仮想通貨の投資を行なっている方は、「少ない投資額で大きな利益」を出すことを日々考えているのではないでしょうか。2017年年末の仮想通貨熱を振り返ってもわかるように、もともと仮想通貨はボラティリティが高く利益を出しやすい投資ですが、「レバレッジ」をかけることでさらに大きな利益を出すことが可能となっています。
仮想通貨やそれ以外で投資の経験がある方はお馴染みの言葉かもしれませんが元手の何倍もの金額で売買できる方法です。10倍、20倍とレバレッジをかけ、通常の利益の10倍や20倍を狙うという方法です。レバレッジをかけた取引(レバレッジ取引)には3つ種類があり、「信用取引」「FX取引」「先物取引」の3つです。それぞれに異なった特徴があり、もちろん類似点もあります。
株や為替と同様で仮想通貨でもレバレッジが普及してきましたが今回は仮想通貨での「信用取引」について解説していきたいと思います。また、仮想通貨で信用取引ができる取引所も紹介しますので投資の参考にしてください。
仮想通貨信用取引の前に「現物取引」をおすすめします
投資初心者が想像する通常の仮想通貨での「現物取引」は、自分が取引所に保有する財産の範囲内で売買します。例えば、日本円を10万円入金したらその範囲内で好きな仮想通貨を購入し、仮想通貨を売ったり買ったりして利益を出していきます。現物取引のメリットは購入した仮想通貨が仮に価格を下げても資産が「0」を下回ることはありません。あくまでも自分が用意した金額を超える負債を抱えることはないのです。
逆にデメリットは「買い」からしかスタートできないため、下落相場ではいきなりの損失になります。また、株式投資や為替取引のように仮想通貨を保有しているだけで金利がつき、配当のようにもらえる仮想通貨はありません。しかしながら、初心者がいきなり仮想通貨での信用取引やFX、先物に手を出すのは危険です。ある程度堅実に投資をスタートさせ、仮想通貨の相場感などを養ってからレバレッジを活用することを前提に今回は話を進めます。
仮想通貨の信用取引とは
仮想通貨の信用取引とは一言で表現するならば「取引所にお金を借りて取引する」ことです。しかし、仮想通貨で信用取引をする際、取引所は担保もない人にお金を貸せませんから「証拠金(委託証拠金、コラテラル)」を預かることでお金を貸します。仮想通貨での信用取引においては、証拠金の金額に応じて取引所が貸し出すお金も異なり最低でも2倍以上のお金を貸し出します。これが仮想通貨での信用取引のレバレッジとなるのです。
例えば、信用取引において、証拠金を10万円預けたとして取引所が10倍の金額まで貸し出すことになれば、最大で100万円分の取引が可能になります。少額資金しかない投資家でも大きな金額での投資が可能になる仕組みが仮想通貨の信用取引でもあります。
また、信用取引では現物取引とは違って「売り(空売り、ショート)」からの注文も可能です。売りから注文をスタートさせる具体例を考えてみると、仮想通貨で1BTC=10万円で20倍の20BTC借りられたとしましょう。その場合、200万円が手元にある計算になります。その後、ビットコインは値下がりし1BTC=5万円になったとして20BTCを買い戻せば100万円ですから差額の100万円が利益になります。信用取引では下げ相場でもこのように利益を出す方法があるのです。
仮想通貨信用取引にかかる手数料
もちろん、信用取引においても現物取引のように相場が上がったときに売って利益を出す方法もあります。注意点として、信用取引ではあくまでもお金を借りてトレードするので「借入手数料」が毎日発生します。借金をすれば利子を払わなければいけないのと同じです。日々の借入手数料があることからも分かるように信用取引は長期的なトレードには向きません。
この見極めが重要ですので信用取引は初心者にはおすすめできないのです。それから、証拠金で預けた何倍もの資金を必要としますので大きな負債を抱える可能性もあります。ただ、信用取引では損失額(含み損)が一定に達すると強制的に決済される「ロスカット」の仕組みがありますから途方も無い金額の負債にはなりません。
信用取引におけるロスカットの基準になる証拠金維持率が50%となっていれば証拠金の半分に当たる含み益になると決済され終了となります。信用取引で証拠金が10万円ならば5万円の含み損になるとロスカットです。ロスカットに関しては取引所により設定が異なりますが100%のところもあれば30%のところもあります。
以上のように、信用取引は魅力的な部分もあれば注意点もある方法ですので十分にリスクを考えた行動が必要になります。
仮想通貨信用取引のFX取引や先物取引との仕組みの違い
ここからはレバレッジ取引では同じカテゴリに入る仮想通貨での「FX取引」と「先物取引」について解説していきます。まず、仮想通貨の「FX取引」ですが平たくいうと「預けてある資金を使う」というものです。信用取引とは表向きはほぼ一緒ですが、FXは証拠金を預けた金額に対して何倍ものレバレッジをかけて取引します。証拠金で足りないところ(レバレッジの部分)は取引所の資金を使うイメージです。仮想通貨の信用取引ではお金を借りて行いますので、そこが違いとなります。
また、利益の考え方(受け取り方)も異なり、FXは差益決済となります。例えばFXで10万円分のビットコインを購入し、15万円になったところで売れば差益の5万円だけを受け取ります。スワップポイントの発生も取引所によっては生じてきます。レバレッジ手数料と呼ぶ場合もありますが、日々生じてくるので黙って保有すると数ヶ月、1年と経過すれば莫大な金額になり得ます。1日あたり0.05%なら1年で18%ほどになります。
類似点とすればロスカットと日々生じた含み益や含み損に対しての手数料が発生します。自分のものではない資金を利用するので致し方ありません。また、売りからの注文も可能です。
今度は仮想通貨での「先物取引」について解説します。先物取引とは「これから先の決めた日に売買することを約束する」というものです。例えば、「半年後に10万円で仮想通貨1BTC買います」と約束を交わします。来たる半年後に、1BTC=5万円になっていれば利益となりますが1BTC=20万円となっていれば損をするような仕組みです。ビットコインが値上がりしようが、値下がりしようが約束は果たさないといけません。
自分が勝負所と読んだ時期に値上りすると考えれば買い注文、反対に値下がりするとすれば売り注文を出して行うのが先物取引です。注文を出すときに資金は必要なく、定めた日に差額のみが決済される仕組みにもなっています。レバレッジやロスカットがあるのは信用取引と同じです。
仮想通貨で信用取引ができるおすすめの取引所
最後に仮想通貨で信用取引ができる取引所を3ヶ所、ご紹介します。まずは「DMMビットコイン」です。人気女性タレントのローラさんをCMに起用し瞬く間に知名度を上げています。特徴はアルトコイン6種類について信用取引ができるところです。最大5倍のレバレッジでの取引が可能になっています。画面も見やすく仕上がっています。
次は「Zaif(ザイフ)」です。国内ではおなじみで多くの登録者がいます。仮想通貨の信用取引では最大7.77倍のレバレッジとなります。信用取引では借入手数料が1日あたり0.039%、決済時にかかる利益手数料0.7%は念頭に入れて取引しましょう。ビットコインとモナコインについて信用取引ができます。(モナコインの場合、成行注文は0.1%の取引手数料が発生)
最後は「bitflyer(ビットフライヤー)」です。国内では最大規模となっています。最大5倍のレバレッジで取引可能でロスカットは証拠金維持率が80パーセントを下回ってからの適用です。追証によって証拠金維持率が80%超となるようにすれば強制決済を免れることができます。(3銀行営業日以内の入金)
以上、3ヶ所は国内の仮想通貨取引所になりますが海外では仮想通貨で信用取引ができるのは「ポロニエックス」や「ビットフィネックス」などです。いずれにせよ、まずは国内取引所の使いやすい画面で慣れてから海外で仮想通貨の信用取引をしてみましょう。