります。

また、FXにおけるロスカットとは、前述のように少額資金で大きな取引をした場合に、大きな損失を発生させることを防ぐ強制損切の仕組みです。証拠金維持率と呼ばれる、FXを行う各取引所が独自に設定した証拠金の割合を下回ると強制的に取引が実行され停止されます。

そしてFXにおける追証とは、追加で証拠金(元本)を投入しなければ、FX取引が再開できない仕組みです。ユーザー・運営共にFX取引によって大きな損失を招かない為の措置なので、ストッパーというイメージで考えると分かりやすいでしょう。

仮想通貨FX対応の取引所を選ぶ際のポイント

続いては、仮想通貨FX対応の取引所を選ぶ際に、押さえておくべきポイントを紹介します。1つ目は、前述でも仕組みを説明したFXにおけるレバレッジです。レバレッジは、2・5・10・25倍と、取引所によって様々な条件があり、倍率もFXを行うそれぞれの取引所で上限が異なります。

従って、FXでレバレッジを大きくしたい人が、レバレッジ5倍上限の取引所で取引していたら、目的と異なるので非効率的といえます。つまり、事前にその取引所が、FX取引においてどのようなレバレッジの条件を設定し、上限が何倍か確認することが大切です。自分の希望するレバレッジ比率の取引所を選ぶことが大切です。

2つ目は、ロスカット・追証に関する設定です。前述で仕組みについて説明しましたが、取引所の場合、必ずしも追証制度が実装されている訳ではなく、主に2種類から構成されています。

1つは、FX口座の証拠金の何パーセントまで損失が発生したら、強制決済を実行して追加で証拠金を入金するまで取引が停止される方法です。もう1つは、ロスカットの機能は実装されていますが、追証は無しというタイプです。つまり、強制決済はされますが、追加で証拠金を入金しなくとも次の取引ができるということです。

また、追証についても取引所によって定義が変わっていることがあります。一般的には追加で証拠金を取引所に入金することを指しますが、もう1つはロスカットが間に合わず意図せずして、大きな損失が発生した場合の取引所からの請求分を表す場合があります。

仮想通貨FX対応取引所とは

取引所ごとに取扱いが異なるのでポイントを押さえることが大切仮想通貨FXのサービスを展開している取引所を、いくつか紹介していきます。1つ目は、日本の大手ビットフライヤーが展開している、Lightning FXです。内容は仮想通貨FXで、レバレッジは1・2・3・5・10・15倍と、細かなスパンで設定されているのが魅力的です。また、取引スピードも重視されており、仮想通貨FXと相性が良い短期取引にも向いています。また、FXの取引手数料は2018年8月時点で無料です。

2つ目は、コインエクスチェンジ取引所です。対応通貨について法定通貨の取り扱いが多い点が特徴的な取引所で、レバレッジ取引については、ビットコイン・イーサリアムと法定通貨とのペア11種類で対応しています。また、取引所のレバレッジは2・4・5・10・25倍と、国内の取引所で最も上限が引き上げられています。国内の仮想通貨取引所で、レバレッジ25倍で取引したい方にはおすすめでしょう。

3つ目は、海外の仮想通貨FX対応取引所で、ビットメックスです。海外の取引所での仮想通貨FXはレバレッジの上限が非常に高く、取り扱い通貨の種類が豊富な所が魅力的です。海外取引所のビットメックスの仮想通貨FXサービスでは、レバレッジを100倍まで引き上げる事が可能となっており、国内と比較してその倍率が突出していることが分かります。

ただし、レバレッジは引き上げる程ハイリスクも付いてくるので、収支バランスを試算しながら取引しましょう。また、カルダノやイオスといった国内の取引所で取り扱っていないアルトコインも、海外取引所の仮想通貨FXで取引する事ができます。

4つ目も同じく海外の取引所で、CryptoCMという取引所です。日本ではなじみの薄い取引所ではありますが、特徴はレバレッジが200倍と世界的に見ても珍しい上限設定という点です。レバレッジ200倍の取引所なると、初心者には扱うことが難しく大きな損失リスクがあるため、仮想通貨FXに慣れている方が取引するのがいいでしょう。

ただし、200倍は上限なので引き下げて取引することもできますし、システムが日本語対応しているので使いやすいといえます。

このように仮想通貨FXのサービスを展開している取引所にはそれぞれ独自のサービスや特徴がみられるので、自身の目的や取引スタイルに合った取引所をよく確認して口座開設することが大切です。