仮想通貨のFXの取引ではスワップポイントというものがありますが、為替FXにおけるスワップポイントとは異なり、ポジションを持つための手数料という意味合いを持っています。仮想通貨FXを行う場合は、その仕組みをしっかりと理解して、できるだけコストがかからないようにすることが大切です。ここでは、仮想通貨FXと為替FXにおけるスワップポイントの違いや、スワップポイントの計算方法について詳しく解説していきます。

仮想通貨と為替のスワップポイントは意味が違う

スワップポイントは、為替FXでも仮想通貨FXでも使われる言葉ですが、意味はかなり違います。為替FXのスワップポイントとは、簡単に言うと、2つの異なる通貨の金利差のことを言います。例えば、ポンド/円の通貨ペアを買う場合を考えてみましょう。現在、日本円とポンドを比べると、ポンドの金利の方が高く設定されており、ある時点ではポンドの金利は0.5%、日本の金利は0.1%です。

日本円でポンドを買うということは、日本円を渡し、ポンドをもらうということになります。日本円を渡して、より金利が高い通貨を保有するということになるので、スワップポイントの計算は差し引きでプラスになり、スワップポイントというものがもらえることになるのです。

日本円よりも金利が高い通貨を買うと、「利息」としてスワップポイントをもらうことができると覚えて置けば良いですね。例えば、ポンド/円のスワップポイントが1万通貨あたり30円とすると、10万通貨を買えば、毎日300円をもらうことができます。

仮想通貨のスワップポイントの特徴とは

仮想通貨FXの場合、スワップポイントの仕組みは為替FXと異なります。なぜならば、ビットコインやイーサリアムなど、どの仮想通貨にも「金利」というものがないからです。本来であれば、日本円の金利と仮想通貨の金利の差がスワップポイントになるわけですが、金利そのものがありませんので、そういった計算をすることができません。

仮想通貨FXにおいてのスワップポイントとは、取引所が受け取る手数料のことです。ユーザーにわかりやすいように、スワップポイントではなく、「取り扱い手数料」や「レバレッジ手数料」「ポジション管理料」などと表記している取引所もあります。ユーザーは、スワップポイントを、ポジションを建てる際の手数料として、取引所に納める仕組みになっています。仮想通貨FXのスワップポイントは、金利差で計算されるものではないので、「買い」「売り」のどちらの場合でも、スワップポイントを支払わなければならないところが大半となっています。

取引所が受け取る手数料なので、スワップポイントの設定も、その取引所によって異なります。低く設定してくれているところもあれば、高めのところもあります。仮想通貨FXをする際には、できるだけコストを安く抑えるため、スワップポイントが低い取引所を選ぶことも大切です。

仮想通貨のスワップポイントの計算方法を解説

仮想通貨FXでのスワップポイントは、1日当たりの表示となります。例えば、ビットフライヤーでは買い、売りともに、毎日0.04%のスワップポイントを支払わなければなりません。0.04%というと、とても低いと感じるかもしれませんが、これは1日当たりのスワップポイントです。

年率に換算すると、0.04%×365日=14.6%となります。年率14.6%というと、非常に高い金利で、消費者金融系のカードローンでお金を借りるときと同じような年率ということになります。ざっくり計算して、100万円借りると、年間で14万6000円の支払い利息がかかるということになりますから、非常に高い数字であることがわかると思います。

また、このスワップポイントは、証拠金ではなく、建てたポジションに対してかかってきます。例えば、100万円の証拠金をいれて、15倍のレバレッジを掛け、1000万円分のビットコインを買ったとしましょう。この場合、100万円ではなく、1000万円に対してスワップポイントがかかることになりますから、1日当たりで考えると、1000万円×0.04%=4000円支払わなければなりません。

ポジションを持ち続けた場合、1週間で2万8000円、1カ月で12万円、半年では72万円もコストがかかる計算になります。為替FXの場合は、スワップポイントをもらえる場合もありますが、仮想通貨FXでは、買いでも売りでも大きなコストがかかってきますので、できれば長くポジションを持たず、短期売買をした方が良いということになります。

仮想通貨のスワップポイントはロールオーバー時間が決めて

仮想通貨FXでのスワップポイントは、1日あたりの表示ですが、その1日とは「いつからいつまで」のことを指すのでしょうか?為替FXや仮想通貨FXには、「ポジションの決済を先延ばしにする」という意味の、ロールオーバーという言葉があります。スワップポイントは、日をまたいでロールオーバーをする、つまり決済を延ばすとかかってくるということになります。

何時を過ぎれば「日をまたぐ」ことになるのかということですが、例えばビットフライヤーの場合は、夜中12時と定められています。この時間を過ぎると、必ずスワップポイントを支払う必要がありますので、注意が必要です。

例えば、ビットフライヤーで夜の11時50分にポジションを持って12時を超えた場合、10分しかポジションを持っていなかったとしても、スワップポイントを支払う必要があります。逆に、夜中12時10分に持ち始め、約24時間後の夜11時50分に決済をした場合では、夜中12時を超える前に決済をしているので、スワップポイントを支払う必要はありません。

このように、スワップポイントの仕組みを理解しておくと、できるだけコストを安く抑えるための工夫をすることができます。また、ロールオーバーとなる時刻は取引所によって異なり、夜中の12時ではなく、NY時間に合わせているところもあります。自分が利用している取引所のロールオーバー時間は、必ず確認しておくことをおすすめします。

仮想通のスワップポイントが低い取引所を比較

仮想通貨FXにおいては、スワップポイントが高いところで取引を行ってしまうと、それにかかるコストも大きくなり、ポジションを持っているだけで資産が減ってしまうこともあります。
できるだけ資産を減らさず、効率よく運用するためには、スワップポイントが低い取引所を選んで仮想通貨FXを行う必要があります。

日本の取引所では、ビットバンクトレードが「スワップポイントがない取引所」として人気がありますが、先物証拠金取引の仕組みを採用しています。これは、取引期限があるなど、通常の仮想通貨FXの売買の仕組みとは、少し異なりますので、慣れるまでは注意が必要です。一般的な仮想通貨FXの売買ができる取引所でスワップポイントが低いところは、BITPOINTの0.035%となっています。ビットフライヤーやDMMビットコインは0.04%、GMOコインやQUOINEXは0.05%となっています。

このように、スワップポイントは仮想通貨FXにおいて無視できないコストとなりますので、できるだけ低い取引所を利用することが大切です。しかし、ポジションを持ってから決済するまで数時間内と決めている「短期取引のみを行う人」の場合は、スワップポイントがかからないように調整することができるので、使いやすさなどを重視して決めるという方法もあります。

仮想通貨FXでは大きなレバレッジを掛けての取引が可能で、ポジションを建てる額も大きくなる傾向にありますので、支払うスワップポイントも大きなコストになりやすいということを覚えておくようにしましょう。