最近仮想通貨取引について興味や関心が湧いてきたけど、使い方や安全性について分からない事が多くて取引まで進んでいないという方もいるのではないでしょうか。国内の仮想通貨市場は年々増加傾向で、一見すると飽和状態に見えますが実際は国内だけでなく海外でも成長市場となっています。従って、今後も国内において取引は活発に行われることが予想されますし、国内外企業などの参入も行われているので更に需要が高まることが期待できます。
このような状況もあってか、冒頭のように仮想通貨取引に興味が出てきているケースもあるでしょう。しかし、同時に取引所の使い方や特徴、昨今のハッキング事件などによって安全についても色々と知ってから始めたいという方もいます。そこで今回は、投資を始めたいが、仕組みや様々な特徴について知りたい方に向けて、国内外の取引所の仕組みと特徴から、仮想通貨の保管や管理について分かりやすく解説していきます。
仮想通貨取引所というと、その仕組みや運営について良く分からないというイメージもありますが、基本から理解すればリスクとリターンについて、客観的な視点で分析することもできるでしょう。
国内の仮想通貨取引所はメジャーな仮想通貨のみを取り扱っている
まずは、国内の仮想通貨取引所の仕組みについて、分かりやすく解説します。1つ目は、基本についてですが、前提として仮想通貨取引という側面で見た場合は、必ずしも取引所を使ってしか取引ができないわけではありません。直接ユーザー同士が、仮想通貨の取引や送金ができますし、海外では個人で取引の仲介を行っているケースもあります。
しかし、ユーザー同士が直接取引するとなると、専門的な技術とソフトが必要となり国内では初心者だけでなく、システム関連の知識がない方には厳しい環境です。また、海外では仲介業務を行っている、個人業者も存在しますが送金した仮想通貨を盗難されるなど、危険な側面が多いので避けた方がいいでしょう。
そこで、国内では企業などによって立ち上げられた仮想通貨取引所を利用するのが、一般的な取引方法といえるでしょう。ここには、独自の市場が形成されていて、販売所と取引所の主に2つの機能が備わっています。
仮想通貨取引所の販売所とは、取引所が取り扱っている仮想通貨を購入する場所です。価格は、取引所よりも割高になっていますが、注文を発注してから約定するまでのタイムラグがないので、今仮想通貨が欲しい方におすすめです。対して、仮想通貨取引所の取引所は、運営元が市場を形成して、その中でユーザー同士が取引する場所です。指値注文が可能なので、希望価格を提示することができます。注文が約定するまで時間が掛かることが多いですが、安く買って高く売るという取引の基本を実行するためには取引所を用いるのが一般的です。
国内の認可済み仮想通貨取引所は、2018年9月時点で12取引所となっています。ビットフライヤーやザイフ、ビットバンク、SBIバーチャルカレンシーズ、ビットポイントジャパン、テックビューロ、QUOINE、GMOコイン、DMMBitcoin、ビットトレード、フィスコ、BTCボックス、ビットゲートとなっています。
しかし、金融庁の行政指導によりビットフライヤーなどは、自主的に国内外の新規口座開設を停止しています。金融庁は、登録作業の再開を発表しているので、今後徐々にではありますが国内の新規仮想通貨取引所の立ち上げや大手仮想通貨取引所の口座開設再開などが期待されています。
国内の仮想通貨取引所の特徴は、いわゆるメジャー仮想通貨のみを取り扱っている点にあります。メジャー仮想通貨とは、ビットコインやイーサリアムなど時価総額10位以内の通貨を指します。メリットは、出来高が常に一定数以上あるので、相場環境が仮想通貨の中でも比較的安定している銘柄に投資できるといえます。対して、デメリットは世界的に注目されているけれども、時価総額はまだ低いマイナー仮想通貨などに国内では投資できないという点が挙げられます。
海外の仮想通貨取引所は100種類以上の仮想通貨を取り扱っているケースもある
続いて、海外の仮想通貨取引所の特徴を、分かりやすく解説していきます。海外の仮想通貨取引所も国内のそれ同様に、取引所と販売所の2形態あります。一方で国内との大きな違いは、取り扱っている通貨の数と入金対応している通貨、そして口座開設のプロセスです。
1つ目ですが、海外の仮想通貨取引所は、20種類や100種類以上の仮想通貨を取り扱っている事例が多く、発行されたばかりの仮想通貨へ投資することもできます。ちなみに国内の仮想通貨取引所は、10種類前後なので、その違いが分かるでしょう。
バイナンスなどが代表的で、数多くの新規仮想通貨やマイナーな仮想通貨を取り扱っているので、世界的にも注目される機会が多いです。
2つ目は、入金に関することで、一見すると分かりにくい部分ですが国内と違い、海外の仮想通貨取引所は日本円に対応していないので、国内の投資家は入金対応している仮想通貨を購入する必要があります。
3つ目は、口座開設がメールアドレスの登録のみで、即日開設が可能という点です。海外のそれ全てということではありませんが、多くの取引所でメールアドレスのみの登録方式を採用しています。国内の場合は、必ず本人確認書類の提出が必要なので、数日掛かります。一方海外の仮想通貨取引所は、即日で口座開設できるので、スムーズですがセキュリティ面では国内の取引所に信頼性があるといえます。
海外の仮想通貨取引所といえば、バイナンス、ビットトレックス、クーコイン、ビットメックス、フォビなどが代表的です。取引所の信頼性や英語表記といった点は国内の仮想通貨投資家にとってデメリットですが、レバレッジが100倍や取引所が発行した仮想通貨など、様々な独自サービスを展開しているので、国内だけでなく、海外の仮想通貨取引所も視野に入れるといいでしょう。
仮想通貨取引所のセキュリティなどの安全性
仮想通貨の取引を検討している方が疑問に感じている所といえば、安全面はどこまで対策が取られているのかということでしょう。2018年1月に起きた、国内の仮想通貨取引所コインチェックがハッキングされて、仮想通貨ネムが大量に流出した事件は記憶に新しいです。この事件以降、仮想通貨に興味があった方も安全面を考えて、取引を始めるのをためらうというケースがありました。
このような事態に対して、国内の仮想通貨取引所では、二段階認証やSSL認証、コールドウォレット、マルチシグネチャといった様々な安全対策を施しました。また、2018年9月時点で金融庁は更に審査を厳しくするとしているため、今後は更に安全面や管理体制の強化などに力が入れられるでしょう。
国内外の仮想通貨取引所は100%安全ではありません。後述で紹介しますがウォレットの作成は必須ですし、投資家自身ができる限りの安全対策を施す必要はあります。しかし、金融庁の厳しい監視体制や、自主的な改善策の実施などから、以前よりも安全面は向上しているといえるのではないでしょうか。
また、100%の安全は無いことを前提にして、仮想通貨取引所の利用を考えるのが現実的といえます。ですので、入金する金額は、取引に必要な最低限の額に抑えるなど工夫が必要です。
仮想通貨取引所の公式アプリで外出時でも取引が可能
近年では、スマートフォンの普及と共に仮想通貨取引を外出先で行う事例が増えてきました。それに伴い、国内外の仮想通貨取引所もパソコンだけでなく、スマートフォーンアプリを開発して随時対応しています。国内の仮想通貨取引所でアプリをリリースしている所は、ビットフライヤーやGMOコインなどが代表的です。ザイフもアプリを配信していましたが、旧アプリは配信を停止して新しいバージョンを開発中です。
仮想通貨取引所がリリースしているアプリは、ログインから入金や出金、取引やチャートの閲覧など一通りの機能を実装しています。ですので、外出先でも気軽に仮想通貨の価格をチェックしたり、取引を行ったりできます。
仮想通貨取引所とは別に自身でウォレットを用意しておく
最後に国内外の仮想通貨取引所の口座開設を検討している方へ、ウォレットの作成も同時に考える必要性について解説します。仮想通貨取引所には、運営側とユーザーの大きく分けて2種類のウォレットが実装されています。従って、ユーザーは自己資金を取引所内で、保管や管理が可能なので便利といえます。
しかし、ハッキングリスクがありコインチェック事件のような、事態になる可能性もあります。そのような場面で自己資金を失うことは、重大な損失に繋がるので仮想通貨取引所とは別に、自分専用のウォレットを少なくとも2つは所持しておくといいでしょう。
仮想通貨取引所とは別に2つのウォレットを所有することで、取引所へのハッキングが起きた際に資金を盗難されるリスクが回避されます。
また、2つのウォレットとは、取引で頻繁に使用する資金を保管するウォレットと、中長期的に保管するウォレットを指します。前者の場合は、常に使用する仮想通貨を指すので、ウェブウォレットやソフトウェアウォレットなど引き出しやすいタイプを選ぶと良いでしょう。
ウェブウォレットは、オンライン上に存在するウォレットに仮想通貨を保管する方法です。使いやすさでは優れていますが、ハッキングリスクがあるため大量の仮想通貨や長期保管といった場合には控えた方がいいです。また、ソフトウェアウォレットは、ウォレットをダウンロードしデスクトップ上で操作、管理するタイプです。ウェブウォレットよりはハッキングリスクを軽減できますし、自身の端末で管理できる所が魅力です。
しかし、それでも長期保有や大きな金額となる仮想通貨の保管には向いていないでしょう。
対して後者は、資金量が多い傾向にあるので安全性を考慮して、ハードウェアウォレットやペーパーウォレットがおすすめです。ハードウェアウォレットは、文字通りウォレット機能を実装した端末のことで、USBと同じくらいのサイズが一般的です。仮想通貨のアドレスをウォレットで保管、管理する場合はUSB経由で行います。
そして、操作が完了したらUSBケーブルを外して、ウォレット単体で保管できます。メリットは、コールドウォレット状態なので、ハッキングリスクが回避できる所です。また、仮に盗難されても秘密鍵を使って別のウォレットに登録しなおすことが可能なので、データのバックアップができる点も魅力的です。
デメリットは、保管場所と秘密鍵のメモを忘れないように保管する必要があることです。また、秘密鍵を間違って覚えていることや、紛失してリカバリーが不可能な場合は、パスワードが取り出せなくなるので取り扱いには注意しましょう。
次にペーパーウォレットですが、仕組みとしてはハードウェアウォレットと同じで、端末ではなく紙でアドレスを印字したタイプです。メリットは、こちらもハッキングリスクを回避できる点です。しかし、紙を紛失したり破いたりといった、アドレスの読み取りが不可能な場合は仮想通貨の取り出しができないので、細心の注意を払って保管しましょう。
仮想通貨のウォレットにはいくつものタイプがありますが、複数のウォレットを使って仮想通貨取引所での保管を減らして、なるべく安全を確保できる環境を作っておくことが大切です。