仮想通貨の代表と言えば、ビットコインです。このビットコインは一時1BTCが200万円を超える値をつけました。現在は最高額から半値以上下落してしまいましたが、通常では考えられないくらいの値動きです。
では、何故ビットコインはここまで激しい値動きをしたのでしょうか。通常であればある程度の適正価格が存在します。よほどのことが無い限り、その適正価格の前後で値動きを繰り返すことが基本です。仮想通貨の場合も、この激しい値動きの間に適正価格が存在するのでしょうか。
仮想通貨の適正価格における問題点
通貨は、国家やその地域や団体など、価値が保証された決済のために使われる価値の交換に行われる媒体です。いわゆる、物やサービスなどとの交換に用いられ、日本であれば日本円が当てはまります。
仮想通貨も何かと交換できるだけの価値があるのですが、その交換ができる市場の準備が整っていないことや、一般的には投資や投機の対象として利用されているのが現実です。しかし、実質は日本円とも交換が可能なので通貨としては活用できるのではないかと思いますよね。仮想通貨を通常に利用するにはいくつかの問題があるのですが、一つに値動きが激しすぎるという問題があります。
特に、当初から持っていた人などは価値が何百倍になり、ビットコインの場合1BTC=100万円のころから持っていたとしても、一時的には2倍の価値となったこともあるのです。通常の価値が2倍や1/2になるのではとても問題があって信用を得ることができません。
あるリンゴが1BTCで売っています、昨日は1BTC=100円でしたが今日は1BTC=200円となっていました。これではコインとしての役割を果たすことができず、現在このような状態にあると言っても過言ではありません。
仮想通貨の適正価格は需要により変動
株式やFXの場合は、値動きにきちんとした理由や根拠があります。いわゆる経済指標の発表や、災害やテロ、その国の経済状態などに左右されます。仮想通貨の場合、そこまでこういった指標に影響されないのです。では、基本的にどのようなものによって価格を変動させているのでしょうか。
それは、需要の具合によって価格を変動させています。需要があれば価格が上がりますし、需要がなくなれば価格が下がっていきます。ビットコインの場合、発行上限が2100万枚BTCと適正価格が決められているのです。
そのため、需要によって価格が変動するのです。株式の場合などは、激しすぎる価格変動を防ぐためにストップ安やストップ高と言われる、1日に変動してもいい価格をあらかじめ決めているのですが、仮想通貨の場合は制限が掛けられていないので非常に激しい値動きが起こるのです。
仮想通貨は、国単位で規制などが入った時なども急激な値動きとなることがあります。中国や韓国での規制あるという噂が流れただけで、激しい値動きを見せることもあります。それと、仮想通貨取引所がハッキングされた場合も、信頼を失ったり、ハッキングの結果コインが奪われてしまったりすることもあるので、需給、信頼、規制などが主な値動きの原因となります。ですが、はっきりとした理由がわからないために、適正価格がなく、今後の値動きが読めないのです。
仮想通貨ビットコインの適正価格とは
株式の場合は、PERやPBRなどの指標から割安感や割高感から適正価格を知ることができます。為替であるドル円なども、適正価格は無いと言われることもありますが、現在の推移価格や日本や米国の購買力などの指標から大体の適正価格を出すことができます。
この適正価格を導き出すことができれば、投資の対象ではなく、コインとしての役割を担うことができるのです。しかし、適正価格がわからないので現実的に使いにくいのです。翌日には価値が倍になっていたりすれば、使いにくいのは当然ですよね。
仮想通貨を代表するビットコインの場合でも、これだけ激しい値動きをしているので、適正価格がどこに位置しているのか非常にわかりにくいです。1BTC≒200万円をつけているので、それ以下であるだろう思うかもしれませんが、逆に最低価格はいくらくらいなのでしょうか。200万円の半分の100万円くらいでしょうか、そしてその間の1BTC≒50万円くらいが適正価格なのでしょうか。
仮想通貨に適正価格は存在しない
先ほどの1BTC≒50万円くらいが適正価格なのではと言いましたが、1BTCで50万円は高すぎる感じがしますよね、もちろんこの1BTCをさらに分割した形で利用できるので問題はありません。仮想通貨では発行枚数に上限が決められているので、1BTCが最低枚数だとどうしても無理が出てきます。
ただ実は、1BTC≒50万円と書きましたが、実際のところは適正価格が存在しないのが現実なのです。需要で決まっているので適正価格は決めようがありません。特定の経済指標もありませんので、先ほど挙げたように値動きに左右される理由が需要によって影響されているので、いつまでたっても適正価格が定まらないのです。今は1BTC≒200万円くらいをつけたことがあるのですが、今後200万円以上をつけることもありえます。
もちろん、1BTC≒1円にも非常に可能性としては低いですが下落してしまう可能性もあります。下限は0円で値が決められていますが、上限は限りがないので適正価格の幅も決めようがないのです。
仮想通貨の適正価格は使われてから決まる
仮想通貨は新しい通貨として開発された一面があります。ただ、今はまだ機能していない現実があります。様々な要因がありますが、一つとして適正価格の範囲が適正に定まっていないことに原因があると思います。
簡単に倍や半額になっていたのでは使いにくいですし、信用が得られません。さらに、不特定多数の市場参加者がいるのでどちらに動くかが非常にわかりにくいのも適正価格の問題の一つです。人口が多い国で取引が可能となれば、その分だけ多くの資金が流れ込み大きな変動を与えます。
仮想通貨は生まれたばかりのため適正価格が存在しないという理由もあります。そして、この適正価格という問題を解決しなければ次へと進めないのは事実です。新たなる時代のコインとして生まれたので、コインとして使われるようになった時から仮想通貨は価格という価値を持ちます。
まだ現在は、投資や投機の対象でしかありません。この仮想通貨の激しいボラティリティは投資家などにとっては魅力的でもあります。事実、短時間で億万長者を生み出した実績もあります。やはりこのイメージを払拭して安定を得ることが必要です。
仮想通貨の中で一番人気のあるビットコインでも、どこかの国が発行したわけではないのでバックグラウンドとしては少々他の通貨と比べると弱いのが現状です。もしかすると、現在存在する通貨と仮想通貨を比較すること自体が間違っているかもしれませんが、新たなる通貨となるには通過しないといけない道であるのも確かです。
仮想通貨は、まだ生まれたばかりであることと、発展途中であることで問題もありますが、仮想通貨が価格としての価値を持ち出した時には確実に世界に影響を与えますし、人類に素晴らしい利益をもたらしてくれるはずです。その後適正価格が何かで設定されることもあり得るかもしれません。まだ、仮想通貨をここで見限るのは早いのかもしれません。