ビットコインでスキャルピングのトレードをする人が増えており、注目を集めています。スキャルピングとは、ビットコインだけなく、為替FXのトレードでも行われている、一般的な投資の手法のひとつです。スキャルピングは、数分から一時間以内の間にエントリーから決済までを行う「超短期取引」のため、長い時間ポジションを持つ必要がないので、リスクも比較的低く抑えられることが特徴となっています。それでは、ビットコインのスキャルピングについて、詳しくみていきましょう。
ビットコインのスキャルピングは利益を上げやすい手法
スキャルピングとは、超短期売買で小さな利益を積み重ねる手法です。ビットコインに限らず、為替FXなどでもスキャルピングは一般的な手法ですが、ビットコインは値幅が大きいため、比較的スキャルピングに適していると言われています。ビットコインはもちろんのこと、為替など、値動きのある金融商品には「チャート」があり、投資家はそのチャートを見ながら売買をします。ビットコインのチャートを見てもらえればわかりますが、その動きには特徴があり、波のように、細かな上下を繰り返しながら、上昇していったり、下降していったりします。スキャルピングは、「上がったり下がったりを繰り返す」という、波形の形の特性を利用し、細かな利益を積み上げていく手法となります。
ビットコインはボラティリティが大きく、1日で何万円も価格が上昇したり、逆に下落したりします。これは、利益が出れば大きいですが、損をした場合は、ダメージも大きいということを意味します。しかし、ビットコインでこのスキャルピング手法を使う場合は、エントリーから利確まで短時間で行いますので、半日の間に数万円動く可能性があるビットコインであっても、その数万円を目的にするのではなく、数百円から数千円ほどの、少ない利益を目標に取引していきます。
そしてスキャルピングでその細かな取引を何度も繰り返し、トータルの利益を増やしていきます。このようにスキャルピングによって利益を積み上げることで、1回1,000円の利益であっても、1日10回利確できれば、1,000円×10回=10,000円となり、日給は1万円となります。そして、それを1カ月続けられれば、10,000円×30日=300,000円となり、スキャルピングでもしっかりとした利益を出すことができるのです。
ビットコインのスキャルピングは少額資金や下落局面でも取引できる
ビットコインでスキャルピングをする場合、ビットコインFXで取引を行うと、より利益を積み上げることができます。なぜならば、ビットコインFXでは、「買い(ロング)」だけではなく「売り(ショート)」の注文を出すことができるからです。
売り(ショート)は、株でいうところの「空売り」のようなもので、ビットコインの価格が下がっている場合でも、その価格下落を利用して利益を出すことができるのが特徴です。例えば、ビットコインで80万円で「売り(ショート)」をし、79万9000円で決済(買い戻し)をすれば、1000円の利益を出すことができます。ビットコインが上がったときも、下がったときも、それぞれエントリーと利確をして利益を出すことができるので、スキャルピングで10回利益を出したい場合は、「上げと下げ」の往復を5回取れれば良いということになります。
ビットコインFXを利用すると、ビットコインで下落局面において利益を出せるだけではなく、より少ない原資でスキャルピングが可能です。例えば、1ビットコインを売買してスキャルピングしたい場合、現物でも行うことができますが、「買い」しか行えないことと、1ビットコイン分の資金が必要になります。しかし、ビットコインFXの場合はレバレッジをかけることができます。例えば、10倍のレバレッジをかける場合、原資が10万円で、100万円分のビットコインの売買ができることになりますので、80万円のビットコインを売り買いするのに、約10万円の資金でスキャルピングのトレードが可能ということになります。
ただし、ビットコインFXの場合は、維持率が一定以下になると強制ロスカットされて原資が大幅に減ってしまったり、思った以上の損失が出てしまったりする場合があります。ビットコインのスキャルピングで取引する場合は、現物を売買するときに比べてメリットがある分、リスクも存在することを覚えておきましょう。
ビットコインのスキャルピングのメリット
ビットコインでスキャルピングをする場合のメリットは、長い間ポジションを持たずにすぐに利確するため、精神的な負担が少ないということです。一度ビットコインでポジションを持ち、大きな利益を狙おうとすると、そのポジションを長く持つ可能性が高くなりますので、精神的にも負担が大きくなりがちなのですが、スキャルピングは短時間で決済を行うので、ストレスが少なくてすむのです。
例えば、スキャルピングではなく、大きな利益を狙ってビットコインでポジションを持った場合、朝ロングを入れて、大きく上がるタイミングをずっと待っていると、夜になってしまったということも珍しくありません。そして、そのようなときは朝から晩まで、常にビットコインの相場の状況を気にしなければならなくなります。つまり、ポジションを長時間持てば持つほど、相場の動きが常に気になってしまい、神経をすり減らすことにつながってしまうのです。
しかし、スキャルピングの場合は、もともと「小さな利益」を狙いに行く手法なので、欲張らずにすぐに利確することになります。ビットコインで80万円でロングを入れて、80万2000円になった時点で、利確してしまいます。そして、ポジションをフラットにして、次のタイミングを待ちます。その後ビットコインが下がり始めた場合は、80万1000円からショートをいれ、80万や79万9000円になった時点で、再び利確する、というのがスキャルピングの流れになります。
スキャルピングで細かく利確するのは、相場の流れが変わらないうちに利確する必要があるからです。ビットコイン相場の波形を想像してもらえればわかると思いますが、底を打って、上がり始めた場合は、大きく上がる、小さく上がるという大小の差はあっても「上がる」ということはかわりません。
上がりきって、下がり始めた場合も、大小の差はあっても、ある程度は下がります。この特性があるからこそ、チャートは波のような形になり、それを利用してスキャルピングをすることができます。しかし、もっと上がると思っていたのに、下がり始めてしまったという場合もありますので、流れが変わらないうちに細かく利確していくスキャルピングの方が確実に利益を出せるのです。
ビットコインのスキャルピングをする場合のチャート設定
ビットコイン売買やビットコインFXを行う場合は、あなたが利用している仮想通貨取引所が提供するチャートを見ることができますし、tradingviewというサイトで、無料で利用できるチャートもあります。チャートは時間軸を選べるようになっており、月足、週足、日足、12時間足、6時間足、4時間足、3時間足、2時間足、1時間足、45分足、30分足、15分足、5分足、3分足、1分足のチャートを見ることができます。
これらのチャートは、より時間軸が長い方が、信頼性があると言われており、例えば、1時間足で買いのサイン、4時間足で売りのサインが出ていた場合は、より時間軸が長い4時間足のサインを重視して「売りだな」と判断する投資家が多いようです。スキャルピングの場合は、短い時間軸でトレードを繰り返す手法ですから、できるだけ短い時間足である「1分足」を見て売買します。
しかし、スキャルピングではビットコイン相場の大きな流れが「上昇しているのか」「下降しているのか」を頭に入れながら行う方が、よりリスクに対応できることになります。例えば、大きな流れが下降の場合は「急落するかも」「上昇幅は小幅で、下降幅は大きいだろう」と予測しながらスキャルピングできますので、より大きな値幅を取ることができ、急落などのリスクにも対応しやすくなります。
ビットコインのスキャルピングのデメリット
ビットコインでスキャルピングをする場合のデメリットは、ビットコインは値動きが激しすぎる場合があるということでしょう。ビットコインは、「レンジ」といって、狭い一定の値幅を上下するような、比較的値動きが少ない動きをすることもある一方、マイナスのニュースが出たときなどは、過敏に反応して、一瞬で暴落してしまうこともあります。そして、ビットコインが暴落した後、底だと思われる場所で大量の買いが入り、大幅に値戻しをする場合もあります。
例えば、短時間で20%下落し、底に到達したら買いが大量に入って、そこから10%戻す、というような極端な動きをする可能性がビットコインにはあるのです。こういった動きをした場合、ビットコインFXでスキャルピングを行っていた場合は、損切りなどの対応が遅れてしまうと、強制ロスカットなど、大きな損失を出してしまう場合があります。ビットコインは値動きが激しいので、スキャルピングであっても一度の損失で今までの利益が吹き飛んでしまうこともあるのです。
もちろん、スキャルピングは短期売買ですので、パソコンやスマホを常にチェックできる状態で行いますから、急な動きがあっても、すぐに対応はできると思います。しかし、取引所のサーバーが動かなくなってしまい、損切りの注文が受け付けられなかったり、トイレに立っている間に暴落していたりということもありますので、100%はないと思っておいた方が良いでしょう。スキャルピング取引をビットコインFXで行う場合は、急激な値動きをした場合は損失が大きくなってしまうリスクがあるということを覚えておきましょう。