仮想通貨は奥深く、知れば知るほど様々な通貨に対して興味・関心が湧いてきます。そして、最近取引を始めた方の多くは、基軸通貨ビットコインから取引に慣れていく事例が多いですが、取引に慣れてきた方はリップルといった他の通貨も購入しようと考えるでしょう。そこで今回は、仮想通貨初心者の人や、ビットコイン・リップルに関心がある方に向けて、ビットコインとリップルの特徴と違いについて紹介していきます。

仮想通貨と聞くと、全て決済と送金ができる共通機能を持った通貨、というイメージが湧きやすいですが、実際には用途や開発目的が全く違うものが多いです。そして、今回紹介するビットコインとリップルもスペックは勿論、開発目的や理念も違っており、興味深いものとなっています。

これからビットコインやリップルの取引を続けていく人や、詳しく研究をしてみたい方は今回の記事を参考にして通貨の定義やブロックチェーン技術について調べてみるといいでしょう。

仮想通貨とは

そもそも仮想通貨とは何かということについて知っておくと、後述のビットコインやリップルの機能に関して理解しやすくなります。まず、仮想通貨の定義についてですが、2018年時点で各国によって違います。また、国によっては仮想通貨を禁止している所や、導入を検討中の場合もあるので定義されていない事例もあります。従って、仮想通貨というものを知る上で、現状では曖昧な部分もあるということを理解しておくといいといえます。

また、2018年初頭に注目された規制に関する国際的な議論ですが、これは単純にこれらのコインを禁止にしようということではなく、前述のように各国で意見がまとまっておらず適切なルールが定まっていないといった理由から行われました。規制という言葉を聞いただけで、ビットコインやアルトコインの市場が縮小するなどという、間違った方向で考えないようにすることが大切です。

仮想通貨とは何かですが、日本の場合2017年4月に法改正された改正資金決済法の中で、電子機器で取引される、不特定多数の者とモノやサービスの売り買いができる電子的な通貨のことを指しています。分かりやすく表現すると、ビットコインのことを意味しており、改正資金決済法ではビットコインを1号仮想通貨、アルトコインを2号仮想通貨と定めています。

改正資金決済法の中でもアルトコインの定義についてですが、こちらは誰でも分かる内容で、ビットコインと交換できる通貨を指しています。元々、仮想通貨は法律が施行される前に、国内で流通しており、取引所も設立・運営されていました。従って、法改正前の位置付けは通貨と交換できる「資産」という考え方でした。

これは、法律施行よりも前に、国内でビットコインやアルトコインが流通したために明確な答えを打ち出せなかった背景などが考えられます。また、改正資金決済法が施行された後も、所得税に関する取扱いは雑所得ですので損益通算ができないことなどの面で、課題が残されています。

次に、技術的な側面から考えてみると、仮想通貨は、ブロックチェーン技術によって支えられています。そして、近年ブロックチェーン技術が通貨としての機能以外に、様々な場面で活用できることが分かってきました。そこで様々なコインを開発しているチームや、企業は決済や送金といった法定通貨と同様の利用範囲を超えて、システム開発など様々な分野への応用実験を重ね始めました。

また、このような動きが2018年頃から更に加速しており、ビットコインやアルトコインのテクノロジーが新たな局面へと突入している象徴的な出来事といえます。そして、このような、取り扱いを巡る大きな変化が、アルトコインにも波及しており、冒頭説明した通貨ごとの開発目的の違いに繋がっていきます。

仮想通貨ビットコインとは

仮想通貨ビットコインは、誰でも一度は名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。ビットコインは、2009年頃に通貨としての機能を備えた初期バージョンがリリースされ、以後2018年時点まで時価総額1位を維持しています。

また、ビットコインは基軸通貨とも呼ばれており、基軸通貨とは法定通貨ドルのように市場の中心を司る大きな影響力を持った通貨のことです。時価総額は約35兆円です。

ドルの場合は、ドル換算で価値を計算したりドルを基準とした市場を形成したり、といった事がビットコイン・アルトコイン市場でも起きており、ビットコインが上昇すると主要なアルトコインも上昇するなど基準の役目も果たしています。

ビットコインの通貨単位はBTCで通貨発行上限枚数は、2100万枚と最近発行されていると比較して少なめといえます。開発者は、2008年頃インターネット上に現れたサトシナカモトと呼ばれる、匿名の人物が公表した技術論文から始まります。

取引承認方式はPoWを採用しています。PoWとは、プルーフオブワークスの略で、多くのコインで採用されている取引承認方式です。PoWは、取引承認にかかる計算処理を分散しており、その担当者は世界中のマイニングを行うユーザーの協力の基に成り立っています。

取引承認に計算処理を行う作業をマイニングと呼び、作業者をマイナーと呼びます。そして、取引承認計算は10分に1回なのですが、その1回の取引処理は最も計算処理が速かったユーザーに割り当てられます。取引承認が行われると送金や取引が実行され、割り当てられたマイナーは報酬として新規発行通貨を受け取ることができます。マイナーのメリットは、文字通り採掘のような作業で新規発行通貨を受け取ることができることです。

仮想通貨リップルとは

仮想通貨リップルは、時価総額3位を記録している世界的にも有名なコインの1つです。通貨単位はXRPで通貨名はリップルです。発行者はリップル社が行っており、管理に関してもリップル社が行っています。リップルの通貨発行上限枚数については1000億枚と、ビットコインを超える桁数となっているだけでなく最近発行されたコインの中でも特に発行枚数が多く、それがリップルのデメリットであると考える人もいます。時価総額は約3兆円です。

リップルの取引承認方式はPoCを採用しており、どちらかと言うと、数多くのコインの中では珍しいタイプです。PoCとはプルーフオブコンセンサスの略称で、リップルユーザーの代表者といえる役割のValidatorによって取引を承認します。このように、リップルは民主的、且つ投票のような方法で承認を行っているのが特徴です。

Validatorと呼ばれる代表者は、リップルユーザーの誰もができる訳ではありません。運営元であるリップル社が管理しているUNLから選出された、リップル社に認められたユーザーのみがValidatorとなります。また、ブロックチェーンは、不特定多数が取引承認の権利持つのですが、リップルの場合は特定の代表者が取引承認を行うため、搭載されている分散型取引台帳はブロックチェーンとは別物となります。

ビットコインとリップルの違い

開発目的が全く異なるビットコインとリップルを徹底比較ビットコインとリップルの違いですが、1つ目は開発目的です。一番最初に生まれたコインであるビットコインは、名称通り決済や送金といった通貨としての基本を実装させることが目的です。対してリップルは、送金システムの開発が目的であるため、リップルとビットコインとはベースが大きく違うということになります。また、リップルの開発目的は2018年時点でも変わらず、法人向け送金システムサービスを提供しています。リップルと提携する企業は増え続けており、リップル社が提供している送金サービスを実際に取り入れる企業や金融機関が増えてきています。リップル社のリップル(XRP)を利用する企業が増えれば、リップルの価格も今後大きく上昇することが期待できます。

2つ目は、管理者の有無です。ビットコインは不特定多数の有志による開発で完成したコインですが、リップルはリップル社が開発を行い、管理もリップル社が行っています。従って、非中央管理方式という点では、ビットコインが忠実といえます。

3つ目は、取引承認方式です。ビットコインはPoW方式を採用していますが、リップルはPoC方式を採用しておりトランザクションのアプローチが全く違います。具体的には、ビットコインの計算処理上位のマイナーによる承認か、リップルのValidatorと呼ばれる代表者による承認の違いです。

ビットコインとリップルは目的が違う

最後に、ビットコインとリップルは目的や機能など、あらゆる面で大きく違いがあるので、最近ビットコインやリップルを知った人にとっては、その用途に悩むでしょう。そのような時は、ビットコインとリップルの双方の違いを冷静に分析し、投資対象として購入するのか、それともリップルの送金サービスを利用したいのか、もしくは決済手段としてビットコインを購入したいのか、目的を明確にすることがポイントです。

また、違いはありますが、ビットコインもリップルも仮想通貨として優れた機能や理念を持っているので、将来性に期待が持てます。特にリップルは送金に特化しており、開発目的が違うため、リップルもビットコインもそれぞれ市場競争にならず、独自の開拓ができるため成長しやすいともいえます。

ビットコインとリップルの違いは、根本的な部分である開発目的から違いがあり、その違いを知ることでそれぞれの目指す方向性が見えてくるでしょう。また、この機会に他の仮想通貨同士の違いについて、色々と調べてみると良いでしょう。