仮想通貨は1500種類以上もの銘柄があるといわれています。日々、その数を増やす仮想通貨のなか、コインを選ぶのはなかなか大変です。とくに初心者は仮想通貨のしくみがよくわからないままSNSやネットの情報を信じて購入して失敗するケースも後を絶ちません。
ここでは、膨大な仮想通貨のなかから2018年下半期におすすめしたいコインを3種類ご紹介します。
リップル(XRP)はシステムとコインの名称
リップル(Ripple)は仮想通貨名をXRPと呼ばれており、リップル社(Ripple Inc.)によって開発されました。リップルが紛らわしいのは、RTXPと呼ばれる送金や決済システムを指す場合とそのシステム内で使用されているコインを指す場合の2通りの意味を持つからです。
つまりリップル社の運営する仮想通貨のシステムもリップル、仮想通貨の名称もリップルであり、初心者が情報を読む場合はどちらを指しているかを注意しながらチェックするようにしましょう。
リップル社は2012年9月、アメリカのカリフォルニア州で創業されました。リップルの開発自体は2004年からスタートしており、設立後も3回社名を変更しながら現在もリップルの運営を続けています。
リップルはIoV(Internet of Vale)を目指して開発が始まったシステムです。これまでの既存通貨は国や場所、時間や空間に一定の制限がありました。お金のやりとりは為替相場に影響をされて原則的に手数料が発生します。現金を手渡しする以外、お金は銀行口座同士の振込で行われるため、場所や時間の制限がつきものです。世界全体を見渡したとき、なんと銀行口座を持っているのは人口の半分ほどにすぎないといわれています。つまり、世界中の多くの人はいまだに銀行口座でエリアや国を超えてお金のやりとりできない状況が続いているのです。
リップルはこうしたお金の取引にまつわる制限をなくす世界を目指して開発が進められました。仮想通貨なら携帯電話さえあれば世界中どこからでも簡単に取引が完結します。しかも銀行といった金融機関が間に入らないため手数料のコストも抑えられるようになります。インターネットを通じて世界中のあらゆる場所に価値を送り届けられる世界こそリップル社が目指すIoVの未来なのです。
通貨名「リップル」とシステム名「リップル」の違いと仕組み
リップルには2つの意味を持っています。仮想通貨の名前であること、そして金融・送金システム全体を指す名称であることです。どちらも「リップル」と呼び方は一緒ですが英語の略称が異なります。仮想通貨を指すときは「XRP」、システムを指すときは「RTXP」と表記します。したがって、仮想通貨取引所で相場を見たり取引する際は、「リップル(XRP)」です。
ここからは送金システムであるリップル(RTXP)の特徴やしくみをご紹介します。リップルを支えているのは「ILP」と「XRP Ledger」という独自のシステムです。ここでは、とくに重要となるILPについて詳しく解説します。
・ILP(インターレジャープロトコル)
ILPとは、通貨の種類の違いを超えて簡単に送金や決済を可能にするシステムです。
既存通貨をはじめ異なる価値のやりとりにはかならず壁があります。たとえば米ドルと日本円では通貨が違うため、アメリカで日本円をそのまま使用したり、日本からアメリカへ日本円のまま送金することはまずできません。必ず一度、相手の通貨に交換してから送金や決済を行います。お金以外のクレジットカードや電子マネーでもこのハードルは基本的に変わりません。VISAの加盟店でMasterカードのクレジットカードは使えません。またnanaco対応のみのショップでEdyは使えないといったように、異なる通貨や電子マネーを同じ物として使うことはできないのです。
通貨の種類によって送金や決済にハードルがあるままでは世界中のお金の流れをスムーズにすることはできません。そのために登場したのがILPです。ILPを使って送金すると、たとえば日本円をアメリカに送金する場合、一度RTXPのシステム内で円とドルそれぞれに相当するXRPに変換され、やがてドルで送金が完了します。つまり円からドルへと通貨の種類を変えるのではなく、価値そのものをリップルを通してもっとも無駄のないルートで変換するため無駄なくスムーズに送金できるようになります。
リップルの魅力とは
その1 国際送金の新たなシステムへの期待
世界中のお金のやりとりを迅速かつ簡単にしていくことを目指すリップルのシステムは、国際間の送金も瞬時に行うことができます。銀行間の取引はいまでも時間がかかります。国内同士の銀行振込でも30分から1時間程度タイムラグが生じるのを経験しているのではないでしょうか。
リップルの送金システムが普及すれば、通貨の種類に関わらず世界の隅々まで一瞬かつ低コストで送金が可能になります。お金の流動性を向上させることは経済活動の発展にもつながるため、世界経済全体への影響も計り知れません。
その2 名だたる企業が投資をしている
先進的な送信システムを開発するリップル社には世界中の有名企業から投資が相次いでいます。銀行や証券会社、クレジットカード会社をはじめ金融や流通関係の業界からの投資が目立ちます。
アメリカンエキスプレスをはじめSBIグループやMUFGグループ、MIZUHOグループといった世界的に影響力のアル大企業が名を連ねており、リップルの将来性を感じさせます。
リップルの相場動向
仮想通貨のなかで時価総額世界第2位を誇るリップルは飛躍的に相場を伸ばしてきたコインです。2018年7月現在のリップル総幅52円前後。今後も上昇することが見込まれています。とくに2018年9月までは高騰が予測されており、注目度の高いコインの一つです。なぜなら今年も大規模なリリースが次々と発表されているからです。たとえば、2018年3月、日本の主要ネット銀行である住信SBIネット銀行、スルガ銀行、りそな銀行の三行では、リップル社の決済システムを今年秋までに実証実験をスタートすると発表しています。
現在、銀行間の取引はいくつかの銀行を中継ぎさせるかたちで行われています。送金ネットワークの安定や安全性は確保できるものの送金コストや時間が掛かっています。そこでリップルが開発した「Ripple Connect(リップルコネクト)」というアプリを使うと銀行間の直接取引が可能となり大幅なコストダウンが実現します。
今後もリップルの将来性に期待が掛かる
リップルは世界中の送金取引をシンプルかつ低コストで行う未来を切り開こうと開発された送金先システムです。送金システムのリップルと仮想通貨としてのリップル。ふたつのリップルによって世界の送金や決算の状況がいま大きく変化しようとしています。
独自に開発したILPをはじめリップルならではの独創的な技術は日本の銀行の送金システムも大きく変えようとしていたり、個人レベルでは携帯電話さえあればこれまで以上にいつでも気軽に世界のそこでも送金できる可能性を持っています。リップルは時価総額トップクラスの巨大な影響を持つ仮想通貨として、今後も世界の金融システムを大きく変えることが期待されています。著名な仮想通貨の中でも今後も安定した価格上昇が見込めるコインの一つといえるでしょう。