ビットコインなどの仮想通貨で行うアービトラージが注目を集めています。アービトラージとは、ビットコインなどの仮想通貨の「取引所ごとの価格差」を利用して、利益を出す売買方法です。アービトラージは、そのビットコインなどの仮想通貨そのものの価格ではなく、取引所ごとの価格差を利用するため、相場が悪いときでも、低リスクで安定して利益を出すことができます。ここでは、アービトラージのやり方やメリットを紹介していきます。

ビットコインのアービトラージのやり方や仕組みを解説

仮想通貨のアービトラージのやり方は、主に二つあります。ビットコインでアービトラージする場合を考えてみましょう。一番簡単なアービトラージの方法は、価格が安い取引所でビットコインを買い、そのビットコインを高い価格がついている取引所へ送金し、売却することです。これで利益を出すことができます。

しかし、このアービトラージ方法だと、送金している間にビットコインの価格が大幅に変わってしまった場合、思っていたような利益が出せない場合があります。また、ビットコインは、送金の遅延が起こる場合があります。多くの人がビットコインを売買するようになると、通常であれば約10分で送金が完了するところ、何時間もかかってしまう場合があるのです。このように、アービトラージのために送金したのに、いつまでたっても取引所に届かないと、ビットコインの価格が大幅に変動して、損をしてしまうこともあるかもしれませんので、注意が必要となります。

もうひとつのアービトラージの方法は、ビットコインFXを利用して、「買いと売り」を同時に行う方法です。FXを使う理由は「売り」で利益を出すことができるからです。例えば、ビットフライヤーのビットコインが80万円、GMOコインのビットコインが82万円とします。このように取引所間で価格差が発生した場合、同じ価格に収束していこうとしますので、ビットフライヤーのビットコイン価格は82万円のほうに向かって上がり、逆にGMOコインのビットコイン価格は、80万円に向かって下がっていくこととなります。

その動きを利用し、ビットフライヤーではビットコインを買い、GMOコインではビットコインを売ります。そして、両取引所のビットコイン価格が収束しようと動き、価格差が縮まったタイミングでビットコインの決済を行えば、それぞれの取引所での「売り」「買い」の両方ので、それぞれビットコインの利益を出すことができるのです。アービトラージをしている最中に、万が一ビットコインが暴騰、もしくは暴落しても、二つの取引所で買いと売りの両方を行っているので、損をすることはありません。このように、売りと買いを同時に行う方法のアービトラージは、安心してアービトラージを行うことができます。

注目のビットコインのアービトラージシステムとは?

ビットコインのアービトラージを行う場合、常に様々な取引所のビットコイン価格を観察し、一番大きな価格差がある取引所でビットコインを反対売買をする必要があります。しかし、常に変動しているビットコイン価格を監視するのは大変で、場合によっては、ビットコイン投資のチャンスを見逃してしまうこともあります。

そこで注目されているのが、ビットコインのアービトラージを行ってくれるシステムです。アービトラージのシステムは、プログラマーによって設計された自動売買プログラムであり、効率よくアービトラージができるようになっています。

こういったアービトラージのシステムを使うと、相場やチャートを常に見る必要もなくなることから、低リスクのアービトラージ安定した利益を出しつつも、自分自身の時間を有効に使うことができるようになります。アービトラージのシステムは色々なものが販売されており、月利20%以上の実績を出しているものも多く、特に相場環境が悪いときでも、小さな利益ではありますが、「着実に利益を積み重ねていける」ということで、このアービトラージシステムは注目を集めています。

自動売買システムでビットコインのアービトラージを実践する

ビットコインでアービトラージを実践する低リスクで利益を出すことができるアービトラージの自動売買システムは、色々なものが販売されています。湯有名なものでは、ビットトレード24、コインボットクラブなどがあります。また、プログラミングができる投資家は、自分でアービトラージシステムを開発している人もいます。

しかし、ビットトレード24やコインボットクラブなどのアービトラージの自動売買システムは、大企業が販売しているわけではなく、販売元の信頼性には疑問が残るとも言えます。また、こういったアービトラージの自動売買システムは高額なことが多く、ビットトレード24の場合は、数十万円もするようです。プログラムを導入すれば、自動売買を行ってくれるので、自動でアービトラージを行い利益を積み上げることができますが、初期投資が高額なので、躊躇する人も多いのが現状と言えます。

仮想通貨のアービトラージの自動売買システムを購入するには慎重さが求められますが、アービトラージ自体は、低リスクということで、高い評価を受けている方法です。ビットコインなどの仮想通貨は、売買が24時間いつでも行えること、日本の取引所も海外の取引所も使えること、価格差が生まれやすいことから、アービトラージに向いていると言われており、1回の投資での利益は少ないものの、一般的に「リスクが高い」と言われる仮想通貨において、低いリスクで利益を上げるための方法ということができるのです。

ビットコインのアービトラージが禁止されている取引所があるので注意

ビットコインなどの仮想通貨のアービトラージは、低リスクでビットコインなどの仮想通貨に投資できる方法とされていますが、取引所にとっては好ましくない手法と捉えられているようです。その理由は、取引所が大幅な損失を出す場合があるからです。過去、GMOコインが裁定取引で1億円以上の損失を計上したことがありました。GMOコインのシステムに不具合が発生し、ビットコインの価格が大幅に高く表示されてしまったのです。

このときに、安い取引所でビットコインを買い、GMOコインに送金して高額で売る人が続出し、GMOコインは大きな損失を出してしまいました。システムの不具合やトラブルが出てしまったのは取引所の責任ですが、どれほど管理を徹底しても、システムトラブルが発生してしまうときはあります。顧客に裁定取引を認めてしまうと、このようなシステムトラブルが発生した場合、それを逆手に取られてしまう場合があるのです。

こういった事態を防ぐため、QUOINEX(コインエクスチェンジ)では、利用規約に「裁定取引の禁止」を掲げています。裁定取引を禁止していない取引所も多いのですが、このように禁止している取引所もあるので、裁定取引を行う場合は、まず規約をしっかりと確認することが大切です。規約に違反するとペナルティを課せられる場合がありますので、慎重に行うようにしましょう。

仮想通貨のアービトラージ取引を実践するために必要な準備

ビットコインなどの仮想通貨のアービトラージを実践するためには、取引所ごとにお金を入金しておく必要があります。また、ビットコインの現物取引で行うのか、FX口座で行うのかも決めなければなりません。ビットコインの価格差は、いつ、どの取引所間で発生するかわからないので、できるだけ多くの取引所に資金を入金しておく必要があります。潤沢な資金があれば良いのですが、あまり資金がないという人は、FX口座に証拠金を入れて、低いレバレッジでビットコイン売買を行うという方法もあります。ただし、ビットコインFXの場合は、価格の乖離が収束するまでに時間を要する場合もありますし、突然大幅な値動きが発生する場合があります。ビットコイン価格の急な変動に備えるためにも、高いレバレッジを掛けないことが大切です。

また、アービトラージを実践するために色々なツールを活用することも大切です。ツイッター上では「ビットコイン裁定取引サポート」というアカウントがあり、ビットコインの取引所間での価格差が広がると「価格差」と「価格差が発生している取引所」を教えてくれます。このアカウントをフォローし、モバイル通知に設定しておくと、常に取引所のビットコインの価格を監視していなくても「btcbox(733,460円)で買い、bitflyer(769,560)で売る」などというように価格や売買方法までスマホに通知して教えてくれるので、とても効率的にアービトラージを行うことができます。

また、アービトラージに活用できる、便利なスマホアプリもあります。「cryptopipi」というアプリは、日本国内はもちろん、海外のビットコイン価格もチェックすることができる、とても便利なアービトラージアプリです。すべての取引所を一覧で見ることができるので、一目でビットコインの価格差が大きい取引所を見つけることができます。このように、アービトラージは、1回の売買での利益は少ないものの、こつこつと続けていけば、低リスクで利益を出すことができます。ビットコインなどの仮想通貨は値動きが大きいので不安だという人は、まずはアービトラージを行ってみてはいかがでしょうか。