仮想通貨に関するニュースや話題がTVやネットで話題になっております。数年前にはこれほどまでに話題になった事は無く、仮想通貨という言葉さえあまり知られてはおりませんでした。しかし、昨今の話題は仮想通貨自体の不安をあおる内容や、取引事業者の流出問題などが大々的に取り上げられ、仮想通貨の今後や価値を伝えているメディアはほとんどありません。
仮想通貨の本当の意味や価値を知れば、実はメディアが煽るほどの不安問題はなく、既存の金融取引でもありうるリスクであることが良く解ります。本当の価値を知る事で、世間の方が抱く不安と今後の仮想通貨の未来を説明していきたいと思います。
仮想通貨の価値を裏付ける根拠
仮想通貨の価値については様々な意見がメディアやインターネットサイトで示されていますが、価値の根拠は二つあります。一つ目は信用価値。私達が日常的に使うお金は、使う人が住んでいる国の信用において価値があります。紙幣やコイン自体には価値がありません。ただの紙と金属に過ぎないのです。その紙と金属に価値を与えているのは、管理者であるその国の国家であり政府です。管理者の信用において価値が付けられていますので、例えば戦争が起こったり、財政が破たんしたりすれば一気に価値はなくなり、只の紙と金属になってしまいます。
仮想通貨においての信用性は、ブロックチェーン技術を利用しているからです。ご存知の方も多いと思いますが、ブロックチェーンを簡単に説明すると、一度書き込んだデータは改ざんする事が不可能であり、かつ書き込まれたデータはいつでもどこでも閲覧が可能です。過去にさかのぼり閲覧する事も可能です。ビットコインがブロックチェーン技術を元に作らており、誕生以来ブロックチェーン自体に不正なアクセスをして改ざんされた事例は一度もありません。これが仮想通貨の信用価値の根拠となります。
そして二つ目は物量的価値です。ビットコインの上限枚数は2,100万枚とされていて、これは金の価値によく似ています。金は地球の物質の容量上、現在の埋蔵量は大よその量はわかっております。それにより金は希少性が発生し価値を高めます。紙幣や貨幣などでは、情勢に応じて流通する紙幣や貨幣を調整するので無限に発行する事ができます。この様に仮想通貨には金と同じように物量的価値が備わり、金とよく似ていると表現されているのです。
仮想通貨の価値はゼロという考え方
価値がゼロになるのではないかという方や、価値は無いのではないかという経済の専門家や論客の方もいます。確かに仮想通貨は何かに保障された物ではなく、前述の様にブロックチェーンという絶対的に書き換え不可能な技術だけの信用価値と、希少性の備わった物量的価値しかありません。また価値がないと論じる方には、仮想通貨には従来の通貨の様に保証するだけの資産が無く、需給関係だけで成り立っているからという方もいます。
それでは、その紙幣を保証するだけの株や国債、不動産資産というのは変動しないのでしょうか?株は会社の不祥事が起これば一瞬にして大暴落します。国債も各国様々な経済情勢において大変動します。不動産もまた同じです。その国が紙幣を保証できる資産というのは中央管理者の都合において価値が“変動する物”です。すべての国の紙幣を保証する物が全て“金”であれば、納得のいく話ですが、何が起きるかわからない世界情勢の中で紙幣の保証価値が株や国債、不動産という経済の専門家の方は、古い概念に囚われているのではないかと思われます。
もし明日戦争が起こってしまったら、そういった物に価値は無くなってしまうという事は歴史が証明しています。仮想通貨はまだ開発途上の段階であり、様々な可能性を秘めているものとして捉えるべきで、価値がゼロと論じるには早計であり、先見性に欠けると言わざるを得ません。
仮想通貨の価値の大きな変動が起こる理由
仮想通貨の価値の変動は株式や外貨為替の様に価値が変動します。しかし仮想通貨の価値変動は株式や外国為替とは違い、発行する側の都合によって左右されることは無く、株式や通貨などと違って発行する側の都合によって左右されないという魅力があります。その為、必要とする人達の取引によってのみ価値変動が起こるのが特徴です。
そして仮想通貨には価値の上昇や下降に関して、取引所や政府機関といった所が制限を掛けることは無く、必要とする人の需要と供給に応じて限りなく変動します。仮想通貨に価値を見出し、直接取引するプレイヤー同士によって価値の変動が起こります。仮想通貨は誰かが管理したものでは無いので、主催者側の思惑に左右されないという公平さがあります。
仮想通貨の価値の保証
現実の世界で流通する紙幣や通貨は、それぞれの国や政府が管理していますので、ある程度の保証はあります。銀行などが破たんした際には1,000万円までは戻ってくる。というのをよく耳にしますが、これは流通している国の混乱を避けるためと、通貨を管理している側の信用を保つ為に保証しているからです。通貨の価値にとって最も大切なものは信用です。信用がなければ通貨には価値は無くなりますので、管理者は一定の保証を行います。
仮想通貨は誰かが管理したものではありませんので、価値を保証しうるものは存在しません。必要とする人の需要と供給によって取引され、改ざん不可能なブロックチェーン技術が信用を生み出しているので価値があるのです。保証という言葉を目にしたり耳にしたりすれば人は安心しますが、保証されてという事は誰かに管理されている事と同じことなのです。これは仮想通貨の存在意義とは反します。ですので、仮想通貨の価値を保証する存在はないのです。
仮想通貨の価値の今後を予測する
仮想通貨の価値はこれまでに述べてきた様に、改ざん不可能なブロックチェーン技術と上限の定まっている量の希少価値。そして必要とする人の需要と供給によって成り立っております。今現在の価値は取引による利益という面が強いのですが、結論から述べれば世界の共通通貨になる可能性を秘めています。
現在ナンバーワンの取引量を誇っているのはビットコインですが、説明する必要もない程に有名です。しかしこのビットコインにも使い勝手が悪い面や改善する面が多数出てきました。それを補う為にライトコインや、ビットコインとはまた違った魅力の仮想通貨が様々登場しており、有名無名合わせてその数1,600種類以上と言われています。どんな世界でもそうですが、これほどまでに数が多くなると今後は淘汰されていき、本当に価値のある仮想通貨だけが生き残っていく事になります。その時こそが真の価値と実力を遺憾なく発揮することになるでしょう。仮想通貨による特性によって、何者も管理する事の出来ない通貨が世界標準になる事も夢幻ではないでしょう。
仮想通貨の歴史は浅く、経済の専門家でも意見は二分している事は確かなことです。直近の経済的視野でみるのか?将来的な視野で見るのかで仮想通貨の価値が全く違ってきます。確かに経済アナリストやジャーナリストは専門分野ですので、これまでの金融市場の歴史や経験を活かして私達に情報を伝えてはきますが、仮想通貨は全く新しい金融のカタチであるという事を念頭に置けば、これまでの考え方や経験が通用しないという事もあります。これまで管理者がいたとは違う仮想通貨は、直接取引を行う者が価値を高めて世の中に広めていく事になるでしょう。