仮想通貨について色々学んでいると、プラットフォームという言葉をよく目にします。仮想通貨におけるプラットフォームとは、「色々な仮想通貨が生まれたり、活動できるところを提供してくれるフィールド・土台」と考えることができます。
例えば、サッカーをするにはサッカーコートが必要ですし、泳ぐにはプールが必要です。コンピューターでいうと、Windows向けのソフトを使うためには、まずWindowsが必要となります。ラインでメッセージを交換したければ、まずラインアプリが必要です。このように、何かをするために必要な環境が、プラットフォームです。仮想通貨でいうと、トークンなどの仮想通貨が動き、働くために必要な環境がプラットフォームということになります。
プラットフォーム系仮想通貨とは
仮想通貨は、大まかに「通貨系仮想通貨」と「プラットフォーム系仮想通貨」のふたつに分けることができます。通貨系は、文字通り、貨幣の代わりとして利用できるもので、有名なものはビットコインが挙げられます。日本でも、ビックカメラやメガネスーパーなど、ビットコイン決済ができる店舗が増えてきており、焼肉店や個人営業の鰻屋など、規模が小さい店舗でも、ビットコインをはじめとする仮想通貨決済を導入するところが増えてきています。
また、ビットコインだけでなく、ビットコインからハードフォークしたビットコインキャッシュで決済ができるお店も増えてきており、支払いに使える仮想通貨の選択肢も増えてきています。最近では、スマホのバーコード画面を使って簡単に支払いができるようになったので、店舗側の導入コストがかからないことから、今後は世界中でビットコイン決済や、他のコインでの決済が増えていく可能性があります。このように、お金と同じような使い方ができる仮想通貨が、通貨系仮想通貨です。
プラットフォーム系で一番有名な仮想通貨はイーサリアム
プラットフォーム系仮想通貨は、有名なものではイーサリアムが挙げられます。イーサリアムは、ブロックチェーンで作られていますが、自分のブロックチェーン上で「トークン」というものを発行することができます。本来であれば、新しい仮想通貨を作るときには、それごとにブロックチェーンが必要なのですが、それには技術力や資金力が必要で、開発者達は、なかなか自前のブロックチェーンを用意して仮想通貨を発行することが難しいのが現状です。
イーサリアムのブロックチェーンを借りるという方法をとると、すぐに新しい仮想通貨が発行できることから、ここ数年の間に、イーサリアムのプラットフォームで多くの仮想通貨が生まれました。それらは、ERC-20トークン(イーサリアムのプラットフォーム上で発行されるトークン)と呼ばれています。
これらのERC-20トークンの中には、最初はイーサリアムのプラットフォームを借りて、ICOという形で資金調達をして仮想通貨を発行し、お金が集まった後に、その資金を使って開発を行い、自分達のブロックチェーンを作って、イーサリアムから独立していくようなものもあります。このように、イーサリアムは、新しい仮想通貨を誕生させるプラットフォームとして、大きな存在感を示しています。
仮想通貨イーサリアムのプラットフォームでは、イーサ(ETH)が必要
プラットフォーム系仮想通貨の特徴のひとつとして、そのプラットフォーム上では、特定のコインしか使えないということが挙げられます。例えば、送金するときのことを考えてみます。イーサリアムのプラットフォーム上で作られたトークンの場合、送金に必要なコインは「イーサ(ETH)」となります。ETHは取引所では「イーサリアム」と呼ばれていますが、正式には、イーサリアムはプラットフォームの名前で、そこで使われるコインの正式名はイーサ(ETH)です。
トークンを取引所からウォレットへ、もしくはウォレットから取引所へ送金したい場合は、イーサが必要となるのですが、何らかの理由で、イーサリアム上での送金が混みあっていて送金料が高騰していた場合、そのトークンも影響を受けてしまい、送金が遅くなったり、送金料が高くなったりしてしまうのです。
多くの種類があるプラットフォーム系仮想通貨で注目度が高いのはネオ
これは、他のプラットフォームでも同じことが言えます。プラットフォーム系で有名なものはイーサリアムですが、それ以外にも色々なコインがあり、比較的有名なものでは、イーサリアムクラシック、ネオ、イオス、リップル、ステラ、ネムなどが挙げられます。この中で、中国版イーサリアムと呼ばれているのがネオです。
ネオのプラットフォームは、イーサリアムよりも1秒当たりの処理能力が高く、将来性が高いのが特徴です。ネオは中国系のプラットフォームのため、今後中国でICOが行われる際には、このネオが使われていくのではと言われています。ネオ上で生まれたトークンの場合は、送金には、取引所で売買されているNeo(ネオ・正式にはネオガス)が必要となります。もちろん、送金が混みあったり、送金手数料が高騰する可能性も考えられますが、イーサリアムよりも1秒あたりの処理可能件数が多いため、イーサリアムよりも「送金が混みあい、それによって送金料が高騰する」というリスクが低くなります。
そうなると、「イーサリアムのプラットフォームよりもネオのプラットフォームの方を使おう」と判断するプロジェクトも多くなってくると考えられています。特に、ネオは中華系と言われていますので、中国系のICOでは、このネオが今後多く使われていくのではと考えられています。中国政府は、ブロックチェーン技術を高く評価しており、仮想通貨への規制を今後緩めていくのではと期待されていますので、ネオのプラットフォームは、今後が非常に楽しみであると言えますね。もちろん、そのプラットフォームで使われる「Neo」も、長期的に見て、値上がりが期待できるのではないでしょうか。
プラットフォームであるLIQIDで使われるQASHも今後が楽しみな仮想通貨
日本では、金融庁に認可された取引所がいくつもありますが、その中の一つである「QUOINEX」で売買されている「QASH(キャッシュ)」も将来有望とされる仮想通貨です。このQASHは、仮想通貨のプラットフォームである「LIQID(リキッド)」で使われる仮想通貨で、ICOによって約70億円の資金を集めることに成功しています。
リキッドは、世界中の取引所間の売買や、異なるコイン間の注文をつなげ、流動性を高めていこうと作られたプラットフォームです。例えば、ドル/ビットコインの注文と、日本円/ビットコインの注文をダイレクトに繋げることによって、そのまま注文を成立させ、取引所の流動性を上げることが可能となります。また、ある取引所と、もう一つの取引所の売買板を共通のものとすることによって、売買板に厚みを出し、多くの人が売買しやすくするなど、リキッドは仮想通貨の取引において、画期的な変革をもたらす可能性があります。
仮想通貨は世界中で取引されていますので、異なる国や異なるコインの注文の場をひとつにして、繋げることができれば、グローバルな規模で仮想通貨売買の流動性が高まることになり、仮想塚市場の活性化を促進することができると考えられているのです。そして、このプラットフォームで使われる仮想通貨「QASH」で、リキッドを利用する人々が増えれば、自然とキャッシュの需要も増え、価格が上がっていくのではと期待されています。
このように、仮想通貨では様々なプラットフォームがあり、そこで手数料として使われるコインが注目される傾向にあります。このQASH(キャッシュ)が注目されているのは、プラットフォームであるリキッドの将来性が高く評価されているこが理由ですし、Neoも同様です。つまり、プラットフォームの評価と、そこで使われる仮想通貨の評価は連動する傾向があるということです。今後、色々なプラットフォームが生まれてくると思いますが、「このプラットフォームは将来性がありそうだ」と感じたら、そこで使われる仮想通貨にも注目してみると良いでしょう。