仮想通貨のことを調べていると、ロードマップという言葉を良く目にするのではないでしょうか。ロードマップとは、仮想通貨の開発計画書のようなもので、「この時期までに、このようなことを進める」という内容が書かれています。仮想通貨に投資をする場合は、その通貨のロードマップをきちんと確認することが大切です。

仮想通貨のロードマップはホワイトペーパーで確認できる

ロードマップは、その仮想通貨が公開しているホワイトペーパーの中に書かれています。ホワイトペーパーとは、仮想通貨の開発者が公開する報告書のようなもので、どのような仮想通貨にしていきたいのかという「計画の構想」や、「使われているコードなど技術的な内容」「今後の計画を記したロードマップ」などが書かれています。

ホワイトペーパーの名前の由来ですが、昔、イギリス政府が公式に発行した報告書が白かったことから、その名前がついたとのこと。仮想通貨だけではなく、普通の企業が発行する報告書もホワイトペーパーと呼ばれているようです。

仮想通貨においては、ホワイトペーパーを読み込むことで、「その仮想通貨が何を目的にして作られているのか」「その仮想通貨に将来性があるかどうか」「どれほどの資金をICOで調達する予定なのか」「開発者が保有する予定のコインは何割ほどなのか」など、重要な情報を収集できます。

仮想通貨のロードマップは時系列に開発計画をまとめたもの

ロードマップは、仮想通貨のICOで資金調達をする際に公開するホワイトペーパーの中に記載されていて、その仮想通貨に投資するかどうかの判断をする時に、重要な役割を果たします。また、仮想通貨に投資をした後も、こまめにその仮想通貨のロードマップを確認して状況を確認することで、継続してそのコインを保有するかどうかを判断する目安にもなります。

ロードマップは計画を時系列でまとめたもので、1年の間に達成する内容をまとめて書いてある場合もありますし、一年を「Q1」「Q2」「Q3」「Q4」の四つに分けて、細かく計画を書いてあるものもあります。ロードマップが細かく書いてある方が、投資家としてもわかりやすいですし、綿密に計画を練っているということがわかりますので、特に仮想通貨が生まれたばかりの初期の段階では、計画の細かさもロードマップで確認したいところです。

ロードマップは仮想通貨に投資する際に必ず確認しよう

ロードマップは、「時期」と「達成したい計画」が書かれてありますので、それを読むことで「予定通り順調に進んでいる」「当初の計画より大幅に遅れている」というようなことが自分で判断できるようになっています。ロードマップをチェックして仮想通貨の価格を考えたときに、「予定通りに進んでいるか」は、非常に重要です。ロードマップに記載されていている計画が遅れている場合、原因がはっきりしていれば良いのですが、「ICOで資金を集めるために、ロードマップに実現不可能なことを書いた」ということも考えられるからです。

ホワイトペーパーに「こんなことができる仮想通貨です」「このようなことも実現できます」といったような、驚くようなことを書いて、投資家に「将来性がある」と思わせれば、簡単に資金が集まります。しかし、それが実際は、絵に描いた餅である場合もあるのです。

ロードマップを見て、その計画通りに進んでいれば問題はありませんが、あまりにもロードマップの計画とかけ離れた状態が長く続くようであれば、その仮想通貨の開発者の姿勢や本気度に疑問を持った方が良いかもしれません。もしその仮想通貨を保有していた場合は、売ることも検討しなければならないでしょう。

仮想通貨はテクノロジー開発が進んでいるかどうかは非常に重要

仮想通貨は、ある意味先端技術のかたまりとも言うことができ、最近では仮想通貨をイノベーションの象徴と捉える動きもあります。つまり、仮想通貨は技術革新を体現しているものであり、絶え間なく開発しているからこそ、その価値を維持できるものであると言うこともできます。

仮想通貨を取り巻く技術の流れは早く、数百種類以上ある仮想通貨の開発者は、毎日必死になって競争しながら、より高機能のコインを目指している状況です。そのような中で、計画が滞ってしまうと、仮想通貨としての価値も下がってしまうため、仮想通貨の価格に影響が出てしまい、大幅に価格が下落することも考えられます。このようなことからも、ロードマップをチェックして仮想通貨の開発が進んでいるかどうかを確認することは、とても重要な要素です。

また、最近では、ブロックチェーン関連の特許を取得する動きも盛んで、他のコインよりも先に特許を獲得しようとする動きがあります。実際、ビットコインキャッシュの開発陣である「n-chain」が、欧州特許庁(EPO)からビットコインキャッシュ関連の特許3つを取得したという事実もあり、開発者が特許を取得していく動きは、今後も加速することが予想されています。これからは、他のコインよりも早く開発を進め、少しでも多くの特許を取るという流れになってくるでしょう。

特許取得に注目が集まると、そのスピードが重要となってきます。きちんと計画通りに進んでいるかを私たちユーザーが確認できるものがロードマップですので、こまめに確認したいものです。

ホワイトペーパーやロードマップは英語か中国語がほとんど

仮想通貨ロードマップは必ず確認するホワイトペーパーは英語で書かれていることが多いため、それを自分で読むのは大変です。しかし、仮想通貨に投資をする場合は、やはり確認すべきものとなりますので、Google翻訳を使うなどして、読み込むことをお勧めします。また、最近は中国で仮想通貨の開発が盛んで、多くの仮想通貨が生まれています。そのため、ホワイトペーパーが中国語で書かれているものも増えてきていますので、こちらもGoogle翻訳を活用しましょう。

ロードマップで書かれている通りに計画が進んでいるかどうかを確認するのは、大変だと感じるかもしれません。特に、時価総額が大きく、多くの人が注目している仮想通貨であれば、ツイッターなどで自然と情報が入ってくるのですが、まだあまり人に知られていないような、知名度が低い仮想通貨のことを調べる場合、あまり情報が流れていないので、ロードマップ以外で開発が進んでいるかどうかを確認する方法があまりないのです。

仮想通貨の情報を収集するにはツイッターが一番手軽ですが、そこでも情報が集まらない場合は「Discord」や「Telegram」を使ってみましょう。そのコインを支持している人達が集まっているグループや、開発者自身も参加していて、気軽に質問できるようなフランクな雰囲気を持つグループを見つけることができるかもしれません。仮想通貨の名前で検索してみると良いでしょう。

日本で人気があるリップルの2018年のロードマップは?

リップルは、日本でとても人気がある仮想通貨です。2017年の年末には、400円近くまで高騰しましたが、その後価格は低迷し、50円前後となっています。しかし、リップルのプロジェクトはとても将来性がありますので、将来に希望を託して、価格が下がっても保有している人が多いのではないでしょうか。

そのリップルも、2018年のロードマップとイベントを発表しています。ロードマップで細かく発表されているわけではありませんが、2018年に達成したい計画として、主に二つのことが挙げられています。まず、一つ目は「送金システムをより充実させること」です。リップルは、2018年内に、アメリカとメキシコ間の国際送金システムの稼働を、実際に始めたいと考えています。現在、国際送金が行われているところもあるのですが、アメリカとメキシコ間という、より大きな市場で、国際送金システムを始めたいという考えです。

二つめは、アメリカの有名な大手仮想通貨取引所である「コインベース」への上場です。2017年から度々「コインベースに上場するのでは」という噂がでて、そのたびにリップルの価格が上昇していたのですが、それはいまだ実現していません。リップルでは、コインベースと上場についての話し合いを継続しておこなっているということですので、2018年に実現できるかどうかを楽しみにしておきましょう。

このように、ロードマップは、投資家が自分でその仮想通貨の状況を確認できる指標となるものです。日本語ではないので読むのに労力を要しますが、是非一度自分自身でロードマップを確認することをおすすめします。