仮想通貨に投資する際には、株や為替と同じようにテクニカル分析がとても役にたちます。仮想通貨は、まだ生まれて年数が浅く、特にビットコインはボラティリティが大きいのが特徴ですが、株や為替の投資家がチャートによるテクニカル分析で投資判断をしてきたように、仮想通貨においても、チャートを分析することが大切です。テクニカル分析を使ってチャートから仮想通貨の今後の値動きを予想することができるようになれば、仮想通貨投資がより楽しくなり、リスクにも対応できるようになりますので、ぜひテクニカル分析の基本は身に着けておきましょう。

仮想通貨におけるテクニカル分析とファンダメンタル分析

テクニカル分析は、株や為替の投資家であれば、日常的に行っている手法ですが、仮想通貨投資においても、テクニカル分析をすることは大切です。これらの分析をしっかりと行えば行うほど、利益を出せる確率は高くなっていくのですが、専業のトレーダーと同じようなレベルの知識を身につけたり、経験を積んだりするのは難しいですね。

しかし、投資を専門としている人ほどではなくても、テクニカル分析における基本的なことをいくつか頭に入れておくだけで、これから上がりそうか、下がりそうかということや、「この価格を超えて上がるかどうかが重要」というようなポイントがわかります。

簡単なテクニカル分析の仕方がわかるだけで、自分なりの予想を立てることができるので、仮想通貨の相場やチャートを見ることが楽しくなってきます。そして、「もっとテクニカル分析について知りたい」「チャートがわかるようになりたい」という気持ちが芽生えるようになり、自然と知識や分析する力が身につくようになります。仮想通貨の取引で頻繁に売買する人もそうでない人も、テクニカル分析の基本を覚えておけば、より投資が楽しくなるでしょう。

ファンダメンタル分析とは、株の場合は企業の業績や利益率などを指しますが、仮想通貨においてはそれがありません。仮想通貨の場合のファンダメンタルは「その仮想通貨の開発が順調に進んでいるか」「実際に社会で役に立つ可能性があるか」などという点で、仮想通貨が発行しているホワイトペーパーを見たり、ツイッターなどで情報収集をして分析したりすることが大切です。

仮想通貨の情報は、世界中で売買されている仮想通貨らしく、日本語だけではなく英語や中国語で発信されているものもありますので、Google翻訳などを活用しましょう。特に、仮想通貨では良いニュースが出るとすぐに価格に反映されることが多く、良いニュースがでるとたちまち価格が高騰することがよくあります。日ごろから仮想通貨に関する情報収集をしっかりしておきたいですね。

仮想通貨投資のコツはニュース報道とテクニカル分析のタイミング

仮想通貨は、最先端の技術が用いられて作られています。そして、AIやフィンテックなどと合わさって、今後社会を根本から変えていくと期待されていますので、良いニュースも頻繁に報道されています。例えば、アルトコインの場合は「新たな仮想通貨の取引所に上場する」というニュースは非常に影響力があります。そういった報道がでると、価格が高騰することもあり、その高騰をきっかけに、下降トレンドから上昇トレンドに変換する場合もあります。

しかし、特に仮想通貨についてのニュースがない場合、チャートは波のような形を作りながら、ゆっくりと上下しながら上昇したり、下降したりします。そして、その波の形の一番下が一番安い価格、波の上部が一番高い価格と分析することができますので、そのタイミングを狙って、テクニカル分析を用いて売り買いすると利益を多く出すことができます。

仮想通貨もテクニカル分析がメインになりつつある

2017年は仮想通貨元年とも呼ばれ、高騰したビットコインを筆頭に、どの仮想通貨も右肩上がりの時期が多く、「どんな種類の仮想通貨でも、持っていれば利益が出た」という時期でもありました。その当時は特にテクニカル分析を意識しなくても、仮想通貨のチャートを見れば、すべて右肩上がりでいつまでも上昇していくように見えたでしょうし、発表されるニュースも、将来を期待させるようなものばかりで、1月の暴落を予想していた人は、ごく少数だったのではないでしょうか。

2017年後半は、特にテクニカル分析をしなくても、自然と上昇していくようなチャートを描いていましたが、今後は、そのような簡単なものではなくなっていくと考えられています。実際、2018年に入ってからは、仮想通貨市場は低迷を続けており、あきらめて仮想通貨投資をやめ、投入していた資金を引き揚げる人も出てきました。本当は、機関投資家の参入が準備されている今、「仮想通貨市場はこれからが本番」といった状況なのですが、それよりも前段階で大きな損失を出している人が多く、一旦仮想通貨への投資をやめる人も出てきています。

その影響で、仮想通貨市場からはすこしずつ資金が流出しており、仮想通貨市場全体の時価総額はどんどん低下しています。ある程度の期間、仮想通貨を保有しておけば、価格は上がっているという時代はもう終わり、今後生き残っていくであろうコインを選択したり、上がりそうな良いチャートを描いているコインを探したりといったような、テクニカル分析によるアプローチが今後ますます必要となってくるでしょう。

仮想通貨の基軸通貨であるビットコインをテクニカルで分析する

仮想通貨の種類は数百種類にも及び、毎日数々の仮想通貨が生まれています。海外の仮想通貨取引所では数多くの仮想通貨が取引されていますので、どれを買おうか迷ってしまう人も多いでしょう。仮想通貨の取引所では、基軸通貨はビットコインとなっており、表示されるチャートもビットコイン建てのチャートとなっています。自然とビットコインのテクニカル分析がメインとなり、取引もビットコインが多くなってくるでしょう。

このように、ビットコインが仮想通貨の中心となっているので、仮想通貨市場の値動きも、ビットコインにつられることが多く、注意が必要です。例えば、ビットコインが上昇しているときは他のアルトコインも元気があります。しかし、ビットコイン価格が下落しており、どんどん安値を更新していっている状態だと、その他のコインも元気がなく、低迷してしまいます。つまりビットコインのテクニカル分析が、他の仮想通貨にも応用できるわけです。

仮想通貨全体の値動きを想像したり分析したりするためには、基軸通貨であるビットコインのチャートを分析したり、テクニカルを用いて今後の価格を予想することが大切です。今後、基軸通貨が他のコインに置き換わる可能性もゼロではありませんが、今はビットコインが中心となっていますので、まずビットコインの値動きを、テクニカル分析を用いつつ追うようにしましょう。

仮想通貨テクニカル分析では逆張りよりも順張りを意識する

仮想通貨投資で重要なテクニカル分析移動平均線とは、テクニカル分析で用いられる手法で、ある一定期間の終値の平均値を繋いで描かれた折れ線グラフで、チャートを表示すると自動的に表示されることが多い指標です。移動平均線は2本表示され、一般的には赤く表示されるものが「5日移動平均線」、緑で表示される線が「25日移動平均線」です。

この2本の移動平均線のうち、上側の移動平均線の上にローソク足があれば上昇トレンドの中にいると分析することができます。逆に、移動平均線の下にローソク足がある場合は、下降トレンドと分析します。ローソク足がずっと下移動平均線の下側に表示されていたのに、ある時点で移動平均線を超えて上に表示され始めると「下降トレンドから上昇トレンドに転換した」と分析でき、テクニカル的には買いのサインということができます。

また、長期と短期の移動平均線が交わる「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」も、ぜひ理解しておきたいテクニカル分析のひとつです。ゴールデンクロスとは、短期線が長期線を下から上へ突き抜けることを言います。つまり、下にあった赤い線が、緑の線を突き抜けて、緑の線よりも上に出てくることをいいます。これは、絶好の買い場とされており、テクニカル分析において、ゴールデンクロス後は大きな上昇トレンドが来るとされています。

逆に、短期線が長期線を上から下へ突き抜けることを「デッドクロス」といい、この現象の後は大きな下落トレンドが訪れるとされていますので、短期保有が目的の場合は、持っているコインを売ったりするなどの対策が必要な場合もあります。このように、テクニカル分析によって移動平均線を見て、価格の大きな流れを予想することができますので、定期的にチャートと移動平均線を見て、今のトレンドを分析しておくことが大切です。

また、テクニカル分析には「順張り」と「逆張り」という二つのポジションの持ち方があります。大きな流れと同じポジションを持つことを「順張り」といい、上昇トレンドの時に「買い」を入れることを言います。逆に、大きな流れを反対側のポジションを持つことを「逆張り」といい、「上昇トレンドで大分価格が上がったから、これからは下がるだろう。人よりも先に動くことが大切だ」などと考え、上昇トレンド中に「売り」のポジションをもつことをいいます。

一般的に、逆張りの方がリスクが高いとされています。特にビットコインなどの仮想通貨は、強いトレンドに入るとどんどん価格が上昇していくものも多く、「もう下がるだろう」と思っても、下がらずに価格が高騰しつづける場合も多くあります。このような場合に逆張りをしてしまうと、損失が膨らんでしまい、取り返しがつかないほど多額の損をしてしまう場合もあります。仮想通貨投資では、とくに逆張りは危険を伴いますので、ある程度経験を積むまでは、テクニカル分析による順張りを意識するようにしましょう。